ホチキス先生の「プログラマーと呼ばれたい」

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Archive for 10月 2011

Kindle 2とKindle DXのキー配列についての考察 – 数字キーとページめくりの操作性

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Kindle 2とKindle DXの違いは、もちろん画面の大きさにあるのだが、キー配列の違い、特に数字キーの配列によってページめくりの操作性に違いがある。

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<Fig.1 : Kindle DXのキーボード>

これがKindle DXのキーボードである。Kindle DXはレギュラーサイズのKindleより大きいが、キーボードはコンパクトにまとめられている。キーそのものも横長の小さな形になっているが、これがなんとも押しにくい。日本人の細い指でも押しにくいのだから、欧米人の手ではもっと押しにくいのではないかと思う。

だがページめくりの操作性に関しては、キーが小さいことが問題ではない。

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<Fig.2 : Kindle DXの数字キー>

Kindle DXの数字キーは独立ではない。ところでKindleのキーボードは何のためにあるかというと、ひとつは電子書籍中のテキスト検索をするためにある。キーワードをアルファベットキーで入力して検索するのだ。もうひとつはページをめくるのに使う。このとき数字キーを押すことになる。

日本語の本を読むなら英語でテキスト検索をするケースは少ない。またPDFを読んでいるなら、テキスト情報が入っていなければそもそも検索することができない。そこで日本人がKindleで本を読むとき、キーボードを使うシーンとはほとんどがページめくりに使うことになる。

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<Fig.3 : Kindle DXでページ番号を入力する>

スレートPCやタブレットPC、あるいは他の電子ブック端末では、画面のタッチアクションによってページめくりをするものが多いだろう。右から左に、あるいは左から右に指を画面でこするのだ。Kindleも最新型のKindle TouchやKindle Fireならタッチアクションに対応しているはずだが、Kindle 2やKindle DXはタッチパネルではないので数字キーの入力でページをめくることになる。しかしタッチアクションに対応したものであっても、数ページめくるくらいならタッチアクションでいいだろうが、100ページ、200ページと多くのページをめくるには、やはり数字入力になるだろう。その意味でどんなデバイスであっても数字入力の操作性は大切だと思われる。

Kindle DXの数字キーは独立していない。したがって数字を入力するにはいちいち「ALT」キーを押さなければならない。たとえば125ページを表示させたいなら、

ALT
Q1
ALT
W2
ALT
T5

の6つのキーを押さなければならない。これが実に面倒だ。特にそもそもKindle DXで読書をする場面として、通勤電車の中で吊革につかまって片手でKindle DXを持っている、というシーンが多いので、このキーボード操作はとても不満である。やりにくい。

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<Fig.4 : Kindle 2のキーボード>

一方Kindle 2は筐体はKindle DXに比べてずいぶん小さいが、キーボードには十分な広さを与えられている。キーは小さいが円形で中央が少し盛り上がっており、なかなか押しやすい。

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<Fig.5 : Kindle 2の独立した数字キー>

そしてKindle 2のキーボードは数字キーが独立している。したがってページ125を入力するには、

1
2
5

と数字キーを押すだけでいい。

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<Fig.6 : Kindle 2でページめくりをする>

実際にKindle 2で125ページに移動したいときには、メニューを開くところからこういうキー操作になる。

MENU
Go to…で5-way controllerを押す
1
2
5
5-way controllerを下に傾ける
pageで5-way controllerを押す

つまり7プッシュで目的の125ページに切り替えることができる。これに比べKindle DXでは

MENU
5-way controllerを下に傾ける
Go to…で5-way controllerを押す
ALT
Q1
ALT
W2
ALT
T5
5-way controllerを右に傾ける
5-way controllerを押す

と11プッシュの操作が必要だ。

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<Fig.7 : Kindle 2でページ切り替えをするpageボタン>

電子ブックが普通の本と違うところは、ぱらぱらとページをめくる操作性がないところにある。これを補うのが数字入力によるページめくり機能であるから、ぜひ少しでもよい操作性にしてほしい。現行のKindleはキーボードのないものが主流になりつつあるので、Kindle 3やKindle 4のページめくり機能がどうなっているか、とても興味があるところだ。

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ScanSnap ManagerのPDFテキスト認識機能で検索可能なPDFにし、テキストデータを生成する

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Kindleは初期バージョンと第二世代のいわゆるKindle 2は英語以外のフォントが入っていないので、日本語のテキストファイルを読むことはできない。またファイル名も日本語では読めず、ファイルの一覧表示では日本語の文字は全て四角形、いわゆる「豆腐で表示される」というものになる。第三世代のKindle 3からは日本語を含め他国後フォントが入っているので日本語テキスト文書が読めファイル一覧も日本語で表示されるはずだが、俺はまだ実際に確認していない。Kindleも廉価版のKindle 4、従来のようなキーボード付きのKindle Kyeboard、カラー多機能型のKindle Fireとラインナップが充実しているので、日本語フォントの実際を試したいこともあり、新しいものが欲しくなる。

ところでKindleは日本語フォントの入っていない初期型、Kindle 2、そしてKindle DXでも、PDFファイルにすれば日本語の本も読むことができる。PDFはいわば文字が画像のように扱われているので、表示する機器の言語対応がどうであれ、ちゃんと表示することができるのだ。ある意味で書籍を電子化して読むためには、本をそのまま見ているかんじになるので、現時点ではPDFが最もよいと言えるのかもしれない。そして今後はXPSの普及に期待するのはもちろんだ。

しかし文庫本をPDF化したとき、ページ全体のサイズがKindle 2では少し面積が小さすぎる。したがって文庫本をPDF化してKindle 2で見ると、本来の文庫本の文字よりもさらに若干小さくなってしまうのだ。最近の文庫本は昔に比べてフォントを少し大きめにとっており、ある程度の解像度できちんとスキャンすれば、多少フォントが縮小されても読むのに支障があるほどではない。ちなみに俺はScanSnapで文庫本をスキャンするとき、300dpiの白黒二階調でPDF化している。いまのところこれがベストプラクティスだ。

しかし少し暗いところで本を読みたいときなど、Kindle 2では文字の大きさに不満がある。そこで最近はもっぱら大判のKindle DXを使うことが多い。Kindle 2のディスプレイサイズが6インチで600×800ピクセルであるのに対して、Kindle DXのディスプレイは9.7インチで824×1200ピクセルである。文庫本のPDFを9.7インチに表示すると、実に読みやすい。

しかしKindle DXにも不満はある。重いのだ。重い、といってもKindle DXは545gしかないのだが、Kindle 2は290gであり、やはりこの差は大きい。290gのKindle 2は片手で長く持っていても疲れを感じることがないが、Kindle DXを片手でずっと持っているとやぱり腕が疲れてくる。

そこで、やはり、文庫本をスキャンした後、文字を日本語テキスト化し、日本語フォントの入ったKindleで読むことを試したくなった。テキストにして機器が持っているフォントで表示させるようにすれば、文字の大きさを変えて読むことができるはずだからだ。

イメージスキャナで画像として取り込まれたものをテキスト化するには、いわゆるOCRという機能を持ったソフトウエアが必要である。OCRのソフトウエアはもうここ10年近く使ったことがないのだが、ScanSnapのイメージ取り込みソフト、ScanSnap Managerの設定を見ると「テキスト認識」という機能がある。これはドキュメントをスキャンしてPDFに保存するときに、文字をテキスト認識してPDFに埋め込み、いわゆる「透明テキスト付き」のPDFを生成できるようになるものだ。これを試してみた。

Scan_Snap_Setup_001

<Fig.1 : ScanSnap Managerのファイル形式オプション>

ScanSnap Managerのテキスト認識機能は「ファイル形式」オプションで設定する。「ファイル形式」タブを開き「テキスト認識の選択」で「検索可能なPDFにします」をチェックするよいのだが、このとき「テキスト認識には、非常に時間がかかる場合があります。」といったメッセージが表示される。OCR文字認識には時間がかかるのだ。

Scan_Snap_Setup_001_2

<Fig.2 : ScanSnap Managerで「検索可能なPDFにします」オプションをチェックする>

テキスト認識オプションで「検索可能なPDFにします」をチェックすると、対象言語の選択と対象ページが先頭ページのみなのか全ページなのかを選択できる。

Scan_Snap_Setup_004

<Fig.3 : ScanSnap Managerで検索可能なPDFにしますオプションをチェックした>

対象言語は「日本語」、対象ページは「全ページ」でスキャンする。文庫本を裁断し、150ページ分つまり75枚をScanSnapの給紙トレイに装填しスキャンをはじめる。

まずページ全部が読み込まれてスキャンし、画像として取り込まれる。このスキャンには2分6秒かかった。ちなみに「検索可能なPDFにします」オプションをチェックしないでスキャンすると2分5秒であり、画像スキャンにかかる時間はほぼ同じだ。

スキャンが終われば引き続いてテキスト認識が行われる。

Scan_Snap_Setup_005

<Fig.4 : ScanSnap Managerでテキスト認識を実行している(その1)>

Scan_Snap_Setup_007

<Fig.5 : ScanSnap Managerでテキスト認識を実行している(その2)>

Scan_Snap_Setup_008

<Fig.6 : ScanSnap Managerでテキスト認識を実行している(その3)>

このテキスト認識プロセスは結構時間がかかる。150ページの認識にかかった時間は6分8秒だった。単純にPDF化するだけなら2分5秒でよかったので、ほぼ3倍の時間がかかったことになる。

同じ本を「検索可能なPDFにします」オプションをチェックしないでスキャンとチェックしてスキャンの両方をやってみた。「検索可能なPDFにします」オプションをチェックするとOCR認識されたテキストがPDFに埋め込まれるので、ファイルサイズは少し大きくなる。

Scan_Snap_Setup_009_mid_640_480

<Fig.7 : ScanSnap Managerで「検索可能なPDFにします」オプションをチェックする、しないでPDF化したファイル>

一冊の本を150ページずつスキャンした結果、ファイルサイズは次のようになった。

1ページから150ページ
テキスト認識なし 6,728KB
テキスト認識あり 6,903KB
151ページから300ページ
テキスト認識なし 6,587KB
テキスト認識あり 6,757KB
301ページから450ページ
テキスト認識なし 6,517KB
テキスト認識あり 6,687KB
451ページから最後のページ
テキスト認識なし 3,845KB
テキスト認識あり 3,949KB

さてこのテキスト認識はどの程度のものだろうか。テキストファイルにして保存し、もとの本と比べてみる。すると明らかにおかしい部分がすぐにみつかる。たとえばつぎのようなところだ。

アンドリュー・クラヴァン「秘密の友人」のPDF_005

<Fig.8 : ScanSnap Managerでテキスト認識をしてテキスト形式で保存した>

メモ帳でフォントを22ポイントにし、読みやすくして表示する。「ぷたじやき」とはなんだろう。意味がとおらないのでPDF化したもとの文庫本をチェックする。すると次のようなものだった。

アンドリュー・クラヴァン「秘密の友人」のPDF_001_mid_640_480

<Fig.9 : もとの文庫本のPDF画面(1)>

アンドリュー・クラヴァン「秘密の友人」のPDF_004_mid_640_480

<Fig.10 : もとの文庫本のPDF画面(2)>

テキスト認識された「ぷたじやき」というのは「蓋(ぶた)」と「邪気(じゃき)」のふりがなが認識されたものだった。つまりScanSnap Managerのテキスト認識機能では、本文にふりがながあったとき、それをそのまま文として認識してしまうのだ。

つまり書籍のスキャンにおけるテキスト認識のOCRについては、単に印刷された活字を正確にテキストに変換するというだけでなく、レイアウトも分析して本文だけをテキストにするという処理が必要なのである。

書籍を画像としてPDF化することは簡単だ。しかしテキスト認識のOCR処理は奥が深いことがわかるだろう。ここではScanSnap Managerの付加機能を使ってテキスト認識してみたが、OCR専用のソフトウエアも試してみたくなった。よい方法がみつかったら、またここにレポートする。

もう手放せない。KindleのE-inkは直射日光でも読みやすい。まさに、紙の感覚だ。

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子供の頃は推理小説、そしてSFを良く読んだ。本が好きだったし読むのも早かった。いちばんよく本を読んだのは、小学生の高学年から中学生にかけてだったように思う。中学生になってロックを聴くようになってから、興味は小説から音楽に変わっていき、とりわけ社会人になってからは仕事で本を読むことはあっても、趣味の読書、それも小説を読む機会がめっきり減っていた。

しかしKindleを手に入れてから大いに読書欲がそそられ、サスペンスや推理小説などを読み漁っている。ところでKindleは第二世代のいわゆるKindle 2と大判のKindle DXを持っているが、最近のお気に入りはKindle DXである。なんといっても大きい画面が目に優しく読みやすい。まだまだ普段は意識しないのだが、はっきりと視力は落ちている。いわゆる老眼である。

手元の小さい文字が読みにくいことと、ある程度の大きさの文字であっても、暗くなると途端に読みづらくなる。レギュラーサイズのKindleに文庫本をスキャンしたPDFを入れると、もとの文庫本よりもややサイズが小さくなってしまうところが難点だ。しかしKindle DXなら文庫本の文字も大きくクリアに読むことができる。

しかもKindleのE-inkの特徴は、バックライトによる液晶表示とは異なり、ほとんど紙の感覚にちかいことだ。まさに「E-ink」という名前はぴったりである。

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<Fig.1 : Kindle DXを屋外に持ち出して読書をする>

これがKindle DXで文庫本をスキャンしたものを読んでいるところだ。もともとの文庫本よりもずいぶん文字が大きく見え、とても読みやすい。

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<Fig.2 : 直射日光に当たっても紙と同じ感覚で読みやすいKindle DX>

Kindle DXを屋外に持ち出し、くっきりと半分直射日光に当たった状態だ。KindleのE-inkが直射日光の下でも紙と同じ感覚で読めることがわかるだろう。

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<Fig.3 : 文庫本の文字が大きくくっきりと読めるKindle DX>

Kindle DXの画面を接写でデジカメに撮ってみた。普通の文庫本をScan SnapでPDF化したもので、何も手を加えていない。スキャンの解像度は300dpiの「スーパーファイン」で白黒二階調だ。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年10月21日 at 6:24 PM

真似をするなら自己責任で。電解コンデンサを交換して壊れたパソコンの電源を修理する。

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学校のシステム管理者はここまでしなければならないのか、といった自問自答を繰り返しながら、壊れたパソコンの修理をやってみた。そもそもの発端はこうだ。

俺が勤める学校には「教員パソコン」と呼ばれる教員一人一台のコンピュータ環境がある。これらは職員室の机上におかれ、教員は自分の机上の「教員パソコン」から校内のファイルサーバーや共有プリンタを利用して事務作業をしたり、インターネットのWebアクセスで教材を調べたりしている。もちろんActive Directoryでコンピュータやユーザーを管理している。

この「教員パソコン」として使われているコンピュータのうち、NEC製のデスクトップ「Mate」のスリムタワー、MY26X/R-Hが次々故障するという事態がこの夏あたりから発生した。昨日は1台、今日は2台、といったように、あたかもタイマーが切れたかのように動かなくなっていく。それは、映画「ブレードランナー」で描かれるレプリカントの寿命が尽きるシーンを思いだすほどだった。

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<Fig.1 : 次々と動かなくなったNECのMate MY26X/R-H>

動かなくなったコンピュータは、ほとんど同じ症状を呈している。それは稼働中に故障するのではなく、ある日、電源を入れようとして、動かなくなっていることに気づく、というものだ。そしてコンピュータは電源ボタンを押す前から電源ランプが点灯したままになっており、電源ボタンを押しても動かない、まったく何の反応もない、というものだ。

事務室を通じて修理の見積もりを依頼すると、数万円かかるということだった。かなりの台数になっているので、修理には相当の予算が必要になる。また古いコンピュータを数万円かけて修理することがよいのかどうかの判断もある。そこで当面、使えなくなったコンピュータを撤去して倉庫に集め、対策を考えることになった。

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<Fig.2 : 倉庫に集められた故障コンピュータ>

しかし次々にコンピュータが壊れていくので、何らかの対策を考えざるを得なくなった。そこで、これらのコンピュータのいったいどこの具合が悪いのかを調べてみることにした。

まだちゃんと動いているものもあったので、問題のないものと故障で動かないものの両方を分解し、メモリを交換してみたりハードディスクを交換してみたりした。そこでわかったのは、電源ユニットに問題があるということだった。動かなくなったコンピュータの電源を取り外し、ちゃんと動いているコンピュータの電源と交換すると、すべてのコンピュータがちゃんと動くことが確かめられたのだ。

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<Fig.3 : 故障の原因だった電源>

そこで、この電源部分だけを交換することができないかを考えた。近くのパソコンショップに電源を持っていき、これと同じものが手に入らないかを聞いてみると、ATマシンの電源はあるていど規格が決まっていて、これはおそらくTFX電源なのではないか、ということを教えてもらった。ただあいにくその店にTFX電源の在庫はなかった。

そこで再度、修理の問い合わせで、「電源部分の故障だということがわかったのだから、電源の交換だけでよいはずだから、もっと安く修理できるのではないか。なんなら電源部分だけを購入してこちらで取り替えてもいい。」と交渉してみた。すると電源部分だけなら7千円ほどで購入できる、というようなこともわかった。

それにしても、20台ちかく故障が出ているので、ひとつ7千円として20台で14万円もかかってしまう。それにしても、どのコンピュータも同じように電源が故障するとは、これは設計ミスか品質管理に問題があるのではないか、とも思われるほどである。

ところで、実は俺の義理の父は電気技師であり、電気製品の修理に詳しい人である。俺も子供の頃からはんだごてを片手にラジオやロジック回路を組み立てたりしたこともあり、修理の話などを聞き、電気機器やその回路、部品の話などをするのをいつも楽しみにしている。いろいろ聞く話の中で思い出したのが、「電気回路で壊れやすいのは電解コンデンサだ」ということだった。

もしかしたら、壊れた症状が同じならば、壊れた部品も同じものかもしれない。それならば、壊れた部品さえ特定できれば、その部品だけ交換することで直るかもしれない、と俺は思った。そこで電源ユニットを開いてみた。

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<Fig.4 : 電源ユニットを開けるとそこは埃でいっぱいだった>

電源ユニットの中は見るに忍びない状況だった。埃でいっぱいである。空冷ファンによって空気が外から中に吸い込まれているのだから、こうなる理由はわかる。しかし、それにしてもひどい埃である。これでは故障するのもあたりまえだ、という気がした。

さて、電源ユニットを開けて回路をざっと眺めるのだが、当然、どこがどうなっているかわかるはずがない。故障の原因が電解コンデンサだと見当をつけたとしても、電解コンデンサは基板上に10個以上ある。ちゃんと動く電源から部品を取り出し、ひとつずつ交換するしかない、と思いながらネットで電解コンデンサの故障について調べると、どうやら電解コンデンサが故障するときに、膨張、液漏れ、といった症状を示すらしいことがわかった。

そこで基板上の部品を見ると、確かに膨張し、頂点がもりあがっている電解コンデンサがある。他の電源も開けて比べると、どうやら全部同じ部分の電解コンデンサの様子がおかしい。

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<Fig.5 : 膨張し頂点がふくれあがった電解コンデンサ>

あらためて電解コンデンサの頭部を見ると、どのメーカーの電解コンデンサも、似たような切り込みが入れてあることに気づく。どうやら電解コンデンサの頭部にバツ印様の切り込みがしてあるのは、膨張したときに目視でわかりやすくするためなのだろう。

そこではんだごてを用意し、様子のおかしい電解コンデンサを取り外し、ちゃんと動いている電源の同じ部分の電解コンデンサを交換して取り付けてみる。すると、ちゃんと電源は動作することがわかった。

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<Fig.6 : 取り外した不良の電解コンデンサ>

この電解コンデンサさえ交換すれば電源はちゃんと動作し、コンピュータも使えるはずである。そこで同等の規格の電解コンデンサを注文し、交換することにした。

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<Fig.7 : 交換用の新しい電解コンデンサをまとめて購入した>

この電解コンデンサは、一個70円である。ひとつの電源ユニットには2個の新しい電解コンデンサが必要であるから、修理に要する費用は140円ということになる。

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<Fig.8 : 交換用の新しい電解コンデンサ>

もともと基盤についていた電解コンデンサより、少し径が大きく高さが低いのだが、基盤には余裕があるので取り付けには問題がなかった。

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<Fig.9 : 電解コンデンサを新しいものに交換した>

電解コンデンサを新しいものに交換すると、どの電源もちゃんと電気を共有してくれるようになった。20台のコンピュータを修理するのに、一個70円の電解コンデンサが40個、すなわち2800円の費用でできることになる。

もちろん、こうした修理はメーカーの保証外になり、何か他のトラブルがおこるかもしれない。したがってこの方法で修理したコンピュータを、そのまま実運用環境におけるかというと、それは問題があるかもしれない。しかし、一時的な実習に使うなど利用の場面はいろいろ考えられる。予算が乏しく、既存の設備を有効利用する方策を少しでも考えなければならない昨今なのだから。

学校の情報インフラ管理のうち最も大きな厄介ごとはプリンタの故障であるような気がする

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学校の情報インフラ管理のうち最も大きな厄介ごとはプリンタの故障であるような気がする。ドメインコントローラーによってActive Directoryのユーザー管理を行い、Webアクセス、ファイルサーバーなどを運用しているが、何らかの障害がおこったとき、他の何らかの方法で回避してもらえるなら、あるいは復帰を待ってもらえるならいい。しかしプリンタの障害だけはなかなか他の方法で回避してもらえず、また今すぐ使いたいと言われることが多い。

Webアクセスの障害はたいてい待ってもらえる。学校の場合はまだリソースを校外に置くケースは少なく、Webを使う場面の多くはWWWの情報検索なので、「Webが使えないと仕事にならない」というケースは、今のところ、まだ、ほとんどない。ファイルサーバーも重要なインフラだ。ファイルサーバーにアクセスできなくなったとき、現在作業中のものをローカルのハードディスクに保存してもらったりUSBなどの外部メモリに退避してもらうことはできる。保存してあるファイルを呼び出すことはできないが、多くの場合は待ってもらえる。またWindows Serverのファイルサービスは安定しており、あまり障害がおこることもない。

プリンタの問題はヒューマンな問題でもある。頑丈に見える業務用のレーザープリンタも内部はデリケートな構造であり、そして多くの人はそのことを意識していない。紙がなくなれば各自で紙を補給するのだが、給紙トレイの扱いはぞんざいで、用紙サイズを決めるレバーはがしゃがしゃしているうちにずれてしまい、そのまま、力任せにプリンタへ差し込まれる。

紙が詰まるのもあたりまえである。

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<Fig.1 プリンタに詰まった紙の切れ端が出てきた>

紙が詰まったとき、たいていは印刷をした本人がプリンタを開いて紙を取り出すことになるのだが、いつも慎重に、丁寧に取り除いてくれるとは限らない。紙を取り出す途中で破れ、切れ端がそのまま詰まったままになっていても、自分の印刷さえ出てくれば後は気にしない、という人も、なかには、いる。

給紙がうまくいかず、紙詰まりばかりおこる、というとき、しばらくするとこんな具合に紙の切れ端が出てくることがある。また詰まった紙を引き出すときや、詰まった紙の切れ端が部品を傷つけてしまうこともある。

プリンタからスポンジのようなものがぼろぼろ出てくるようになった。どうやら内部の給紙ローラーを傷つけてしまったようだ。

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<Fig.2 レーザープリンタの内部からスポンジの細切れが出てきた>

プリンタの具合が悪いとき、「次の授業で使うプリントを印刷したいのですぐ直してくれ」と言われることがある。「授業で使う」というのは学校にとって最優先事項である。もちろん、プリンタのトラブルは想定内なのでネットワーク上には何台かのプリンタがあり、ローカルUSB接続になっているクライアントPCも職員室に置いてあるのだが、自分がどのネットワークプリンタに印刷キューを出したか意識できない人が多く、そもそもどのプリンタがどの名前かわからない場合もある。USB接続の端末を使うには自分の席から経って職員室端のコーナーに行かなければならず、面倒がられる。

だが、こうなってしまってはおしまいだ。ローラーが破損しているらしい。部品の交換が必要だ。

とにかくプリンタの故障には泣かされる。プリンタサーバーの問題か、ネットワーク経路の問題か、プリンタのネットワーク機能の問題か、トナー切れか、トナー以外の交換部品の消耗か、あるいは給紙など物理的な故障なのか。たいへん障害の原因範囲が広い。そして修理は緊急を要求される。

この際プリンタメーカーにも不満を書いておくと、技術革新もいいのだが、あまりにも部品仕様の変化が激しすぎる。たとえば給紙トレイに不具合がおこることは多いが、同じメーカーであってもほとんどの機種で給紙トレイの流用ができない。本体に取り付け異なるサイズの用紙を装填できる「給紙ユニット」なども、本体並みに高い値段であるにもかかわらず、たいていはその機種専用を買わされる。もちろん、トナーも同じだ。

もうそろそろ給紙ユニットや給紙トレイ、トナーなどデファクトスタンダードが決まらないものか、と思う。メーカーにとっては常に新しく自社メーカーの部品を買わせたいところだと思うが、値段の点だけでなく管理運用の点でも、少しでも共通化をすすめてほしいものだと思う。

第4世代Kindleはなんと広告付き$79 – しかし日本からは買えず米国内のみの販売

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2011年9月28日に販売開始となった、いわゆる第4世代のKindleは、なんと広告付きWi-Fiモデルが$79という驚くべき価格で販売されることとなった。この第4世代Kindleの基本スペックはほぼ第3世代のものと近い。ディスプレイは6インチ(600×800ピクセル)、16階調グレースケールで第3世代のKindleと同じ、キーボードを除いてコンパクトに仕上げ、全体のサイズは第3世代のKindleが190×123×8.5mmであったのに対して166×114×8.7mmと小さく、重さも第3世代のKindleの241gに対して170gと3割近く軽量化された。これは嬉しい。

$79という価格は広告収入を加味したディスカウント価格だと思われるが、実はこれは米国内のみの販売で、米Amazonから直接には日本では買うことができない。

念のために書いておくが、これは現時点の状況なので、いつか近いうちに米国外からも買えるようになっているかもしれないが、その点は各自その時点で判断をしてもらいたい。

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<Fig.1 米Amazonサイトのトップページ>

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<Fig.2 米Amazonサイトの広告付き第4世代Kindle>

上記ページの右「Add to Cart」をクリックすると、カートにKindleが追加されて次のページに遷移する。

Kindle_fire_003

<Fig.3 米Amazonサイトで広告付き$79.00の第4世代Kindleをカートに追加した>

この時点では購入者が誰だかわからないので、とりあえずカートに追加されるのだが、画面の「Proceed to checkout」ボタンをクリックすると、次のプロセスでユーザーアカウントのサイインを求められる。

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<Fig.4 米Amazonサイトで広告付き$79.00の第4世代Kindleを購入するためにサインインを要求される>

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<Fig.5 米Amazonサイトにサインインし、送付先住所を確認する>

このページで登録されている住所が表示される。これでよければ「Ship to this address」をクリックし、別の住所宛に送付したいなら下のテキストボックスに住所を入力する。上のFig.5ではグレーに塗った部分に日本の住所が書かれている。

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<Fig.6 米Amazonサイトで広告付き$79.00の第4世代Kindleを購入しようとするが米国外へは送付できない>

上のページのように「このKindleは米国外へは郵送できない。そして、日本から買いたい場合はここをクリックしろ、というリンクがあるのでクリックする。

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<Fig.7 米Amazonサイトで日本から第4世代Kindleを購入できるページに遷移した>

というように、日本から第4世代のKindleを買うには、広告付きの$79ではなく、広告なしの$109のものを買うことになる。こちらは日本へも郵送してくれそうだ。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年10月10日 at 1:03 AM

大きな数を表す接頭辞、キロ、メガ、ギガ、からテラの時代となった今日

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昔は大きいとか強いといったことをあらわすのに「スーパー」、「ハイパー」、「ウルトラ」、というものが使われたこともあったが、つい最近まで「メガ」という言葉が「大きい」ことを表すものとしてよく使われた。すぐ思いつくものとしては「メガバンク」メガストア「メガマック」、「メガ盛り」、「メガソーラー」といった言葉だ。

しかしもはや「メガ」という単位はそれほど大きいという実感もない時代になってきた。コンピュータ関連のストレージをとりあげると、最も一般的なストレージといえる外付けUSBハードディスクの値段は、日々刻々と変化しつつ、もはやメガどころかギガを超え、現時点では2TBあたりが容量あたり最もお買い得感があり、8,000円前後で買えるほどになっている。

「ギガ」という言葉の旬は短いだろう。時代はもはや「ギガ」を超えて「テラ」である。

それにしても「テラ」という言葉はあまり大きさや強さを感じさせない語感があるが、その先はもっと期待できない。「テラ」の1,000倍をあらわす接頭辞は「ペタ」である。

ペタ

なんだか弱っちい。

「ペタ」の1,000倍は「エクサ」だ。

なんとなく大きそうな感じがする。

「エクサ」の1,000倍は「ゼタ」らしい。

これはSF的なかっこよさを感じるが、あまり「大きい」という印象を受ける言葉ではない。

「ゼタ」の1,000倍は、

「ヨタ」らしい。

ヨタ

カタカナで書くからまだましだが、ひらがなで書いてみると

よた

となる。

俺はもはやこの「ヨタ」という接頭辞が一般的になる時代、それはパソコンショップで「1ヨタのハードディスクください」と注文することが普通になるような時代のことを考えているが、そんな時代にはこの世にまだ生きてるとは思わないが、いつかはそんな時代がきっと来るのだ思うと、なんだか、おかしい。

国際単位系(SI)を決める偉い方々、今からでも遅くないので、もうちょっとかっこいい接頭辞の名称に変えませんか。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年10月9日 at 11:09 PM