ホチキス先生の「プログラマーと呼ばれたい」

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教科「情報」の実習で使っているソフトウエアのほとんどがWindows 8で問題なく使うことができた。アプリケーションの互換性は極めて高い。

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高等学校の教科「情報」では、教科書に書かれている様々なディジタル技術やコンピュータ、インターネットなどについて、体験的に理解できる実習を取り入れることが不可欠である。そこで実習をどう行うかを考え、授業を組み立てることになるのだが、その中で多くのフリーソフトなどを使っている。これまでもOSの大きなバージョンアップのときは、それまで使っていたアプリケーションがそのまま使えるかどうかが関心ごととなったが、Windows 8ではどうなのか、を調べてみた。

結果は驚くべきほど満足のいくもので、試したアプリケーションソフトウエアのすべてが完全にWindows 8で実行できた。まったく予想以上の互換性の高さだ。正直なところ、ここまで互換性が高いとは思わなかった。今回、実習で使っている16のアプリケーションを試したが、うち動かなかったのは1つだけだった。そのアプリケーションも、調べると新しいバージョンが出ていることがわかり、それをインストールすることで問題なく使うことができた。

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まずはACIDだ。これは「ループ」と呼ばれる音の素材を組み合わせることで作曲ができる、いわゆるデスクトップ・ミュージックのソフトだ。PCで作曲するには、本格的にはMIDI編集ソフトを使うことになるが、MIDIで作曲するには楽典を知らなければならない。しかしこのACIDのようにループ素材を組み合わせるなら、詳しい楽典を知らなくても自分なりの曲を作ることができる。

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次はMIDI編集、作曲ソフトのFinale Note Padだ。五線譜に音符を貼り付けて曲を作っていく。いわゆる作曲ソフトだが、これも問題なく従来のバージョンをWindows 8で使うことができた。

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簡単な音楽ツールのひとつ、オルゴールを模した作曲ソフトのMusicBoxだ。自動作曲したり標準MIDIファイルを読み込んで再生する。オルゴールの円盤風の画像を表示し、音を鳴らす位置にオルゴール盤の突起をイメージした点が打たれ、再生時に円盤が回転し、鳴る音に対応する点が赤く点滅するため見た目にも楽しい。 これもWindows 8でちゃんと動いている。

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これはBlenderだ。Blenderはオープンソースの3次元コンピュータグラフィックスソフトウェアの一つで3Dモデルの作成、レンダリングのほかアニメーション、コンポジット機能も備えている。3DはPCのモニタ平面上で立体物を編集するので、どうしてもアプリケーションごとに独特のインターフェースを持つことになるが、このBlenderはとりわけ特徴的な独自のユーザインタフェースを持っている。慣れない人には使いにくいと言われるが、慣れるとかゆいところに手が届くインターフェースになっていることがわかる。機能的に商用の3Dソフトに負けないものを持っている。これもWindows 8で従来のBlender2.33が問題なく使うことができた。

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次はBZエディターだ。これはバイナリエディタで、情報の授業では、メモ帳などのテキストエディタで何か文字を書いてファイルに保存し、このバイナリエディタで開いて文字コードがどう格納されているかなどを調べる実習をする。この実習を考えたとき、いくつかのバイナリエディタを使ってみたが、このBZエディタがシンプルで使いやすい。

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Common SQL EnvironmentはSQL開発環境ソフトウェアだ。SQLの編集と実行、レコードの新規作成や更新、削除などSQLの開発に必要な様々な機能をもっている。ODBCが利用可能なデータベースはODBC経由で接続することが可能だ。開発者向けのソフトだが、データベースも教科「情報」で教えなければならないので、SQL Serverに接続する実習をこれで行うことができる。有償のバージョンもあるが、Ver1.59はフリーウエアとして公開されている。

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easyQRはQRコードを作成するソフトだ。テキストボックス内に文字入力すると自動的にQRコードを作成してくれる。QRコードは、文字情報をディジタル化する概念を理解すること、またQRコードは冗長なデータを構成しており、コードが部分的に壊れても、ある程度ならばもとの文字を判別できるように作られている。このことからデータの信頼性などの理解につなぐことができる。

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これはGIFアニメーションを作成するGiamというアプリケーションだ。あらかじめアニメーションの素材となる絵を用意しておき、このGiamにインポートしてGIFアニメーションに組み合わせる。教科「情報」の実習で動画を扱う際に、ビデオなどの動画を学ぶ前段でGIFアニメーションを体験させるとよい。GIFアニメーションは基本的に動画ファイルではなく画像ファイルの拡張なので、動作やサポート状況は画像ファイルに準じている。ウェブブラウザで標準サポートされており、HTMLでの記述も簡単というように、扱いやすいところがメリットだ。

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たいへん有名なタイピング学習のフリーソフト、MIKAタイプだ。ずいぶん昔からあるソフトで、このバージョンもかなり古いものだが、Windows 8で問題なく動いている。

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Photo Filtreは写真に特殊加工、いわゆるフィルター処理をすることに特化したアプリケーションだ。画像処理の実習をするとき、一般的なフォトレタッチソフトウエアを使ったほうがいい場合ももちろんあるが、多機能なフォトレタッチソフトウエアは使い方を教えるだけでも時間をとってしまう。そこでフィルター処理についてだけ実習させるにはこのPhoto Filtreがいい。

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唯一、動かなかったのはこのPixiaだった。使っていたのはバージョン4だったが、このようにWindows 8では実行できないとなった。しかしWebで検索するとPixiaはバージョン5が公開されており、それをインストールすると問題なく使うことができた。

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これ以外にも試したソフトウエアはいくつかあり、いまのところ試したものはすべてWindows 8で完全に動作している。互換性は極めて高い。教科「情報」の実習に関していえば、今まで使っていたアプリケーションが使えないのではないか、という心配はほとんどなさそうだ。

<関連する過去の記事>

「写真や動画、アニメーションなど視覚的な教材を学校の授業で活用するために、普通教室に備えられた大画面モニタにWindows 8タブレットPCを接続して活用する。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2012/11/30/%e5%86%99%e7%9c%9f%e3%82%84%e5%8b%95%e7%94%bb%e3%80%81%e3%82%a2%e3%83%8b%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%81%aa%e3%81%a9%e8%a6%96%e8%a6%9a%e7%9a%84%e3%81%aa%e6%95%99%e6%9d%90%e3%82%92/

「2009年11月に発売された富士通製ノートパソコンFMV-T8190にWindows 8をインストールし、既存のWindows Server 2008ドメインに参加した。Active Directoryへの登録は問題ないが、プリンタのインストールなどには手作業が必要であり、有効にならないポリシーもある。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2012/11/29/2009%e5%b9%b411%e6%9c%88%e3%81%ab%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9f%e5%af%8c%e5%a3%ab%e9%80%9a%e8%a3%bd%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3fmv-t8190%e3%81%abwin-4/

「2009年11月に発売された富士通製ノートパソコンFMV-T8190にWindows 8をインストールし、既存のWindows Server 2008ドメインに参加して利用する。Active Directoryへの登録はWindows XPからの従来どおりの手順と同じだ。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2012/11/28/2009%e5%b9%b411%e6%9c%88%e3%81%ab%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9f%e5%af%8c%e5%a3%ab%e9%80%9a%e8%a3%bd%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3fmv-t8190%e3%81%abwin-3/

「2009年11月に発売された富士通製ノートパソコンFMV-T8190にWindows 8をインストールした。問題はタッチパネルのドライバだが、Windows 7用のものを適用して問題なく使える。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2012/11/25/2009%e5%b9%b411%e6%9c%88%e3%81%ab%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9f%e5%af%8c%e5%a3%ab%e9%80%9a%e8%a3%bd%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3fmv-t8190%e3%81%abwindo/

「2009年11月に発売された富士通製ノートパソコンFMV-T8190にWindows 8をインストールすると、起動時間がWindows 7より半分ですむ。しかもスリープ状態からの復旧はなんと8秒。これなら授業でPCを時間の滞りなく使えるだろう。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2012/11/27/2009%e5%b9%b411%e6%9c%88%e3%81%ab%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9f%e5%af%8c%e5%a3%ab%e9%80%9a%e8%a3%bd%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3fmv-t8190%e3%81%abwin-2/

2009年11月に発売された富士通製ノートパソコンFMV-T8190にWindows 8をインストールした。問題はタッチパネルのドライバだが、Windows 7用のものを適用して問題なく使える。

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富士通製のFMV T-8190は2009年11月に発売されたノートパソコンだ。今から3年前のモデルになる。CPUはインテル Core2 Duo プロセッサー P8700(2.53GHz)、2次キャッシュメモリ(CPU内蔵)3MB、チップセットがモバイルインテル GM45 Express、
システムバスクロック 1066MHz、メインメモリ標準1GB/最大4GB (DDR3 SDRAM/PC3-8500)、液晶ディスプレイは12.1型ワイド LEDバックライト付TFTカラーLCD(WXGA(1280×800ドット)1677万色、プリインストールのOSはWindows 7だ。

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このFMV T-8190はもちろんWindows 7のままでも現役のマシンだが、これにWindows 8をインストールしてみた。Windows 8をインストールしてみようと思ったのは、このノートパソコンは液晶モニタがタッチパネルになっているからだ。タッチパネルのPCであってはじめてWindows 8の新しいWindows エクスペリエンス、新しいWindows ユーザーインターフェースを活用することができるのだから。

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タッチパネルはWACOM製のようだ。入力方式は電磁誘導方式で「静電容量方式タッチパネル」であり、専用スタイラスペンが付属している。

もうひとつ、このノートPCは液晶パネルがぐるりと後ろ向きに回転するようになっており、反対に向けて閉じるとキーボードが隠れ、まるで一枚のタブレットのように扱えるところが特徴だ。

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このように、ぐるりと反対向けにするとタブレット型になる。

インストールしたWindows 8はEnterprise X64 日本語版だ。

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本体がマルチドライブ搭載型なので、インストールメディアをDVDにしてインストールする。新規インストールは全く問題なく、ノートラブルで完了する。

しかし、通常のWindowsインストールではタッチパネルドライバが入らず、パネルのタッチ機能が働かない。一般的にドライバーをセットアップするには「PC設定の変更」メニューを使う。このメニューを表示させるには「チャーム」の「設定」から行う。

まずマウスカーソルを画面の右下に移動し、表示された「-」をポイントする。するとチャームが表示され、いちばん下の歯車のようなアイコン「設定」をクリックする。そしていくつかのアイコンメニューの下部にある「PC設定の変更」をクリックする。「PC設定」の項目が表示されるので、「デバイス」の項目をクリックし、「デバイスの追加」をやってみよう。

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「PC設定」の項目から「デバイス」の項目、「デバイスの追加」をやってみたが、そっけなく「デバイスが見つかりません」とだけ表示される。従来の「コントロールパネル」のように、たとえば「不明なデバイス」という表示すら現れない。

そこで富士通のサイトを検索し、ドライバーがないか探してみた。

富士通のサイトには「法人向けPC Windows 8 動作確認情報」というWindows 8対応のPCリストがあるが、Windows 8用のドライバが提供される「動作確認情報とWindows 8 対応のドライバーなどを提供予定の機種」は2012年6月モデルだけしかない。またWindows 8用のドライバが提供されず、単に動作確認だけがされた「動作確認情報のみ提供の機種」は2011年4月モデルより新しいものだけであり、それ以外は「動作確認対象外の機種」という取り扱いで、「上記一覧に記載されていない機種は、Windows 8 動作確認情報、およびWindows 8 対応のドライバーなどの提供は行いません。」となっている。(2012年11月25日現在)

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そこでWindows 7用のドライバを探してみた。FMV T-8190のWindows 7用「富士通 タブレットPC デジタイザードライバー」は以下のところからダウンロードできる。

http://www.fmworld.net/cgi-bin/driversearch/drvdownload.cgi?DRIVER_NUM=E1010288&COLOR=1

これをダウンロードし、実行すると自動的にドライバがインストールされる。インストール後に再起動すると、まったく問題なくタッチパネルによるWindows 8の新しいWindows エクスペリエンス、新しいWindows ユーザーインターフェースを活用することができる。

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もちろん、液晶パネルを裏返しにし、タブレット型にしても問題なく使えるようになった。

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Windows 7はずいぶん早いと思ったが、Windows 8でいろんなアプリケーションを使ったり、Webを見たりして、Windows 7よりさらに機敏に動作しているように思える。何よりも驚くのは起動の早さだ。

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もともとFMV-T8190にプレインストールされていたWindowas 7の場合は、電源ボタンを押して起動し、ログイン画面が出るまでに約47秒、ログインしてデスクトップが表示されるまで約7秒、合計約54秒が起動に必要な時間だった。しかしWindows 8では、ログイン画面が出るまでが約22秒、ログインしてデスクトップが表示されるまでが約5秒、合計27秒で起動できる。なんとWindows 8ならWindows 7の半分で起動するのだ。

FMV-T8190の起動に必要な時間
・Windows 7 ・・・ 約54秒
・Windows 8 ・・・ 約27秒

さらに驚くことは、スリープからの復旧時間だ。液晶を閉じてスリープ状態にし、そこから起動までの時間を計ってみると、ログイン画面が出るまでが約4秒、ログインしてデスクトップが表示されるまでが約8秒だった。これはすごい。

FMV-T8190のスリープ状態から復旧する時間
・Windows 8 ・・・ 8秒

学校では授業にこれらのノートパソコン、タブレットPCを持ち込み、写真やビデオを提示しながら説明をしたり、パワーポイントなどのスライドを提示して授業をすることになるが、これまではPCの起動の手間がネックだった。授業の途中でPCを出し、電源を入れて起動するまでの時間のなんとまどろっこしいことか。待たされる生徒も疲れてしまうほどだ。しかしスリープ状態から8秒で起動するとなると、これはまったく使用感が革命的に異なってくる。

まさにWindows 8は授業で使うにふさわしいOSだと思える。

<関連情報>

富士通、タブレットPC デジタイザードライバー
http://www.fmworld.net/cgi-bin/driversearch/drvdownload.cgi?DRIVER_NUM=E1010288&COLOR=1

富士通、FMV-T8190 仕様
http://www.fmworld.net/biz/fmv/lifebook/0910/t8190/spec.html

富士通、ノートPC、コンバーチブル型タブレットPCサポート情報
http://www.fmworld.net/biz/fmv/support/info/index_lifebook.html

法人向けPC Windows 8 動作確認情報-機種別動作確認情報
http://www.fmworld.net/biz/fmv/windows8/info/productslist.html

真似をするなら自己責任で。電解コンデンサを交換して壊れたパソコンの電源を修理する。

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学校のシステム管理者はここまでしなければならないのか、といった自問自答を繰り返しながら、壊れたパソコンの修理をやってみた。そもそもの発端はこうだ。

俺が勤める学校には「教員パソコン」と呼ばれる教員一人一台のコンピュータ環境がある。これらは職員室の机上におかれ、教員は自分の机上の「教員パソコン」から校内のファイルサーバーや共有プリンタを利用して事務作業をしたり、インターネットのWebアクセスで教材を調べたりしている。もちろんActive Directoryでコンピュータやユーザーを管理している。

この「教員パソコン」として使われているコンピュータのうち、NEC製のデスクトップ「Mate」のスリムタワー、MY26X/R-Hが次々故障するという事態がこの夏あたりから発生した。昨日は1台、今日は2台、といったように、あたかもタイマーが切れたかのように動かなくなっていく。それは、映画「ブレードランナー」で描かれるレプリカントの寿命が尽きるシーンを思いだすほどだった。

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<Fig.1 : 次々と動かなくなったNECのMate MY26X/R-H>

動かなくなったコンピュータは、ほとんど同じ症状を呈している。それは稼働中に故障するのではなく、ある日、電源を入れようとして、動かなくなっていることに気づく、というものだ。そしてコンピュータは電源ボタンを押す前から電源ランプが点灯したままになっており、電源ボタンを押しても動かない、まったく何の反応もない、というものだ。

事務室を通じて修理の見積もりを依頼すると、数万円かかるということだった。かなりの台数になっているので、修理には相当の予算が必要になる。また古いコンピュータを数万円かけて修理することがよいのかどうかの判断もある。そこで当面、使えなくなったコンピュータを撤去して倉庫に集め、対策を考えることになった。

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<Fig.2 : 倉庫に集められた故障コンピュータ>

しかし次々にコンピュータが壊れていくので、何らかの対策を考えざるを得なくなった。そこで、これらのコンピュータのいったいどこの具合が悪いのかを調べてみることにした。

まだちゃんと動いているものもあったので、問題のないものと故障で動かないものの両方を分解し、メモリを交換してみたりハードディスクを交換してみたりした。そこでわかったのは、電源ユニットに問題があるということだった。動かなくなったコンピュータの電源を取り外し、ちゃんと動いているコンピュータの電源と交換すると、すべてのコンピュータがちゃんと動くことが確かめられたのだ。

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<Fig.3 : 故障の原因だった電源>

そこで、この電源部分だけを交換することができないかを考えた。近くのパソコンショップに電源を持っていき、これと同じものが手に入らないかを聞いてみると、ATマシンの電源はあるていど規格が決まっていて、これはおそらくTFX電源なのではないか、ということを教えてもらった。ただあいにくその店にTFX電源の在庫はなかった。

そこで再度、修理の問い合わせで、「電源部分の故障だということがわかったのだから、電源の交換だけでよいはずだから、もっと安く修理できるのではないか。なんなら電源部分だけを購入してこちらで取り替えてもいい。」と交渉してみた。すると電源部分だけなら7千円ほどで購入できる、というようなこともわかった。

それにしても、20台ちかく故障が出ているので、ひとつ7千円として20台で14万円もかかってしまう。それにしても、どのコンピュータも同じように電源が故障するとは、これは設計ミスか品質管理に問題があるのではないか、とも思われるほどである。

ところで、実は俺の義理の父は電気技師であり、電気製品の修理に詳しい人である。俺も子供の頃からはんだごてを片手にラジオやロジック回路を組み立てたりしたこともあり、修理の話などを聞き、電気機器やその回路、部品の話などをするのをいつも楽しみにしている。いろいろ聞く話の中で思い出したのが、「電気回路で壊れやすいのは電解コンデンサだ」ということだった。

もしかしたら、壊れた症状が同じならば、壊れた部品も同じものかもしれない。それならば、壊れた部品さえ特定できれば、その部品だけ交換することで直るかもしれない、と俺は思った。そこで電源ユニットを開いてみた。

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<Fig.4 : 電源ユニットを開けるとそこは埃でいっぱいだった>

電源ユニットの中は見るに忍びない状況だった。埃でいっぱいである。空冷ファンによって空気が外から中に吸い込まれているのだから、こうなる理由はわかる。しかし、それにしてもひどい埃である。これでは故障するのもあたりまえだ、という気がした。

さて、電源ユニットを開けて回路をざっと眺めるのだが、当然、どこがどうなっているかわかるはずがない。故障の原因が電解コンデンサだと見当をつけたとしても、電解コンデンサは基板上に10個以上ある。ちゃんと動く電源から部品を取り出し、ひとつずつ交換するしかない、と思いながらネットで電解コンデンサの故障について調べると、どうやら電解コンデンサが故障するときに、膨張、液漏れ、といった症状を示すらしいことがわかった。

そこで基板上の部品を見ると、確かに膨張し、頂点がもりあがっている電解コンデンサがある。他の電源も開けて比べると、どうやら全部同じ部分の電解コンデンサの様子がおかしい。

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<Fig.5 : 膨張し頂点がふくれあがった電解コンデンサ>

あらためて電解コンデンサの頭部を見ると、どのメーカーの電解コンデンサも、似たような切り込みが入れてあることに気づく。どうやら電解コンデンサの頭部にバツ印様の切り込みがしてあるのは、膨張したときに目視でわかりやすくするためなのだろう。

そこではんだごてを用意し、様子のおかしい電解コンデンサを取り外し、ちゃんと動いている電源の同じ部分の電解コンデンサを交換して取り付けてみる。すると、ちゃんと電源は動作することがわかった。

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<Fig.6 : 取り外した不良の電解コンデンサ>

この電解コンデンサさえ交換すれば電源はちゃんと動作し、コンピュータも使えるはずである。そこで同等の規格の電解コンデンサを注文し、交換することにした。

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<Fig.7 : 交換用の新しい電解コンデンサをまとめて購入した>

この電解コンデンサは、一個70円である。ひとつの電源ユニットには2個の新しい電解コンデンサが必要であるから、修理に要する費用は140円ということになる。

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<Fig.8 : 交換用の新しい電解コンデンサ>

もともと基盤についていた電解コンデンサより、少し径が大きく高さが低いのだが、基盤には余裕があるので取り付けには問題がなかった。

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<Fig.9 : 電解コンデンサを新しいものに交換した>

電解コンデンサを新しいものに交換すると、どの電源もちゃんと電気を共有してくれるようになった。20台のコンピュータを修理するのに、一個70円の電解コンデンサが40個、すなわち2800円の費用でできることになる。

もちろん、こうした修理はメーカーの保証外になり、何か他のトラブルがおこるかもしれない。したがってこの方法で修理したコンピュータを、そのまま実運用環境におけるかというと、それは問題があるかもしれない。しかし、一時的な実習に使うなど利用の場面はいろいろ考えられる。予算が乏しく、既存の設備を有効利用する方策を少しでも考えなければならない昨今なのだから。

学校の情報インフラ管理のうち最も大きな厄介ごとはプリンタの故障であるような気がする

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学校の情報インフラ管理のうち最も大きな厄介ごとはプリンタの故障であるような気がする。ドメインコントローラーによってActive Directoryのユーザー管理を行い、Webアクセス、ファイルサーバーなどを運用しているが、何らかの障害がおこったとき、他の何らかの方法で回避してもらえるなら、あるいは復帰を待ってもらえるならいい。しかしプリンタの障害だけはなかなか他の方法で回避してもらえず、また今すぐ使いたいと言われることが多い。

Webアクセスの障害はたいてい待ってもらえる。学校の場合はまだリソースを校外に置くケースは少なく、Webを使う場面の多くはWWWの情報検索なので、「Webが使えないと仕事にならない」というケースは、今のところ、まだ、ほとんどない。ファイルサーバーも重要なインフラだ。ファイルサーバーにアクセスできなくなったとき、現在作業中のものをローカルのハードディスクに保存してもらったりUSBなどの外部メモリに退避してもらうことはできる。保存してあるファイルを呼び出すことはできないが、多くの場合は待ってもらえる。またWindows Serverのファイルサービスは安定しており、あまり障害がおこることもない。

プリンタの問題はヒューマンな問題でもある。頑丈に見える業務用のレーザープリンタも内部はデリケートな構造であり、そして多くの人はそのことを意識していない。紙がなくなれば各自で紙を補給するのだが、給紙トレイの扱いはぞんざいで、用紙サイズを決めるレバーはがしゃがしゃしているうちにずれてしまい、そのまま、力任せにプリンタへ差し込まれる。

紙が詰まるのもあたりまえである。

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<Fig.1 プリンタに詰まった紙の切れ端が出てきた>

紙が詰まったとき、たいていは印刷をした本人がプリンタを開いて紙を取り出すことになるのだが、いつも慎重に、丁寧に取り除いてくれるとは限らない。紙を取り出す途中で破れ、切れ端がそのまま詰まったままになっていても、自分の印刷さえ出てくれば後は気にしない、という人も、なかには、いる。

給紙がうまくいかず、紙詰まりばかりおこる、というとき、しばらくするとこんな具合に紙の切れ端が出てくることがある。また詰まった紙を引き出すときや、詰まった紙の切れ端が部品を傷つけてしまうこともある。

プリンタからスポンジのようなものがぼろぼろ出てくるようになった。どうやら内部の給紙ローラーを傷つけてしまったようだ。

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<Fig.2 レーザープリンタの内部からスポンジの細切れが出てきた>

プリンタの具合が悪いとき、「次の授業で使うプリントを印刷したいのですぐ直してくれ」と言われることがある。「授業で使う」というのは学校にとって最優先事項である。もちろん、プリンタのトラブルは想定内なのでネットワーク上には何台かのプリンタがあり、ローカルUSB接続になっているクライアントPCも職員室に置いてあるのだが、自分がどのネットワークプリンタに印刷キューを出したか意識できない人が多く、そもそもどのプリンタがどの名前かわからない場合もある。USB接続の端末を使うには自分の席から経って職員室端のコーナーに行かなければならず、面倒がられる。

だが、こうなってしまってはおしまいだ。ローラーが破損しているらしい。部品の交換が必要だ。

とにかくプリンタの故障には泣かされる。プリンタサーバーの問題か、ネットワーク経路の問題か、プリンタのネットワーク機能の問題か、トナー切れか、トナー以外の交換部品の消耗か、あるいは給紙など物理的な故障なのか。たいへん障害の原因範囲が広い。そして修理は緊急を要求される。

この際プリンタメーカーにも不満を書いておくと、技術革新もいいのだが、あまりにも部品仕様の変化が激しすぎる。たとえば給紙トレイに不具合がおこることは多いが、同じメーカーであってもほとんどの機種で給紙トレイの流用ができない。本体に取り付け異なるサイズの用紙を装填できる「給紙ユニット」なども、本体並みに高い値段であるにもかかわらず、たいていはその機種専用を買わされる。もちろん、トナーも同じだ。

もうそろそろ給紙ユニットや給紙トレイ、トナーなどデファクトスタンダードが決まらないものか、と思う。メーカーにとっては常に新しく自社メーカーの部品を買わせたいところだと思うが、値段の点だけでなく管理運用の点でも、少しでも共通化をすすめてほしいものだと思う。

ネットワークに関するトラブルシューティングの実際(後編)

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ネットワークのトラブルでクライアントPCからファイルサーバーの共有フォルダが見えなくなった、との連絡をうけ、自宅からアドバイスを出しながら担当者にトラブル対応をお願いしていた。「人災」の可能性を考えた俺は、ネットワークのトラブルがおこった時間にネットワークに関して何かした人がいないか調べてみてくれ、とお願いした。すると普段はネットワークに接続していないノートPCを繋いだ人がいることがわかり、調べるとIPアドレスが既存のクライアントマシンと重複していたことがわかった。そこでそのノートPCのIPアドレスを重複のないものに設定しなおしてもらった。

担当者からは「いったん復旧したように思えたのですが、しばらくしてまた使えなくなりました」との報告だった。担当者からはPCからサーバーへPingを試した結果や、実際にクライアントPCから共有フォルダのマッピングがどのように見えているのかをデジカメで撮影した画像などを送ってもらった。このあたりはメールで文章で説明されたり、電話で聞いてもなかなか実際のところがわかりにくい。写真なら一目瞭然だ。

クライアントPCからドメインコントローラーやファイルサーバーなどにPingが正常に届くことがわかっている。またファイルサーバーは他にもあって、クライアントPCのいくつかは他のファイルサーバーの共有フォルダを正しくマッピングしているものもある。「ネットワーク」を開くとドメインを示すアイコンは表示されるものの、ドメイン内にあるはずのサーバーなどコンピュータはごく一部を除いてアイコン表示されていない。こうした中途半端な状態はやっかいだ。担当者は「名前解決の問題ではないでしょうか」と言ってきた。一般ユーザーは「見えない」とか「つながらない」と言うが、管理者としては接続において何が問題なのかを具体的に洗い出さなければならない。IPレベルだけでなく、「名前解決」ができているかどうかは重要だ。

ネットワーク経路のスイッチをチェックしたが、どのスイッチも異常がないようだ。ドメインコントローラーをチェックしてみる。すると確かにネットワークの障害がおこった時間にARPエラーログが記録されている。サーバーを再起動し、テスト用のクライアントPCをサーバー室に持ち込み、ネットワークを切りはずしながらチェックをしようとしていたとき、もうひとつIPアドレスの重複がみつかった。そしてIPアドレスを設定しなおすと、ネットワークの障害は解消された。

結局ネットワーク上に同一IPアドレスのマシンが2台あったことでネットワークのトラブルがおこったことがわかった。原因はきちんとしたIPアドレスの管理ができていなかったことにある。固定IPでネットワークを構成するなら、台帳で正確にIPアドレス管理をするべきであるが、言うは易し行うは難しで今までにも何度かこうしたトラブルを経験している。

まず設定時に不注意で間違ったIPアドレスを設定してしまうことがある。特に大規模なPCの更新時などは、単純作業を繰り返すうちに注意力が散漫になり間違う可能性を防げない。仮に2台同じIPのマシンを設定してしまっても、同時に起動していなければそれぞれは正常に動作するのでわからない。

次に実験的に構築したマシンのIPアドレスを「とりあえず」適当なものに設定してしまうことがある。実験機であってもIPアドレスの管理をするべきなのだが、実験中は思考が実験に向いているのでどうしてもIPアドレスのようなレベルの低い部分については、とにかく使えるようにすることを考えてしまうので、どうしても管理がおろそかになる。そして実験機がうまく動けば、そのまま実運用環境につないでしまったりするので問題になる。こうしていつのまにかネットワーク上に管理上ありえないIPアドレスのマシンが増えていく。

コンピュータを更新した場合もIPアドレスの重複がおこる。古いマシンを新しいマシンに置き換えたとき、新しいマシンを以前のマシンを同じIPアドレスにすることが多い。このとき古いマシンを廃棄すれば問題ないのだが、往々にして古いマシンも用途によってはまだまだ使えるということで、使用頻度の小さいクライアントPCに転用したりしてしまう。このときIPアドレスをそのままにしてネットワークにつないでしまったりする。

ネットワーク上にIPアドレスの重複があったとき、その重複のあるPCだけでなくネットワーク全体、厳密にはブロードキャストドメインにトラブルを与える。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月16日 at 7:52 AM

ネットワークに関するトラブルシューティングの実際(前編)

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今日は職場でネットワークのトラブルが発生している。あいにく私は現地におらず、メールで連絡をもらった。「ファイルサーバーが見えなくなっています。策はありますか?」という連絡である。連絡をくれた担当者には少し前からActive Directoryの管理をまかせており、ネットワークの基本的な部分は理解しているが実務経験はまだ少ない。さて、どうアドバイスをするか。

俺が勤務する学校のシステム全体はWindows ServerとWindowsクライアントのクライアントサーバーであり、Active Directoryで管理されている。サーバーはドメインコントローラー、ファイルサーバー、その他何台かで構成されており、クライアントPCはWindows XP、Windows Vista、Windows 7が混在している。またネットワーク型のレーザープリンタが数台あり、Windows Serverでプリンタ共有になっており、Active Directoryで公開されている。インターネット接続はプロキシサーバー経由でWeb利用ができるようになっている。

トラブルシュートは実務経験を積むたいへん良い機会だ。俺は現地には行けないので、メールでアドバイスをしながら担当者が自力で解決できるように支援することにした。

まず現状を正しく報告させることにした。「ファイルサーバーが見えない」という報告だが、本校ではファイルサーバーの共有フォルダをWindowsのログインスクリプトでローカルPCのXやYにマッピングしている。一般ユーザーはファイルサーバーを利用するとき、自分のPCの「コンピュータ」を開くと、そこにXやYドライブが見えており、それを開くとファイルサーバーにアクセスするようになっている。「ファイルサーバーが見えない」ということは、おそらく「コンピュータ」のローカルドライブのマッピングができていない、という状況のようだ。担当者にもう少し詳細な情報を教えてくれ、とメールをした。

担当者からクライアントPCからネットワークを開いた画面を携帯で撮影したデータが送られてきた。「コンピュータ」にネットワークドライブのマッピングがない。また「ネットワーク」を開くとドメイン全体は表示されているが、ドメイン内のコンピュータが何も見えない状態になっている。

俺の今までの経験では、ネットワークにトラブルが発生したとき、誰かが何かをした「人災」であることが多い。一般ユーザーがLANケーブルを抜き差しして間違ってループ上にしてしまったとか、ネットワークプリンタの設定をいじってIPアドレスを変更したとか、持ち込みパソコンに勝手なIPアドレスを与えてネットワークに接続したとかである。そこでトラブルがおこった時間が重要になってくる。そしてその時間にネットワークに対して何かした人はいませんか、と聞くのである。多くの場合、本人は自分がネットワークに影響を与えたと思っていないので答えてはくれない。しかし全体に対して注意を喚起する意味でこうした問いかけは重要である。原因が判明してから「あなた、これ、あのときやったでしょ」と言うと、「ああ、そうだったかも」という答えが返ってくることが通常だ。こうした「人災」を少しずつなくしていくためにも、あるいはネットワーク障害の現状を説明するためにも、こうした全体への周知は必要だ。

コンピュータやネットワークのトラブルに限らず、何らかの故障に対応するときには、むやみに調べても効果はあがらない。ある程度原因を推理しながら調査することがいい。では今回のわかっている状況のなかで、トラブルの原因として考えられることは何だろう。次のような原因が想定できることを担当者にメールしてみる。

1.ファイルサーバー自体が故障のため機能しなくなっている。
2.クライアントPCからファイルサーバーに至るネットワークが物理的に途中で途切れている。
3.IPアドレスの重複などTCP/IPネットワークの問題がある。
4.経路上のスイッチなどネットワーク機器の不調。
5.名前解決ができなくなっている。
6.ログオンスクリプトが動かずネットワークドライブのマッピングができていない。

しばらくして担当者に電話で連絡すると、通常はネットワークにつないでいないノートパソコンをネットワークに繋いだ人がおり、そのIPアドレスが既存のデスクトップPCと重複していたことがわかったそうだ。そしてそのノートPCのIPアドレスを変更し、重複を回避したが、それでもネットワークは回復しないという。そこで俺は「そのノートPCがつないであるLANケーブルの先にあるスイッチングハブを見て欲しい。ランプの点き方が異常じゃないか。」と聞いた。すると案の定、スイッチのすべてのランプが点灯しっぱなしになっているとのことだった。そこでいったんスイッチの電源を落とし、しばらくしてから再投入を指示した。すると通常の点滅状態に復旧したようだ。

だがそれでもクライアントPCからファイルサーバーの共有フォルダは見えないという。他のスイッチも調べることを指示して今日の対策は終わった。(続く)

Written by Yoshio Matsumoto

2011年7月13日 at 4:38 PM