ホチキス先生の「プログラマーと呼ばれたい」

InfoPath & SQL Server !

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情報システムは内製することにより果実を得ることができる – 価値を生み出すのは「人」である

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情報システムは外注せず内製してこそ意味がある。その根本的な理由は、価値は人が生み出すものだからだ、ということだ。多くの組織はこのことを忘れ、人が生み出す価値を得ることなく金で解決しようとする。

先日こんな話を聞いた。知人が務める企業の顧客向けシステム、それは Web ベースのシステムで外注によって作られたものだが、元号が変わることで対応が必要となり、おおむね1億円の費用が必要だと言われているらしい。もしあなたが経営者だとして、この経費についてどのように考えるだろうか。払うのはあなただ。この経費が妥当なものか判断しなければならない。相手は誠実に正しい見積もりを提示しているのか、それとも足元をみてふっかけているのか。あるいはこの際、システムを別の業者に変えて作り直すことが良いのか。判断の材料は何だろう。自分に判断の材料がないならコンサルタントにアドバイスを求めるだろうか。俺ならこう思う。いまどき元号の変更に対応できないシステムは糞だ。よほどぼんくらなエンジニアでなければ、一瞬で新元号に対応できるように最初からシステムを作っているはずだ。ではなぜ1億円などという値をふっかけてきたのか。その業者は金を出せる顧客から取り、それを資金としてシステムの抜本的再構築を狙っているのだろう。そして他の顧客にはそこそこの値段で利用させる。システムを開発するには資金が必要だが、一度開発したシステムは売れば売るほどもうかる仕掛けになっている。ソフトウエアとはそういうものだ。

もうひとつの話がある。プログラマーを養成する学校の経営者とディスカッションしたときのことだ。日本では情報システムは外注することが多いが、欧米では外注がなくなりつつあり、およそ80%は内製によって運用されているらしい。そこで学校のプログラマーの養成カリキュラムも今後はシステムを売るSI屋向けではなく内製技術者として養成するものに変えていこうと考えている。なぜ情報システムが外注から内製に変わっているかというと、今の時代は情報システム自体が企業の根幹をなし価値を生むものであるから、外注することは価値を流出させてしまうという発想があるという。欧米では情報システムの80%が内製である、ということが事実かどうか俺に判断はできないが、情報システムは価値を生むものであるという視点は疑いようのない事実だ。

これらの話から得られる教訓は、プログラミングによって得られる果実を我が物にすることができるのは誰かということになる。改めていうまでもなく、優れた情報システムは大きな価値を生む。業務の流れを整理し、自動化し、間違いをなくし、定型業務を軽減して人のクリエイティブな時間を増やすことができる。さらに新しい発想で事業を行い、今までにないビジネスモデルを生み出すこともできる。そして情報システムを作るのはコンピュータではなくプログラマーだということだ。価値を生み出すのは人である。

システムを外注するということは、価値を生み出すプログラマーが外注先のシステム会社にいる。したがってプログラマーが生み出す果実を得るのはシステム会社だ。しかしシステムを内製すれば、プログラマーは社内にいることになり、果実を得るのは自社である。要するに、価値を生み出す人間を擁することが会社の発展につながるという極めて単純な構造である。ただ難しいのは、いまは多くの経営者にとってプログラミングとは何かがわからないために、プログラミングは特殊な能力を持つ天才にしかできないことだと思われたり、優れたプログラマーを雇うことの意味がわからないことだ。だからこそ、明日を担うすべての子供たちに質の高いプログラミング教育をしなければならない。日本の社会を担うあらゆる階層のリーダーがプログラミングについての知識を持たなければ、ハイエナのような反日外資に価値をさらわれ続ける暗黒の未来が待っている。

2017年12月27日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞。

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IoT開発のためのマイコンボードについて考える – その必要な特性は何か – Raspberry Pi と Arduino

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現在、様々なマイコンボードが開発され生産、販売されており、それらは様々な用途に利用されているが、IoT 開発におけるマイコンボードに必要な特性は何だろう。

どこかに統計データがあるかもしれないが、現時点、2017年12月25日において、俺の日常的な感覚からすれば世界で最も利用されているマイコンボードは Raspberry Pi と Arduino だ。

Raspberry Pi の特徴は高性能であるということに尽きる。Raspberry Pi に最適化された OS Raspbianをインストールしてキーボードとモニタを繋げば普通の Linux PC として機能する。高機能であることの裏返しとして、OS をインストールしなければならない手間と価格が高いデメリットがある。たとえば Amazon で Raspberry Pi 3 Model B V1.2 国内正規代理店品の価格は 5,578 円だ。もうひとつ、Raspberry Pi の使いにくさとして A/D コンバータを持っていないことがある。アナログセンサを Raspberry Pi で使うには A/D コンバータを別途取り付けなければならない。ただし I2C などディジタル通信によるセンサも充実してきたので、これからはアナログ入力処理の必要は少なくなるかもしれない。ただマイコンボードや制御の学習のためにはアナログ入力処理ができたほうがいいだろう。

Arduino の特徴はオープンソースハードウエアであることだろう。回路設計が公開されており、だれでも電子部品を組み合わせて同じものを作ることができる。このために中国製を中心とする膨大なクローンが市場にあふれている。現在 Arduino を代表するモデル Arduino UNO R3 は Amazon で 999 円で手に入る。中国系のサイトでは 300 円だ。また互換品も多い。小型で Wi-Fi モジュールを搭載した WeMos D1 mini は俺のお気に入りだが、中国系サイトで 310 円から 350 円くらいだ。さらに Arduino UNO R3 は D/A コンバータを搭載しておりアナログ入力を処理できる。

データ処理はクラウドで行う時代になり、マイコンボードでは高度な処理を必要としない。したがって IoT でのマイコンボードの役割は、センサからデータを受け取りインターネットに送信することになるだろう。そのためにはセンサの値を読む I/O とともに、ネットワーク通信機能が必須になる。現時点では Wi-Fi が扱いやすいだろう。安定して動作すること、安価であることも重要だ。できるだけ多くのセンサを設置し、継続して大量のデータを収集することがビッグデータの時代には必要だ。壊れやすかったり単価が高ければ数多く設置することが難しい。そのためには高機能であることよりもシンプルな設計が望ましい。

もしマイコンボードにデータベースの機能を持たせたり、Web サービスなど高度な役割を持たせたいなら Raspberry Pi だろう。しかし単純にデータ収集を行うためなら Arduino だろう。ただ Arduino では通信処理において実装が難しいものもある。今一歩 Arduino が進化し、CPU や ストレージなどの機能が高くなれば IoT における主役として確固たる位置につけるはずだ。それを期待している。

2017年7月18日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞。

C# – 教科「情報」の授業で使うタイピングトレーニングのソフトを作っています。その 5。ユーザー ID を Active Directory から取得するようにした。

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教科「情報」の授業でタイピングソフトを自作して生徒実習をしている。このねらいは 2 つある。ひとつは、実際に使いやすいソフトウエアを使いたい、ということがある。特に生徒の実習データを Microsoft Flow に送信して集計しやすくする、ということがある。もう一つの目的は、ソフトウエア開発の実際を生徒に見せたい、ということだ。

いわゆる「ウォーターフロー型」の開発には限界があることが多く指摘されている。現代的なソフトウエア開発環境を最大限に活用するには、アジャイルと呼ばれる開発スタイルが望ましい。そこで教科「情報」の授業で自分が作ったソフトウエアを生徒に使わせながら、問題点や改善点を指摘させて次のバージョンに適用する、という手法でソフトウエア開発の実際を間接的に体験させるのだ。

そのためには、最初から完成されたソフトウエアを使わさない。最初はごく基本的な仕組みだけ作ったソフトウエアを使わせ、問題点や改善点を指摘することを演習とする。

様々な意見が生徒から出て興味深いのだが、これはまた別項でまとめることにする。今回のマイナーバージョンアップでは「学籍番号を入力するのが面倒だ」と「学籍番号を全角で入力してしまう間違いがおこる」ことを回避することを考えた。これは、システム管理をやっている者には常識的な実装になるが、ユーザー ID を Active Directory から取得することだ。これは一行のコードで実現できる。

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myUserName = Environment.UserName;

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そして取得したユーザー ID を gakuseID テキストボックスに表示する。

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gakuseID.Text = myUserName;

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ちゃんと取得することが確認できれば、学籍番号のテキストボックスの Enabled プロパティを false にし、書き換えられないようにする。

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gakuseID.Enabled = false;

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これで学生番号は間違いなく処理されるようになる。

2017年6月16日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞。

C# – 教科「情報」の授業で使うタイピングトレーニングのソフトを作っています。その 4。いつでも終了、開始ができるボタンのインタフェースを制御した。

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教科「情報」の授業で使うタイピングトレーニングのソフトを作っている。ここでマイナーチェンジをしたのは、ボタンの有効状態を制御したところだ。たとえば、次の画面は文字入力をトレーニングして「終了」のボタンを押し、かかった時間とスコアを表示したところだ。

textInputProgram_001_mid_640

ところがこの状態で「開始」のボタンが有効になっている。そこでこのまま「開始」をクリックして「終了」をクリックすると、一字も入力することなく結果が出てしまう。

textInputProgram_002_mid_640

そこで「開始」ボタンを押す前は「終了」と「リセット」を無効にし、「開始」ボタンを押せば「開始」ボタンは無効となり「終了」ボタンが有効になり、「終了」ボタンを押せば「終了」ボタンは無効となり「リセット」ボタンが有効となる、といったようにボタンの有効無効を制御することにした。

まずフォームの初期化で「終了」ボタンと「リセット」ボタンを無効にしておく。

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btnEnd.Enabled = false; //終了ボタンを無効にする
btnClear.Enabled = false; //クリアボタンを無効にする

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次に「開始」ボタンのクリックイベントで「開始」ボタンを無効にし「終了」ボタンを有効にする。

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btnStart.Enabled = false; //開始ボタンを無効にする
btnEnd.Enabled = true; //終了ボタンを有効にする

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そして「終了」ボタンのクリックイベントで「終了」ボタンを無効にし「クリア」ボタンを有効にする。

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btnStart.Enabled = false; //スタートボタンを無効にする
btnClear.Enabled = true; //リセットボタンを有効にする

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最後に「クリア」ボタンのクリックイベントで「クリア」ボタンを無効にし「開始」ボタンを有効にする。

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btnClear.Enabled = false; //クリアボタンを無効にする
btnStart.Enabled = true; //スタートボタンを有効にする

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これでボタンの有効無効管理ができた。

textInputProgram_003_mid_640

textInputProgram_004_mid_640

textInputProgram_005_mid_640

さて、このような制御をどこまですればよいのだろうか。それはプログラムを誰がどのように使うのかにかかっている。たとえばこのソフトウエアが、自分で文字入力のトレーニング結果を知りたいために使うのならば、このような制御を考える必要はないのかもしれない。自分の力を知るために「ずる」をする意味がないからだ。しかし、たとえば学校の授業で先生が生徒に課す場合は、少しでもよい結果を出すために「ずる」をしようと考える生徒がいるかもしれない。

そのことを考えると、たとえばテキストを別に入力しておき、ペーストするような「ずる」も考えられるかもしれない。使いやすさと同時に、想定外の利用をされないように考えることは、ソフトウエアの本来の機能とはまた別に、ソフトウエア開発のテーマである。

2017年6月16日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞。

マインクラフトはオブジェクト指向プログラミングだ。小学6年生の息子が作るマシンを見て思う。

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わが子は「マインクラフトエバンジェリスト」と言っていいほどマインクラフトを熟視している。今日は新宿で「こどもの日プログラミング無料体験会 ~マインクラフトで身につく3つの力~(小学3年生~中学生対象)」というイベントをやるために新宿に来ているのだが、早めに着いた新宿でマクドナルドに入り、マインクラフトをしているわが子を横目で見ながら、いったい何を作っているのか質問をした。

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一心不乱に何やら大きな仕掛けを作っているのだが、かなり複雑な仕組みだということが想像できる。いったい何を作っているのか、と聞くと「自動アイテム仕け機」だという。これは、チェストというアイテムを収める箱を 22 列に 2 つずつ、計 44 個並べ、その上や横にホッパーというアイテムを移動させる仕組みを配置する。さらに信号を制御するコンパレータ―やリピーター、信号を発生するトーチを配置する。これらをうまく考えて組み立てると、一番端のホッパーにアイテムを投げ入れると、自動的にアイテムがホッパーの中を送られていき、それぞれ分別されてチェストに入れられるのだ。

個々のブロックには基本的な仕組み、動作が組み込まれている。それらを組み合わせて一連の働きをする仕掛けを作る。これは、まさに、イベントドリブン型のオブジェクト指向プログラミングの思考力を要する作業だ。

こうしたレッドストーンの信号を応用した仕組みを組み立てる作業は、間違いなく論理思考、とりわけ現代的プログラミングの思考力に重なり合っている。「マインクラフトとプログラミング教育」というものが俺のテーマの一つだったが、わが子の姿を見ていて気付かされたことは、大人があれこれ理屈をつけて「教育」に結びつけなくても、子供は自然に価値のあることを見つけ、遊び感覚で論理的思考を養っているということだ。

2017年5月5日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞。

Written by Yoshio Matsumoto

2017年5月5日 at 8:40 午前

C# – 教科「情報」の授業で使うタイピングトレーニングのソフトを作っています。その 2。河端さんとのコラボレーション。

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先日、SQL Server のスペシャリストで Microsoft MVP でもあった河端善博さんと久しぶりにお会いし、Microsoft Flow や Power BI の話をうかがった。実に興味深く、私がやっている IoT や情報教育で使う場面がないか考えた。そこで、まず今作り始めている文字入力トレーニングソフトのデータを Microsoft Flow で処理し、Power BI で分析することをやってみることにした。

まず、実習結果を自分で見るだけなら時間を計り正しく入力できたかどうかを判定できればよい。しかしデータを集約するなら、誰の実習結果かという ID が必要になる。そこで ID をどうするかを含めて、通信データのフォーマットを決めることにした。河端さんから提示されたのは次の項目だ。

“生徒識別子”
“経過秒数”
“スコア”

生徒識別子は文字列型とし、経過秒数やスコアのデータ型をどうするか相談をしたが、型がそろった方がアプリケーション側で作りやすいので文字列型にしてもらった。これに加えて次の項目を付け加えた。

手本文字数”

「スコア」は何文字まで間違いなく入力できたかの文字数を評価することにしているが、もともとの手本の文字数が何文字かがあった方が良いと考えたので、それを加えることにしたのだ。これらの集めるデータは今後どんどん変わっていく可能性があるが、とりあえずこの 4つの項目にすると決めた。データの送信は Web サービスの POST メソッドとし、渡すデータは json で記述することにした。こんなかんじになる。

{
“生徒識別子”: “A0000”,
“経過秒数”: “10”,
“スコア”: “89”,
“手本文字数”: “100”
}

すでに作っているアプリケーションに「生徒識別子」のテキストボックスを追加し、Web サービスに POST するコードを書いた。

文字入力トレーニングアプリ_001_mid_640

その他の変更点は、入力するための原稿をテキストファイルにして保存し、アプリケーションの起動時に読み込む形にした。また入力原稿は教科書の本文とすることとし、入力分のはじめとおわりを表示して、教科書のどこの文を入力するのかを間違わないようにした。

私がアプリケーションを調整している間に、河端さんに Microsoft Flow で Web サービスを作っていただいた。河端さんに作っていただいた Microsoft Flow は次のようなものだ。Web サービスへの POST の結果を知りたかったので、電子メールで送信してもらうようにお願いした。次の画面は河端さんからもらったものだ。

18109673_10155304824759394_589213491_n_mid_640

何度か試験を繰り返し、正しくデータが送られることを確認した。データの送信確認は電子メールが送られてくることでわかる。

文字入力トレーニングアプリ_002_mid_640

このように、私が Visual Studio 2017 でアプリケーションを作り、河端さんが Microsoft Flow でクラウド側のシステムを作る。このコラボレーションが、実質 30 分ほどで動くシステムができあがった。

たとえば生徒の家庭学習などを IT でサポートする場面で、このように簡単にアプリを作ってクラウドの共有フォルダなどで配布し、練習結果を Microsoft Flow で受け取って集計する、Power BI で分析する、といったことが簡単にできる。何年か前なら、なんらかの学習システムみたいなものを作ったものだが、今やこのような時代だ。

2017年4月25日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞。

Orange Pi Zero を買った

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先日買った Orange Pi One が気に入ったので、次に Orange Pi Zero を買ってみた。

P1470922_mid_640_480

パッケージは Orange Pi One のときのものと同じ。パッケージを開けると、Orange Pi One と同じように、Orange Pi Zero 本体と簡潔な一枚のプリントが入っている。

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実に小さな筐体にぎっしりと機能が集積されているという感じだ。機能美を感じる。スペックは次の通り。

CPU H2 Quad-core Cortex-A7 H.265/HEVC 1080P
GPU Mali400MP2 GPU @600MHz Supports OpenGL ES 2.0
Memory (SDRAM) 256MB/512MB DDR3 SDRAM(Share with GPU)(256MB version is Standard version)
Onboard Storage TF card (Max. 64GB)/ NOR Flash(2MB Default not posted)
Onboard Network 10/100M Ethernet RJ45 POE is default off
Onboard WIFI XR819, IEEE 802.11 b/g/n
Audio Input MIC
Video Outputs Supports external board via 13pins
Power Source USB OTG can supply power
USB 2.0 Ports Only One USB 2.0 HOST, one USB 2.0 OTG
Buttons Power Button
Low-level peripherals 26 Pins Header, compatible with Raspberry Pi B+ ,13 Pins Header
LED Power led & Status led
Supported OS Android, Lubuntu, Debian, Raspbian
Product size 48 mm × 46mm
Weight 26g

オンボードにイーサネットのコネクタがあり、かつ、Wi-Fi モジュールも装備している。だが HDMI コネクタはなく、画面出力をするには拡張ボードが必要だ。電源は micro USB コネクタから給電できる。このスペックからすると、ネットワーク接続に最適化された軽量の IoT モジュール、という位置づけになるだろう。

Orange Pi は中国の Shenzhen Xunlong Software CO., Limited の製品だ。

Written by Yoshio Matsumoto

2017年4月8日 at 9:47 午後