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電子工作でエレキギター用ファズFoxey Ladyを作る – 教科書は大塚明著の「サウンド・クリエーターのためのエフェクタ制作講座」

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エレキギターに明るくない人のために簡単に説明すると、エフェクターは電気信号を加工して音を変化させる電子機器のことで、エレキギターでは良く使われる。一般的に良く知られたところでは、カラオケでボーカルに響きを加える「エコー」や「「リバーブ」をかける機械もエフェクターの一種だ。ロックの世界では常に革新的な演奏法が好まれ、エレキギターの音を常に斬新に、刺激的に加工することが求められるので、数えきれないほど多種多様なエフェクターが開発され販売されている。そのエフェクターの中で、特によく使われるのが音を歪ませるエフェクターで、その一種に「ファズ」と呼ばれるものがある。言葉で説明するのは難しいが、いわば音をとげとげしく荒々しくするエフェクターだ。

BOSSやRoland、YAMAHAといった大手国産メーカー、あるいは多くの海外メーカーから様々なエフェクターが発売されている。新興メーカーはやはりロックが盛んな米国が多い。ミュージシャンは自分なりの音を求めて様々なエフェクターを試すが、中には電子回路を自分で作って自分なりのエフェクターを作る者もいる。

エフェクター自作派のために何冊かの書籍が出版されているが、中でも大塚明著の「サウンド・クリエーターのためのエフェクタ制作講座」は決定版の書籍だ。この本にはエフェクターを自作するための全てが書かれていると言っても過言ではない。26種類のエフェクターを制作するための回路や部品の説明に加えて、一般的な電子部品の説明や制作に必要な工具の説明、電子回路の基本まで説明されている。

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<Fig.1 : 大塚明著の書籍「サウンド・クリエーターのためのエフェクタ制作講座」>

学生時代に電子工作は一通りやった経験はあるが、かなりのブランクがあるので、この書籍の中から比較的回路の簡単なエフェクターを選んで作ってみた。著者命名の「Foxey Lady」というファズ系のエフェクターだ。

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<Fig.2 : ファズ系エフェクター「Foxey Lady」の全体>

Foxey Ladyの回路は大ゲインの増幅回路を2つ並べたもので、2ノブ構成、ひとつは音量を調節するボリュームで、もうひとつは2つの増幅回路からの出力をミックスするものだ。一般的なエフェクターではノーマルとエフェクトの切り替えスイッチがあるものだが、今回は工作を簡単にすることと金額的な面を考えてスイッチは付けないこととした。エフェクター制作で必要なパーツの中で、抵抗やコンデンサ、トランジスタといった電子部品よりも、意外にスイッチやジャック類の値段が高いのだ。またスイッチなどの部品を加えると、配線の手間やケースに穴を開ける加工の手間などが増える。しかしこの手のエフェクターはたいてい付けっぱなしにするものだし、切り替える必要があれば外部にスイッチボックスを繋げばいいという発想でスイッチは付けないことと割り切った。もしかしたら音量のボリュームも不要だったかもしれないが、アンプに繋いだときにいきなり大きな音が出る危険を避けるためには音量ボリュームもあっていいだろう。

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<Fig.3 : ファズ系エフェクター「Foxey Lady」の基盤>

回路はシンプルだ。それにしてもカラーリングされた抵抗や光沢のある塗装がされたコンデンサ、エッジのシャープなトランジスタ、凛々しくそそり立つ電解コンデンサなど電子部品が並んだ基盤は美しい。これらの部品が回路を構成し、音の電気信号が流れてギターサウンドを荒々しく変化させることを想像すると、電子の不思議を感じざるを得ない。機能美である。

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<Fig.4 : ファズ系エフェクター「Foxey Lady」の基盤裏側>

ある程度複雑で、小さい面積に部品を納めなければならない場合はエッチングによるプリント基板を作ることになるだろう。だがエッチングの道具を揃えるのは容易ではないし、この程度の回路なら手作業でできるだろうと考えた。

使ったのは「ユニバーサル基盤」で、縦横に穴が開き、はんだ付け用の銅がプリントしてあるものだ。回路は部品の足などで回路図と実態配線図を見ながら手作業で作っている。こうして作るとどうしてもはんだ付けの見た目が良くないが、回路としてはプリント基板と同様のものを作ることは可能だ。

完成した回路はこのままギターとギターアンプを接続してテストをした。いかにも「ファズ系」という荒々しい歪みサウンドで、音の深みもある。2系統の大ゲイン増幅回路のミックスも、くすんだ深い音から華々しい音まで幅の広い変化がある。

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<Fig.5 : ファズ系エフェクター「Foxey Lady」を収めるプラスチック製モールドケース TB-54」

自作の場合、ケース選びがまた難しい。昔は見栄えの良い適当なケースがなくて苦労したが、最近は自作派が増えたためか、市販のエフェクターと遜色ない程度のダイキャストケースが売られている。この書籍でも使われているが、株式会社タカチ電機工業の「TD型アルミダイキャストボックス」がエフェクター用として有名だ。

だがアルミダイキャストボックスは値段が高く加工の手間も大きい。そこで今回はテイジン電機株式会社のプラスチック製モールドケースを使うことにした。素材がプラスチックなのでシールド性がないので、ノイズ対策が別途必要かもしれない。

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<Fig.6 : ファズ系エフェクター「Foxey Lady」をプラスチック製モールドケースに仮に収める>

まだケースの加工はしていない。作った回路を仮に収めてみた。ケース内には本体基盤とボリューム2つ、インプットとアウトプットの標準ジャック2つ、そして006P積層乾電池を納めなければならない。小さなスペースにいかにきっちりと部品や電池を収めるかは、ある意味でパズルのように楽しい。ケース内の配置もバランスよく美しく収められたら最高だ。

Written by Yoshio Matsumoto

2013年7月20日 @ 11:42 AM

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