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Archive for 1月 2012

マイクロソフトの川西裕幸さんのこと、そしてエバンジェリストという職業

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マイクロソフト社でエバンジェリストであった川西裕幸さんが亡くなった。

私は個人的に川西裕幸さんと親しかったわけではない。しかし私は2004年からMicrosoft MVPをいただいており、Microsoft MVPとエバンジェリストの関係はとても深い。一般の方々にとってマイクロソフトのエバンジェリストは、イベントなどで華々しく技術の詳細を語る、いわばスターのようなものだ。しかしMVPにとってエバンジェリストは個人的に顔をあわせる機会もあり、またMVPだけの小規模なミーティングなどでお会いでき、一般の人にとってより身近な存在である。いわば同じ道場で修行する先輩、あるいは師匠のようなものに感じていると言っていいだろう。私にとっても川西裕幸さんがお亡くなりになったことは大きな驚きであり悲しみである。

そしてこのたびの訃報に際して、川西裕幸さんを知る多くの人が驚きと悲しみでそれを受け止め、いかに素晴らしい人であったかということを語っている。彼とともに働いた人が、彼の功績を称えている。彼の人柄を称えている。エバンジェリストとして素晴らしい人であったと、惜しみない賛辞を与えている。

マイクロソフトのエバンジェリストは、一言でいえば技術を平易に解説する人である。evangelistの語源は聖書の福音書の著者のことであるらしく、その意味から「福音伝道者」といった訳をすることもある。技術は宗教ではないのだが、新しい技術はそれが人々に知られなければ使われないし、抽象的な概念はある程度かみくだいて説明されればよくわかる、ということから、技術を解説することを主たる職業としている人を「エバンジェリスト」と呼んでいる。

マイクロソフトのエバンジェリスト達はもちろんマイクロソフト社で働いているのだから、マイクロソフト社の製品について技術を解説することが仕事である。当然、マイクロソフト社の製品が売れるように技術を解説し宣伝する。しかしこれが他の分野における宣伝活動と根本的に異なるのは、エバンジェリストは技術の客観的な優位性に基づいて語るところだ。エバンジェリストはまず徹底的にマイクロソフト製品を使い倒すことからはじめる。自社製品の隅から隅までを知り尽くして技術を解説する。これを「それは当然のことだろう」と言うのは簡単だが、現実は難しい。

マイクロソフト社には山のようなソフトウエア製品がある。製品として販売されているものだけでなく、追加機能やユーティリティとして無償で提供されているものもある。そしてエバンジェリストは特定の製品ごとに専門があるわけではない。もちろんある一定範囲の技術分野というものはあるのだが、主たる目的はユーザーが実現したいことを技術的に解説することになるので、そのためには関連する製品について周知していなければならない。そして今日ではあらゆるソフトウエアがネットワークで情報をやりとりしている。多くのサービスが連携し互いに影響を与え合っている。バージョンアップのサイクルは短い。ある製品が発売された時には、もはや次のバージョンの開発が始まっている。

私の知る限りにおいて、マイクロソフトのエバンジェリストの方々は、技術においてまったく公平で客観的である。決してマイクロソフト製品を誇大に宣伝することはない。場合によってはオープンソースのプログラムの使用を勧めることすら、ある。エバンジェリストはマイクロソフト製品を使いこなすだけではなく、他社製品やオープンソースのソフトウエアを評価することにも多くの時間を費やしているに違いない。おそらく気の遠くなるような作業である。

エバンジェリストの仕事として最も重要だと思われることは、最新の技術を伝えることである。コンピュータやネットワークの世界では、最新の技術をいち早く取り入れることが最も価値があることだからだ。世の中には技術の変化になかなか追い付けない人がいて、そんな人には「ドッグイヤー」どころか「マウスイヤー」とも言われる技術革新が居心地悪いと思えるかもしれない。しかし間違いなく技術革新が私たちの生活を豊かにしているのだ。技術革新によって必ず何かが今まで以上に簡単に実現できるようになる。これは逆説的にいえば、今まで以上に簡単にできるからこそ、その技術が世に現れ使われようとしているのだ。

実現するのに10時間かかっていたことが、新しい技術を使うと5時間でできるようになった。すると余った5時間を人は何か他のことに使うことができる。10人でやらなければならなかったことが5人でできるようになれば、5人は何か他のことをすることができる。人は技術革新によって豊かになってきた。技術がなければ誰もが朝から晩まで生きるための活動に追われていた太古の昔から、現代は多くの人が生きることに直接時間と労力をつかわなくても生きていける時代になった。これからもそうである。新しい技術が次々に開発されることによって、それを使う私たちはますます豊かになっていく。

つまりエバンジェリストは高度情報通信社会に生きる私たちの生活をさらに豊かにすることに携わる人である。直接に技術を使う私たちは、エバンジェリストの導きによって、より効率的に高度情報通信社会を支えていける。エバンジェリストはそのことに誇りを持ち、その先達であった川西裕幸さんに心から哀悼の意を捧げる。私たち技術にかかわる者も、川西裕幸さんの志を引き継ぎ、真摯に仕事に向かう。私たちが生きるこの世界を豊かにするために。

Written by Yoshio Matsumoto

2012年1月27日 at 11:12 PM

期限切れで保守交換になったサーバー用の無停電電源を利用してギターアンプをバッテリー駆動に改造する

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手持ちのギターアンプの電源トランスを取り外し、期限切れで保守交換になったサーバー用の無停電電源を利用してギターアンプをバッテリー駆動に改造することを考えた。改造するのは某ギターショップで初心者用ギターセットを買ったときについていたおまけのギターアンプで、ARIAのAG-20Xである。

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<Fig 1 : 初心者向けギターセットについていたおまけのギターアンプ>

やや強引だが、できるだけ簡単に改造することを考え、電源トランスを切断し、基盤の電源供給部に直接コードをはんだ付けした。電源はプラスマイナスの2極供給だ。

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<Fig 2 : 電源トランスを切り離し基盤に電源供給のコードを直接はんだ付けした>

電源供給ケーブルの先端は、自動車電装用のコネクタを取り付け、アンプ本体から引き出す形にした。プラスとマイナスを区別してプラグのオスメスを決めている。

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<Fig 3 : 電源供給ケーブルを引き出して先端に自動車電装用のコネクタを取り付けた>

使用する電源は、サーバーの無停電電源に使われているもので、期限切れで保守点検の際に取り外されたものだ。この電源は鉛蓄電池で、経年変化で弱ってはいるが、全く使えないものではない。非常時に動作しないと困るので保守点検で外されたが、まだある程度は使えそうなものだ。

これは本来は望ましいことではないが、コネクタ部に直接ケーブルをはんだ付けしている。ケーブルの先端には自動車電装用のコネクタを取り付ける。出力プラスにオスのコネクタを、出力マイナスにメスのコネクタを取り付け、本体ギターアンプのプラスマイナスとあうようにする。

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<Fig 4 : サーバーの無停電電源に使われていた鉛蓄電池にケーブルを取り付ける>

バッテリーを本体につないだところ。この状態でギターをインプットして試奏してみるが、ちゃん正常に駆動してくれた。この後はバッテリーを本体にどう格納するか、電源スイッチをどうするか、を考える。

できれば横に並べて配置したいところだが、ギターアンプの横幅が足りないので、横に並べることはできない。バッテリーは鉛蓄電池なので、横に倒すことはできない。容積的にはスペースはあるのだが、縦に積み上げるしかない。電極が他に触れないようにもしなければならないので、ギターアンプ内部に仕切りを設けて縦に2つバッテリーを格納できるようにしたいところだ。

電源スイッチは別途考えよう。

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<Fig 5 : バッテリーをギターアンプに接続して音を出してみる>

このギターアンプをRolandのバッキングマシンJS-8、通称「e-Band」につないでみる。JS-8のイヤホン出力をギターアンプのギター入力に接続するのだ。イヤホン出力はミニステレオジャック、ギターアンプのギター入力は標準プラグなので、ミニステレオと標準プラグの変換ケーブルを使う。

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<Fig 6 : Roland JS-8を改造したバッテリー駆動のギターアンプで鳴らす>

やはりギターアンプで音を出すと、低音がしっかり出ていい。もちろん音もしっかり大きく出ている。この組み合わせでストリート演奏を試すとしよう。