ホチキス先生の「プログラマーと呼ばれたい」

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Archive for 7月 2011

YAMAHA CS5

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1977年にYAMAHAはシンセサイザーCSシリーズとしてプロ向けのCS80、コンシューマー向けのCS10を発売した。CS80は8音ポリフォニックのシンセサイザーで、定価は128万円。個人が趣味で買える値段ではなかった。シンセサイザーという楽器そのものが一般に認知されていなかったこともあり、赤や黄色、緑に塗られたレバーやスイッチ群のデザインはエレクトーンをイメージしたものだった。あらかじめ設定された22のプリセットをボタンで切り替えて使うというライブ向けの仕様だった。

いっぽうCS10は同時発音数1、1VCO、1VCF、1VCAの最もシンプルなモノフォニックシンセサイザーで、定価も8万2千円と学生でもなんとか買うことができる価格になっていた。同様のコンセプトを持ったモノフォニックシンセサイザーのうち、ROLANDのSH-2が定価9万9千800円、KORGのMS-10が5万3千500円、MS-20が9万8千円だった。

ちなみにこれは余談だが、1989年の一般消費税導入以前には楽器などは「贅沢品」とされ、物品税が課せられていた。物品税は品目によって税率が異なったが、確か楽器は10%課税であったと記憶している。

学生アマチュアミュージシャンにとってこれらシンセサイザーは気になる存在だったが、中でも音が太くロック的だったのは2VCO+サブVCOの実質3VCOであったROLANDのSH-2だった。左右に振るスタイルのピッチベンドコントローラーの操作性も直感的でライブ演奏性に優れていた。KORGのMS-10やMS-20はパッチパネル式で音作りの柔軟性が高かった。これに対してYAMAHAのCS10は1VCOであり回路設計のためか音は軽い上品なものだった。またYAMAHAからは2VCOで三角波を加え、VCFにEGのリバース効果が使えるなど機能を充実させたCS15も発売された。

このCS5はCS10の機能を絞込んで価格を抑えたものだ。

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<Fig.1 – YAMAHA CS5>

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<Fig.2 – YAMAHA CS5背面の製品表示部>

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<Fig.3 – YAMAHA CS5のCONTROL VOLTジャック部>

当時のモノフォニックシンセサイザーのなかには、外部信号によって演奏させるためのコントロール信号を受け付けるようになっているものがあった。YAMAHAのCSシリーズも外部信号の電圧によってコントロールでき、キーボードの打鍵からの信号を外部に出力できるようになっていた。これによりシーケンサーなどによる自動演奏や外部音源との接続、シンセサイザーを複数つないでの演奏などが可能だった。

この外部信号の電圧の取り扱いには2種類の仕様があり、RolandやMOOGをはじめとする海外製品の多くは電圧に対してオクターブが比例の関係にあるOct/V規格になっていた。これを「オクターブ・パー・ボルト」という。この規格では電圧が1ボルト上がると音は1オクターブ上がる関係になるが、音が1オクターブあがると周波数は2倍になるので、周波数に対する電圧の関係は指数比例の関係になる。これに対してYAMAHAやKORGのシンセサイザーは電圧に対して周波数が比例の関係にあるHz/V規格だった。これは「ヘルツ・パー・ボルト」という。

この外部信号によるコントロール機能を利用したアナログシーケンサーも各社から発売されていて、俺が愛用していたのはRolandのCSQ-100だった。これはOct/V規格だったのでYAMAHAのシンセサイザーと接続するためにOct/VとHz/V規格をコンバートするKORGのMS-02インターフェースを使っていた。MIDI規格が普及し、ディジタルシンセサイザー全盛時代になったとき、これらの機材は捨ててしまったが、今考えれば先の見通しが甘かったとしか言いようがない。大いに後悔している。

ところで周波数とオクターブは、1オクターブ上がると周波数は2倍になる関係があるので、Oct/V規格では高音域になるほど1ボルトあたりの周波数割り当てが多くなる。つまり高音域では少しの電圧変化が大きな周波数変化になる。おそらくこれがOct/V規格のシンセサイザーの音程が不安定である理論的な原因であると思われる。逆にHz/V規格では制御しようとする全体の音域をOct/V規格と同じにしようとすると、1オクターブあたりの電圧割り当てが低音域ほど小さくなるので、低音域に音程が不安定になる傾向がみられるはずだが、人間の耳は低音域の音程の変化は感じにくいので顕著化しないのではないかと思われる。このあたりはVCFやVCAのコントロールもあわせて理論的に解明してみたいところだ。

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<Fig.4 – YAMAHA CS5のTRIGGERジャック部>

これはTRIGGERジャック部だが、TRIGGERは音のON/OFFをコントロールする信号でGATEともいわれる。このTRIGGERまたはGATE信号も高電圧をONに割り当てるかOFFに割り当てるかの2規格が存在し、ONを高電圧に割り当てるものをV-Trig、Voltage Triggerといい、OFFを高電圧に割り当てるものをS-Trig、Switch Triggerといった。YAMAHAやKORGはS-Trig、ROLANDはV-Trig規格だったが、これらもKORGのMS-02ではコンバートすることができた。

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<Fig.5 – YAMAHA CS5のEXTERNAL INジャック部>

EXTERNAL INに外部音源を入力すると、シンセサイザーのVCFやVCAで音をコントロールすることができた。たとえばギターを接続しVCFをコントロールするとワウペダルのような効果が期待できるが、実用的ではなかった。

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<Fig.6 – YAMAHA CS5のEXTERNALとLFOコントロール部>

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<Fig.7 – YAMAHA CS5のVCOコントロール部>

VCOノコギリ波をそのまま出力し、それに矩形波をミキシングして加える仕様になっている。ノコギリ波の要素は変更できないが、矩形波はLFO変調、ポルタメント、PWMがかけられるようになっている。PWMはPulse Width Modulationで、波形のデューティー比を変調することである。

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<Fig.8 – YAMAHA CS5のMIXERコントロール部>

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<Fig.9 – YAMAHA CS5のVCFとEGコントロール部>

パネルのこの部分は上がVCF、下がEGコントロールだ。

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<Fig.10 – YAMAHA CS5のVCAコントロール部と電源スイッチ>

パネルの右端、VCAと電源スイッチ部分。

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<Fig.11 – YAMAHA CS5のPITCH BENDコントロール>

YAMAHAのCSシリーズではピッチベンド・コントロールがこのように前後スライダーになっている。音程は上方にスライドすると上がり、下方にスライドすると下がる、という仕様だが、これに対してROLANDのSHシリーズでは左右にスライドするコントローラーを使っていた。音程は右に傾けると上がり、左に傾けると下がる仕様だ。体感的にはROLANDのコントローラーが良いと感じる。キーボードの鍵盤に対して音程の上げ下げの感覚が同じだからだ。ピッチベンドで音程を上げるところはソロの上でテンションになる部分であり、ROLANDのキーボードを使いベンドしながら体を右に傾けるプレイヤーのアクションは視覚的にもエキサイティングだったことを思い出す。

YAMAHAのWebサイトには未だに生産完了品についても公式の記載があり、このCS5も基本的なスペックなどを見ることができる。

YAMAHAのサイトにおけるCS5についてのページ
http://jp.yamaha.com/products/music-production/synthesizers/cs5/?mode=model#list=within&page=2

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Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月30日 at 7:56 PM

Kindle 2の故障で米amazonにコンタクトをとりカスタマサポートに下手な英語で状況を説明し、新しいKindle 2と交換してもらった顛末記

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先日このblogに書いたKindle 2の故障だが、これを機会に新しいKindle 3 Wifiモデルを買ってしまおうか、という欲望がふつふつ芽生えつつ、Twitterでつぶやいたところが似たような症状で米amazonのカスタマサポートに連絡し、対応してもらったとのツイートをもらい、これも面白い経験だと米amazonにコンタクトをとってみた。

Kindleのサポートは、米amazonサイトで受け付けている。

http://www.amazon.com/

まずKindle Supportのページをみつける。サイト内のどこにあるかわかりにくいので、Searchで「Kindle Support」でサーチすると早い。Kindle Supportのページがみつかれば、右側のペインに「Contact Us」のボタンがあるのでクリックする。このとき、まだサインインしていなければサイインのフォームが表示されるので、Kindleを買ったアカウントでサイインする。すると「Kindle Customer Service」のページが開く。「Select an issue」をクリックし、最も適切な項目として「My Kindle is damaged」を選択した。

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<Fig.1 – 米amazonのKindle Customer Serviceページ>

「Select an issue」を選択すると、3つのコンタクト方法が示される。「E-mail」か「Phone」または「Chat」だ。「Phone」が推奨となっているが、日本から米amazonに電話するのもコストがかかると思ったし、英語の苦手な俺はたとえ電話をしても状況が正確に話せないことは間違いない。そこで「E-mail」でKindleの状態を英語で書いて送った。

「E-mail」をクリックすると、Webフォームでメールを送ることができる。Webの翻訳ページを使って英文を書き、このフォームでメールを送信したのは日本時間で7月12日の深夜0時くらいだった。ディスプレイの上部1.3cmほどが壊れて表示できなくなった。落としたり力を加えたりしたのではなく、しばらく本棚にしまっていて、久しぶりに電源を入れたらこうなっていた。なんとかならないか。といったような文だ。

このようなメールサポートの場合、今までの経験ではたいてい数日から1週間ほど経ってようやく返事がくる、と思っていたが、Webフォームからメールを送った次の日、朝起きるとamazonからのメールが届いていた。メールが送信されたのは約4時間後の深夜4時頃だった。

サポートの早さに驚くとともに、メールの内容が実に丁寧であることにも軽い感動を覚えた。「Kindleの調子が悪いようで申し訳ない。もしKindleの交換を望むなら、あなたのKindleの調子を確認したいので電話で話をしたい。いくつかチェックした項目がある。電話はWebフォームでそちらの電話番号を入力してくれると、こちらから電話をかける。なお国によってはこちらからかけることができないこともあるので、そのときは直接こちらに電話をかけて欲しい。」といった内容だった。

それでも俺は不安だったので、もういちどWebフォームからメールを送ってみた。俺は日本人で英語に自信がない。電話なら日本語で話すか、または英語でならメールでのサポートをして欲しいのだが、と。するとまた丁寧なメールが返ってきた「あなたの気持ちはわかる。だがこちらには日本語のできるスタッフがいない。誰が知人や家族で英語のできる人に頼んで手伝ってもらうか、こちらに電話したときに、よくわかるようにゆっくり、はっきりと英語を話すように申し出てくれないか。」といった内容だった。

ううむ。やはり電話するしかないようだ。

7月14日にWebフォームを使って電話サポートを受けることにした。再び「Kindle Customer Service」のページを開き「phone」をクリックする。すると電話番号を入力するフォームが表示される。「Country」の選択で「Japan」を指定する。

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<Fig.2 – Kindle Customer ServiceのHave us call you right nowページ>

「Your number」に電話番号を入力し「Call me now」ボタンをクリックする。ちなみに携帯電話の番号ではだめだった。固定電話の番号でなければ有効にならない。

「Call me now」ボタンをクリックすると、すぐに電話がかかってきた。サポート担当者は「Kindleの電源ボタンを15秒スライドさせてリセットしたか」と聞くので、それはやった、と答えると次に「30秒スライドでリセットしたか」と聞いてくる。それはやってないので、その場でやってみる。しかし画面は戻らない。壊れたままだ。「わかった。そのKindleは1年以上経過しているので保証期間をすぎている。だが40ドル払えば新しいKindleを送ることができるが、どうだ。」と言われた。送料などはどうなるのだ、と聞くと、シッピングコストと手数料をあわせて53.98ドルだ、と言われた。壊れたKindleは30日以内に返送してくれ、とのこと。後はクレジットカードの番号と送先の住所を確認して電話サポートを終了した。

次の7月15日、朝6時頃に、Kindleが出荷されたとのメールが届く。

7月17日の夜、自宅にKindle 2が届いた。

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<Fig.3 – 自宅に届いたKindle 2>

米amazonに問い合わせのメールを出したのが7月12日、そして交換用の新しいKindle 2が自宅に届いたのが7月17日。この間なんと5日間である。

このサポートの経緯から、米amazonのKindleに対する姿勢がみえる。Kindleが壊れたとき、できるだけ早くユーザーに本を読めるようにするというサービス中心の姿勢だ。現時点でKindleは最新モデルがKindle 3となっており、日本のamazonサイトでは代理店が取り扱っているようだが、この米amazonのサポートは信頼できる。Kindleの購入を考えているなら、ぜひ米amazonからの直接購入をお勧めする。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月18日 at 2:51 AM

ネットワークに関するトラブルシューティングの実際(後編)

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ネットワークのトラブルでクライアントPCからファイルサーバーの共有フォルダが見えなくなった、との連絡をうけ、自宅からアドバイスを出しながら担当者にトラブル対応をお願いしていた。「人災」の可能性を考えた俺は、ネットワークのトラブルがおこった時間にネットワークに関して何かした人がいないか調べてみてくれ、とお願いした。すると普段はネットワークに接続していないノートPCを繋いだ人がいることがわかり、調べるとIPアドレスが既存のクライアントマシンと重複していたことがわかった。そこでそのノートPCのIPアドレスを重複のないものに設定しなおしてもらった。

担当者からは「いったん復旧したように思えたのですが、しばらくしてまた使えなくなりました」との報告だった。担当者からはPCからサーバーへPingを試した結果や、実際にクライアントPCから共有フォルダのマッピングがどのように見えているのかをデジカメで撮影した画像などを送ってもらった。このあたりはメールで文章で説明されたり、電話で聞いてもなかなか実際のところがわかりにくい。写真なら一目瞭然だ。

クライアントPCからドメインコントローラーやファイルサーバーなどにPingが正常に届くことがわかっている。またファイルサーバーは他にもあって、クライアントPCのいくつかは他のファイルサーバーの共有フォルダを正しくマッピングしているものもある。「ネットワーク」を開くとドメインを示すアイコンは表示されるものの、ドメイン内にあるはずのサーバーなどコンピュータはごく一部を除いてアイコン表示されていない。こうした中途半端な状態はやっかいだ。担当者は「名前解決の問題ではないでしょうか」と言ってきた。一般ユーザーは「見えない」とか「つながらない」と言うが、管理者としては接続において何が問題なのかを具体的に洗い出さなければならない。IPレベルだけでなく、「名前解決」ができているかどうかは重要だ。

ネットワーク経路のスイッチをチェックしたが、どのスイッチも異常がないようだ。ドメインコントローラーをチェックしてみる。すると確かにネットワークの障害がおこった時間にARPエラーログが記録されている。サーバーを再起動し、テスト用のクライアントPCをサーバー室に持ち込み、ネットワークを切りはずしながらチェックをしようとしていたとき、もうひとつIPアドレスの重複がみつかった。そしてIPアドレスを設定しなおすと、ネットワークの障害は解消された。

結局ネットワーク上に同一IPアドレスのマシンが2台あったことでネットワークのトラブルがおこったことがわかった。原因はきちんとしたIPアドレスの管理ができていなかったことにある。固定IPでネットワークを構成するなら、台帳で正確にIPアドレス管理をするべきであるが、言うは易し行うは難しで今までにも何度かこうしたトラブルを経験している。

まず設定時に不注意で間違ったIPアドレスを設定してしまうことがある。特に大規模なPCの更新時などは、単純作業を繰り返すうちに注意力が散漫になり間違う可能性を防げない。仮に2台同じIPのマシンを設定してしまっても、同時に起動していなければそれぞれは正常に動作するのでわからない。

次に実験的に構築したマシンのIPアドレスを「とりあえず」適当なものに設定してしまうことがある。実験機であってもIPアドレスの管理をするべきなのだが、実験中は思考が実験に向いているのでどうしてもIPアドレスのようなレベルの低い部分については、とにかく使えるようにすることを考えてしまうので、どうしても管理がおろそかになる。そして実験機がうまく動けば、そのまま実運用環境につないでしまったりするので問題になる。こうしていつのまにかネットワーク上に管理上ありえないIPアドレスのマシンが増えていく。

コンピュータを更新した場合もIPアドレスの重複がおこる。古いマシンを新しいマシンに置き換えたとき、新しいマシンを以前のマシンを同じIPアドレスにすることが多い。このとき古いマシンを廃棄すれば問題ないのだが、往々にして古いマシンも用途によってはまだまだ使えるということで、使用頻度の小さいクライアントPCに転用したりしてしまう。このときIPアドレスをそのままにしてネットワークにつないでしまったりする。

ネットワーク上にIPアドレスの重複があったとき、その重複のあるPCだけでなくネットワーク全体、厳密にはブロードキャストドメインにトラブルを与える。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月16日 at 7:52 AM

Roland SH-2

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往年の名機といえるローランドのアナログシンセサイザーSH-2だ。これは学生時代にとても欲しかったシンセサイザーだったが、当時は高くて買うことができず、あこがれの一品だった。当時この手のアナログシンセサイザーは、YAMAHAのCSシリーズ、KORGのMSシリーズ、そしてこのROLANDのSHシリーズが評判だった。

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<Fig.1 – Roland SH-2>

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<Fig.2 – Roland SH-2 のロゴ部分>

このシンセサイザーは2VCO+サブVCOの3VCOモデルで、同クラスのシンセサイザーに比べて音が分厚い特徴がある。またコントロールもYAMAHAのCSシリーズなどに比べて簡素化されており、自由度が小さいかわりに直感的でわかりやすい。KORGのMSシリーズがパッチパネル式で柔軟性を持たせた設計であるのと対照的で、おそらくライブでの直感的操作性に重点を置いた発想である。

このシンセサイザーは10年ほど前に中古で手に入れたものだ。懐かしいということもあるが、教科「情報」の教材としても使っている。歴史的な意味もあるが、音声のディジタル表現に関して、音の要素を直感的に体験するのにうってつけのマシンである。スライダを動かしながら音程、音量、モジュレーション、エンベロープなどを体験的に理解できる。

現行の学習指導要領では、音のディジタル表現については「情報と表現」か「マルチメディア表現」の科目において最も直接的に取り扱われるが、「情報A」や「情報B」、「情報C」においても基本的な音のディジタル表現について取り扱われている。教科「情報」の教員は、音のディジタル表現についても積極的に技術と知識、教材研究を重ねなければならない。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月14日 at 1:19 AM

ネットワークに関するトラブルシューティングの実際(前編)

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今日は職場でネットワークのトラブルが発生している。あいにく私は現地におらず、メールで連絡をもらった。「ファイルサーバーが見えなくなっています。策はありますか?」という連絡である。連絡をくれた担当者には少し前からActive Directoryの管理をまかせており、ネットワークの基本的な部分は理解しているが実務経験はまだ少ない。さて、どうアドバイスをするか。

俺が勤務する学校のシステム全体はWindows ServerとWindowsクライアントのクライアントサーバーであり、Active Directoryで管理されている。サーバーはドメインコントローラー、ファイルサーバー、その他何台かで構成されており、クライアントPCはWindows XP、Windows Vista、Windows 7が混在している。またネットワーク型のレーザープリンタが数台あり、Windows Serverでプリンタ共有になっており、Active Directoryで公開されている。インターネット接続はプロキシサーバー経由でWeb利用ができるようになっている。

トラブルシュートは実務経験を積むたいへん良い機会だ。俺は現地には行けないので、メールでアドバイスをしながら担当者が自力で解決できるように支援することにした。

まず現状を正しく報告させることにした。「ファイルサーバーが見えない」という報告だが、本校ではファイルサーバーの共有フォルダをWindowsのログインスクリプトでローカルPCのXやYにマッピングしている。一般ユーザーはファイルサーバーを利用するとき、自分のPCの「コンピュータ」を開くと、そこにXやYドライブが見えており、それを開くとファイルサーバーにアクセスするようになっている。「ファイルサーバーが見えない」ということは、おそらく「コンピュータ」のローカルドライブのマッピングができていない、という状況のようだ。担当者にもう少し詳細な情報を教えてくれ、とメールをした。

担当者からクライアントPCからネットワークを開いた画面を携帯で撮影したデータが送られてきた。「コンピュータ」にネットワークドライブのマッピングがない。また「ネットワーク」を開くとドメイン全体は表示されているが、ドメイン内のコンピュータが何も見えない状態になっている。

俺の今までの経験では、ネットワークにトラブルが発生したとき、誰かが何かをした「人災」であることが多い。一般ユーザーがLANケーブルを抜き差しして間違ってループ上にしてしまったとか、ネットワークプリンタの設定をいじってIPアドレスを変更したとか、持ち込みパソコンに勝手なIPアドレスを与えてネットワークに接続したとかである。そこでトラブルがおこった時間が重要になってくる。そしてその時間にネットワークに対して何かした人はいませんか、と聞くのである。多くの場合、本人は自分がネットワークに影響を与えたと思っていないので答えてはくれない。しかし全体に対して注意を喚起する意味でこうした問いかけは重要である。原因が判明してから「あなた、これ、あのときやったでしょ」と言うと、「ああ、そうだったかも」という答えが返ってくることが通常だ。こうした「人災」を少しずつなくしていくためにも、あるいはネットワーク障害の現状を説明するためにも、こうした全体への周知は必要だ。

コンピュータやネットワークのトラブルに限らず、何らかの故障に対応するときには、むやみに調べても効果はあがらない。ある程度原因を推理しながら調査することがいい。では今回のわかっている状況のなかで、トラブルの原因として考えられることは何だろう。次のような原因が想定できることを担当者にメールしてみる。

1.ファイルサーバー自体が故障のため機能しなくなっている。
2.クライアントPCからファイルサーバーに至るネットワークが物理的に途中で途切れている。
3.IPアドレスの重複などTCP/IPネットワークの問題がある。
4.経路上のスイッチなどネットワーク機器の不調。
5.名前解決ができなくなっている。
6.ログオンスクリプトが動かずネットワークドライブのマッピングができていない。

しばらくして担当者に電話で連絡すると、通常はネットワークにつないでいないノートパソコンをネットワークに繋いだ人がおり、そのIPアドレスが既存のデスクトップPCと重複していたことがわかったそうだ。そしてそのノートPCのIPアドレスを変更し、重複を回避したが、それでもネットワークは回復しないという。そこで俺は「そのノートPCがつないであるLANケーブルの先にあるスイッチングハブを見て欲しい。ランプの点き方が異常じゃないか。」と聞いた。すると案の定、スイッチのすべてのランプが点灯しっぱなしになっているとのことだった。そこでいったんスイッチの電源を落とし、しばらくしてから再投入を指示した。すると通常の点滅状態に復旧したようだ。

だがそれでもクライアントPCからファイルサーバーの共有フォルダは見えないという。他のスイッチも調べることを指示して今日の対策は終わった。(続く)

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月13日 at 4:38 PM

バルタン星人の修理 – システム管理者には今あるリソースを無駄なく活用する姿勢が必要である。

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いかに運用に不可欠であっても、必要なものがいつでも手に入るものではない。既存の機器が最新の状態に保たれるわけではない。故障した機器がすぐに修理されるわけではない。そこでシステム管理者には、今あるリソースを無駄なく活用する姿勢が必要である。

と大上段にかまえて強引な脈絡をつけるのだが、今日は世間話的なネタである。

そもそもモノを修理するという行為は喜びを感じるものだ。休日にふと時間が余ったとき、放置していたいろんなことに気が向くのだが、その中でも壊れたものを修理する、というのはかなり楽しい時間になる。先の週末にはバルタン星人を修理してみた。

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<Fig.1 – 左手の付け根が取れて壊れてしまったソフビのバルタン星人>

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<Fig.2 – 外れた手の先と本体の腕の部分>

このバルタン星人の手の先は細長いふくらみになっているが、ここに大型のハサミを取り付けるようになっている。取り付け部のふくらみの根元はくびれており、強度が弱くなっているので切れて取れて壊れてしまった。この修理はなかなかやっかいである。まず素材が塩化ビニールという軟性樹脂であることが問題だ。軟性樹脂の接着は難しい。さらにこの部分はかなりの強度が必要である。くびれていることに加えて、取り付けたハサミを動かして遊ぶという常時力が加えられる部分でもあるからだ。

強度をかせいで塩化ビニールを固定するには、熱を加えて固定することが最もよいことはわかっているのだが、形が変わってしまうことは防ぎたい。

実はこの部分を、一度エポキシ接着剤で修理した経緯がある。エポキシ接着剤は修理に都合がよい。エポキシ接着剤はAとBの2液を混合して使う接着剤で、混合する前、混合した直後はさらりとした液状だが、混合すると少しずつ固まってくる。2液を混ぜて壊れた部分の隙間に流し込み、しばらく経ってから少し粘度がでてきたものを上から山盛りに盛るという使い方をすると、破損部に接着剤が盛られた状態で固まり、かなりの強度を稼ぐことができる。だがこの部分の修理にはむかなかった。一度エポキシ接着剤で修理するとき何度もペンチでひねったので端が破れてしまっている。

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<Fig.3 – 壊れていないバルタン星人の右腕の付け根部分>

取れた部分をエポキシ接着剤で取り付ける方法がだめだったので、まったく別の修理方法を考えた。要はハサミが付けられるように腕の先にふくれた部分を作ればよいのだ。それはハサミを差し込むと外から見えなくなるので、頑丈であればどんな素材でもいいはずだ。

そこで壊れていない右腕の先をみながら、同じような形になるように何かの素材を加工し、腕の先にねじ込むことを考えた。

素材は何がいいだろうか。この丸い形を作るには、木材が適していると考えた。まず割り箸を流用することを考えたが、割り箸では細すぎる。バルサ材は加工が簡単だが、この細さでは強度がかせげない。いろいろ考え、粉砕した木片を樹脂で固めた集成材が最も適していると判断し、工作用の集成材をホームセンターで手に入れ加工した。

まず集成材をこの腕先の最大寸法になるようにおおまかにノコギリで切り、カッターナイフで少しずつ削って形を整える。片側は腕の根元の穴に収まるように細く削り、もう片方は右腕の先と同じような形に削り出す。

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<Fig.4 – 工作用の集成材を削りだして腕の先に取り付けた>

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<Fig.5 – 工作用の集成材を加工して左腕に取り付けたところの接写>

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<Fig.6 – 左腕を修理したバルタン星人を正面から見た>

この部分はハサミの中に納まるので、形をそれほど丁寧に削る必要はない。おおまかな加工で十分だ。だいたいいい感じにできたところで接着剤で腕の中に収めて固定する。シアノアクリレート系の瞬間接着剤でもいいと思ったが、ここではエポキシ接着剤で固定した。

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<Fig.7 – 修理してハサミを取り付けたバルタン星人の左手付け根>

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<Fig.8 – 修理した左腕と取り付けたハサミの接合部分>

ある程度の時間をおき、腕の付け根に集成材の木片がきちんと接着されたことを確認してから、何度かカッターナイフで形の修正をしてハサミの取り付け具合を調整した。うまく形が整えば、このように外から見てもわからないくらいの接合状態になった。

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<Fig.9 – 修理し復活したバルタン星人>

強度もあるのでハサミをぐるぐる動かしても大丈夫だ。これでいい。

こうして修理をしてみると、自分で納得のいくできばえになるととても満足である。この満足感はシステム管理の喜びに通じるものがある。外から見ただけではわからない。だがあたりまえのように動いているシステムは、管理者が工夫と努力によってちゃんと動くようにしているのである。システムは正常に動いていてあたりまえ。普段は誰も感謝しない。異常があれば非難を受ける。いったいどうなっているんだ。いつまでかかるんだ。早く直せ。

しかしそれでいいのだ。システムを正しく動かす手法はいくつもある。その中から時間と労力などを考え、そのときその時点で最適の手法を選び運用する。自分で工夫し、自分の手でやったものだけがわかる世界だからだ。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月13日 at 10:55 AM

Kindle 2のE-INKがおかしくなった

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通勤電車で愛用していたKindle 2だが、ここしばらくは上級モデルのKindle DXを使っていて、Kindle 2はソフトケースに入れて本棚にしまっていた。それを久しぶりに出してくると、なんと、画面の上部がおかしくなっていた。

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<Fig.1 – E-ENKがおかしくなったKindle 2>

E-INKの上部、約1.3cmほどがおかしくなっている。このうち、左上の隅は焼きついてしまっており、スクリーンセーバーの黒枠が出たまま、それ以外は帯状に白くなっており、ここは白いままである。

電源を入れて文字を表示したところは次の写真のようである。これは「青空文庫」から海野十三の「蠅男」をPDF化して表示したところだ。この写真を見ると、焼きついた部分、真っ白で表示されない部分がよくわかるはずだ。

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<Fig.2 – E-INKがおかしくなったKindle 2で青空文庫より海野十三の「蠅男」をPDF化して表示したところ>

たいへん残念なことに、微妙にテキストの余白部分だけでなく本文にかけて文字が読めなくなってしまった。おかしくなった部分がせめて余白に収まってくれればよかったのだが。

この現象だが、なぜこのようになってしまったのか、思い当たるところがない。しいて言えばこのKindle 2は本棚に横向きに立てかけて置いていたこと、頭の部分は壁側に向けており、西日によってやや温度が高い状況にあったことだ。しかし直射日光に当たっていたわけでなく、単に壁側に向いていただけである。それほど温度が高くなっていた訳ではない。

何度かリセットし、Kindle 2を再起動してみたが現象は改善されなかった。また米Amazonサイトで確認しても、保障は1年間で、すでに保障期間を過ぎている。

このようなデバイスは修理という訳にはいかないと思いつつ、なぜこのようになったのか、という説明も含めてAmazonに問い合わせをしたいところだが、現時点で問い合わせのチャンネルは見つけられていない。お気に入りの電子ブックリーダーであっただけに残念である。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月12日 at 12:35 AM