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マイクロソフトが満を持して発表したSurface RTは最初にして最高のタブレットだ。キックスタンド、タイプカバー、USBポート、そしてワード、エクセル、パワーポイント、ワンノートの利用が他に比類ない。

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これほどの製品を発表してしまえば、もはやバージョンアップはありえないだろう、と思えるくらいに絶賛したいMicrosoft Surface RTだ。パーソナル・コンピュータやモバイル、電子機器の歴史に名を残す製品と言える。いままでのタブレットが何故すべて中途半端で役に立たないものであったかを、このSurface RTを手にした者はそれだけで気付くだろう。

サイズ:10.81 x 6.77 x 0.37 インチ (約 274 x 172 x 9.3mm)、重量:約676g、ディスプレイ:10.6 インチ 1366 x 768ピクセル ClearT10+ 件ype HD 液晶、メモリ:2GB、カメラ:前面720p、背面720p、センサー:環境光センサ、加速度計、ジャイロ、電子コンパス、オーディオ:デュアルマイク、ステレオスピーカー、無線:802.11a/b/g/n WiFi、Bluetooth 4.0、といったところが、いわゆる一般的なタブレットとしてのスペックだ。これはもちろん必要にして十分なスペックだが、Surface RTの特徴はこれ以外のところにある。

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<Fig.1 : Microsoft Surface RTの前面>

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<Fig.2 : Microsoft Surface RTの裏面>

Surface RTの本体は「ベイパーマグ VaporMg」と呼ばれる特殊加工のマグネシウム合金を使っているらしい。色は艶消しのブラックで、成型加工の質が高いのでシャープな印象がある。かなりの硬度がありそうだが、毎日持ち運ぶこの手の製品にとっては、傷がつきにくいことが重要だ。個人的にはもう少し軽く仕上げて欲しかったところもあるが、重量を抑えて硬度が犠牲になるなら問題なので、バランスを考えたところなのだと思われる。硬度については、実際に傷をつけてみないとわからないところがあるが、まだ丁寧に使っており、ひとつも傷をつけていないので実際のところはわからないが、かなり頑丈なのではないかと思われる。

デザイン上の最も大きな特徴は、裏面にある「キックスタンド Kickstand」と名付けられた開閉式のスタンドだ。これはいわばフォトフレームのように開いて本体を立てる仕組みだ。秀逸なのは、閉じた状態でまったくスタンドの存在を意識させず、ぴったりと本体に合わさっているところだ。スタンドを閉じた部分の段差がまったくない。またこのスタンドはたいへん薄いが頑丈で、ヒンジの部分も小さく目立たないように作られており、そしてとてもしっかりしている。

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<Fig.3 : Microsoft Surface RTのキックスタンドを開いた>

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<Fig.4 : Microsoft Surface RTの裏面キックスタンドの開閉部>

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<Fig.5 : Microsoft Surface RTのキックスタンドを開いて立てた>

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<Fig.6 : Microsoft Surface RTのキックスタンドを開いた部分>

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<Fig.7 : Microsoft Surface RTのキックスタンドヒンジ部分>

もうひとつの特徴は、取り外しできる薄型のタッチカバー Touch Coverだ。これは薄型で、本体に取り付けて閉じた状態ではパネルカバーにもなる。タッチカバーを付けてそのまま持ち運んでも大丈夫だ。

このタッチカバー Touch CoverはSurface RT本体に磁石でぴったりと付くようになっている。タッチカバー Touch CoverとSurface RT本体は6つの接点で接続され、Surface RTはタッチカバーの有無を認識し、タッチカバーがないときは本体のバーチャルキーボードで入力、タッチカバーが付いているときは自動的にタッチカバーのキーボード入力ができるようになる。またタッチカバーを開き、ぐるりと裏側に向けた状態ではタッチカバーは認識せず、本体のバーチャルキーボードが有効になる。これはよくできている。というのも、タッチカバーを開けて裏側に向け、そのまま使う状態ではキーボードが裏側になってしまうので、キー入力が有効になっていると手が当たって無意味な入力がおきてしまうからだ。

純正キーボードとしてはこのタッチカバー Touch Cover以外に、タイプカバー Type Coverがある。タッチカバーはあくまでもSurcafe RTのカバーとしての役割が主であり、キー入力はあまり快適ではない。Surface RTをノートパソコンのようにしっかり文字入力したいなら、迷わずタイプカバーを選択するべきだろう。

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<Fig.8 : Microsoft Surface RTにタッチカバー Touch Coverを取り付けた>

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<Fig.9 : Microsoft Surface RTにタッチカバー Touch Coverを取り付けて開いた>

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<Fig.10 : Microsoft Surface RTにタッチカバー Touch Coverを取り付けてキックスタンドを開いた>

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<Fig.11 : Microsoft Surface RTのタッチカバー Touch Coverを取り外したところ>

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<Fig.12 : Microsoft Surface RTとタッチカバー Touch Coverの接点部分>

またUSBポートがあることもメリットだ。例えばPDF化した書籍、写真、音楽などのコンテンツを本体に保存しなければならないとすれば、昨今の大量データ時代に32Gや64GBといったレベルでは全く追い付かない。クラウドのSkyDriveに保存する、というのが一つの解だが、必ずしもネットに繋がった状態ばかりではない。しかしSurface RTにはUSBコネクタがある。ここにUSBメモリを挿せば、コンテンツの問題は解決される。必要ならば何枚かのUSBメモリを用意し、それぞれに必要なコンテンツを保存し、使い分ければいい。

またプリンタへの接続もUSBで行うことができる。ほとんどのタブレットはプリンタへの印刷を想定していない。PCを介して印刷するなど何らかのトリッキーな方法が必要になるだろう。しかしSurface RTなら、多くのプリンターのドライバに対応しているので、USBポートにプリンタを直接接続するだけでいい。

これ以外にも、USBキーボードをつないだりCDドライブを使ったり、というように、USBポートのあることが大きなメリットだ。1つしかないところが不満といえば不満だ。できれば2ポート、あるいは3ポート欲しいところだ。

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<Fig.13 : Microsoft Surface RTのUSBポート>

そして他のタブレットではなくMicrosoft Surface RTを選ぶ最大の理由は、ワード、エクセル、パワーポイント、ワンノートが標準で使えることだ。ワードは Microsoft Word 2013、エクセルは Microsoft Excel 2013、パワーポイントは Microsoft PowerPoint 2013、ワンノートは Microsoft OneNote 2013がインストールされている。仮にノートパソコンにこれらのアプリケーションをインストールしようと思えば、Office Home & Business 2013が必要になるが、このパッケージを買うだけで2万8千円ほどする。ただ気を付けなければいけないのは、Surface RTで使えるオフィスには、マクロが使えないなどいくつかの制限がある。ただ通常のオフィス業務、文書作成や表計算を行う限りはまったく問題ない。ちなみにパソコンでワードやエクセル、パワーポイントのファイルを作り、USBメモリに保存してMicrosoft Surface RTで開いても全く問題なく使えた。

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<Fig.14 : Microsoft Surface RTで使えるワード、エクセル、パワーポイント、ワンノート>

このように、最初の製品にして完璧なタブレットであるSurface RTだが、注意する点としてはCPUがインテル系ではなく NVIDIA Tegra 3 T30 だという点だ。従来のWindowsとは異なり、CPUの違うデバイスで動くように設計されている。したがってPCで使えるアプリケーションをそのまま使うことはできない。他のメーカー製のソフトをインストールして使いたいとか、フリーソフトを使いたいといった希望があるならSurface RTは期待に沿えないだろう。もちろん近い将来には、Surface RTで動くアプリケーションも数多く提供されるようになるだろう。だが現状では、Surface RTはそのまま使うことを前提にするのが間違いないだろう。

最後にSurface RTの重量実測値を紹介する。このSurface RTは日本版が発売される前に米国で発売されたものだ。したがって実質上の全世界で最初のモデルといえる。

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<Fig.15 : 米国産Microsoft Surface RTの重量をキッチンスケールで量った>

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<Fig.16 : 米国産Microsoft Surface RTの重量は実測で685gだった>

●追記 2013/07/05

「Microsoft Surface RTに最適のコンテンツ保存用USB外部メモリ – 超小型で取り付けたまま持ち運んでもいい」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2013/07/05/microsoft-surface-rt%e3%81%ab%e6%9c%80%e9%81%a9%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%84%e4%bf%9d%e5%ad%98%e7%94%a8usb%e5%a4%96%e9%83%a8%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%aa-%e8%b6%85%e5%b0%8f/

●追記 2013/07/10

「Surface RTはUSBでレーザープリンタなどが利用できる。これは大きなメリットだ。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2013/07/10/surface-rt%e3%81%afusb%e3%81%a7%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%82%b6%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%81%aa%e3%81%a9%e3%81%8c%e5%88%a9%e7%94%a8%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%80%82%e3%81%93/

●追記 2013/07/13

「今日は日本版Microsoft Surface Proの発売日」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2013/06/07/%e4%bb%8a%e6%97%a5%e3%81%af%e6%97%a5%e6%9c%ac%e7%89%88microsoft-surface-pro%e3%81%ae%e7%99%ba%e5%a3%b2%e6%97%a5/

「Surface RTにSurface VGAアダプターとSurface HDデジタルAVアダプターを使い大型モニタに画面を映し出す。授業でSurfaceを利用すれば手際よくコンテンツを提示できるだろう。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2013/07/11/surface-rt%e3%81%absurface-vga%e3%82%a2%e3%83%80%e3%83%97%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%81%a8surface-hd%e3%83%87%e3%82%b8%e3%82%bf%e3%83%abav%e3%82%a2%e3%83%80%e3%83%97%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%92%e4%bd%bf/

「Microsoft Surface RTでWord、Excel、PowerPoint、OneNoteを使って日常的なパソコン業務のほとんどができる。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2013/07/13/microsoft-surface-rt%e3%81%a7word%e3%80%81excel%e3%80%81powerpoint%e3%80%81onenote%e3%82%92%e4%bd%bf%e3%81%a3%e3%81%a6%e6%97%a5%e5%b8%b8%e7%9a%84%e3%81%aa%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3%e6%a5%ad/

「Microsoft SurfaceのUSBポートにパソコン用のキーボードを接続して使う。専用のタッチカバーやタイプカバーに不満を感じたら市販のキーボードを選んで使おう。」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2013/07/13/microsoft-surface%e3%81%aeusb%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%e3%81%ab%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3%e7%94%a8%e3%81%ae%e3%82%ad%e3%83%bc%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%89%e3%82%92%e6%8e%a5%e7%b6%9a%e3%81%97/

NOOK Tablet – アメリカ、ベルビューで買った液晶型タブレットはクールで使い勝手がいい

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<Fig.1 : NOOK Tabletのパッケージ>

今年の春、Microsoft 2012 Global Summitに参加するためにアメリカ、ワシントン州ベルビューへ行ったとき、たまたま入った書店Barnes & Nobleで見つけたNOOK Tabletを衝動買いした。アメリカに行く前はAmazonのKindle Fireを買おうと思っていたのだが、書店で陳列されているNOOKを見て、さらに宣伝員のおじさんの話を聞いて「これだ」と思って買ったのだ。ちなみにBarnes & Nobleはアメリカの大手書店チェーンである。日本では「紀伊国屋書店」のようなものだろうか。

このNOOKを買った後でもKindle Fireを買う気はあったのだが、アメリカ旅行中にこのNOOKを使いだし、その後Best Buyに行ってAmazon Kindle Fireを見たのだが、実機を見て買う気がなくなった。それほどこのNOOKはスマートなのだ。

Kindle Fireは199ドル。このNOOK Tabletは発売当初は高かったらしいが、ちょうど値段を199ドルに下げたところだった。このクラスのタブレットは様々なメーカーが参入しつつあるが、199ドルというのが一つの競争ラインになっているようだ。

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<Fig.2 : NOOK Tabletのパッケージに書かれた標準添付品>

NOOK Tabletには本体とUSBケーブル、そしてUSB充電用のACアダプタが添付されている。

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<Fig.3 : NOOK Tablet本体>

NOOK Tabletの本体だ。アプリのアイコンが並んだホーム画面である。

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<Fig.4 : NOOK Tabletの左下フック部>

NOOK Tabletの左下側の角にはこのようなフックがある。実際にこのフックになにかひっかけるという使い方はなさそうだが、片手で持つときにちょうどこのフック部分が指にひっかかり、不注意で落とす危険が避けられるように思う。本体全体が丸くつるっとした形になっているので、このデザインはいい。

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<Fig.5 : NOOK Tabletのnボタン>

NOOK Tabletの全面下部にはこのような「n」ボタンがある。このボタンでメニューを表示させたりホームに戻ったりする。

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<Fig.6 : NOOK TabletのマイクロUSBジャック>

NOOK Tablet本体はマイクロUSBケーブルでパソコンなどと繋いでデータをやりとりしたり、あるいはAC給電アダプタに繋いで充電する。PCに繋いだとき、NOOK Tabletは外付けメモリのようになる。

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<Fig.7 : NOOK Tabletの電源ボタン>

NOOK Tabletの電源ボタンは本体左側面の上側にある。本体の側面はゆるやかにカーブしたデザインであることがわかるだろう。手触りもいい。

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<Fig.8 : NOOK Tabletを上から見たところ>

これはNOOK Tabletを上から見たところだ。本体の上部にイヤホンジャックがある。少し離れて小さい穴があいているように見えるが、これはなんだかわからない。リセットボタン穴なのかもしれない。

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<Fig.9 : NOOK Tabletのイヤホンジャック部>

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<Fig.10 : NOOK Tabletの音量ボタン>

本体右側の側面の上側に音量ボタンがある。画面のタッチ操作でなく別個にスイッチがあると操作しやすい。

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<Fig.11 : NOOK Tabletの裏側>

裏側中央部に「n」のマークがある。本体裏側の下部にはスピーカー穴が開いている。

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<Fig.12 : NOOK Tabletのフック>

NOOK Tabletフック部を裏側から見たところ。下の写真でわかるように、ここにマイクロSDカードを装填できる。

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<Fig.13 : NOOK Tabletのスピーカー穴>

本体裏側のスピーカー穴から音が出る。だがあまり良い音とは言えない。

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<Fig.14 : NOOK TabletのマイクロSDカードスロット>

NOOK TabletのマイクロSDカードスロット。ここにマイクロSDカードを装填し、コンテンツを格納することができる。

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<Fig.15 : NOOK Tabletの標準添付品USBケーブル>

NOOK Tabletの専用USBケーブル。マイクロUSBケーブルだが、「n」のマークがあることと、本体に差し込む方にはLEDが入っている。

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<Fig.16 : NOOK Tabletの専用USBケーブルのUSBプラグAコネクタ>

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<Fig.17 : NOOK Tablet専用USBケーブルのマイクロUSBプラグ部>

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<Fig.18 : NOOK Tabletに専用USBケーブルを挿して充電しているところ>

このようにNOOK Tabletの専用USBケーブルのマイクロUSBコネクタにはLEDがあり、充電中はオレンジ色、充電が完了すると緑色に光るようになっている。

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<Fig.19 : NOOK TabletのUSB充電専用ACアダプター>

NOOK Tabletの標準添付品、USB充電ACアダプターだ。コンセントプラグを倒して出し、ACコンセントに差し込む。この反対側にUSBのA型ジャックがあり、そこからUSBケーブル経由で本体を充電する。

このようなタブレットは、ずいぶんいろいろなメーカーから発売されており、好みで選べる時代になったことはうれしい限りだ。毎日持ち歩くものだから、機能的に優れていることはもちろんだが、本体のデザインなども選択の大きな条件になるだろう。気に入ったデザインでなければ使って楽しくない。多くのタブレットはいかにも「家電製品」といったデザインをしているが、このNOOKは形状も美しく、本体の素材は少し柔らかめの樹脂素材で手触りもいい。

ファイル名の表示には日本語も対応している。つまり日本語フォントが搭載されているのだ。通勤にはこのNOOKとAmazon Kindleの両方をカバンに入れている。そして両方に同じ本を入れておく。暗い夜道では明るく光るこの液晶型のNOOKで本を読み、明るい駅や電車内ではE-InkのAmazon Kindleで読む。これで通勤時間のすべてが読書に使えるようになった。

日本では買えないのが残念だが、アメリカに行けばBarnes & Nobleの書店で買えると思う。中途半端なタブレットを買うなら、このNOOKにしたほうがいい。強くお奨めする。

Written by Yoshio Matsumoto

2012年7月19日 at 2:22 AM

Amazon Kindle DXの画面が破損 – E-inkパネルは突起物の圧迫に弱いので注意 – ソフトケースではなくハードケースに入れよう

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<Fig.1 : 破損したAmazon Kindle DXのE-ink表示パネル>

Amazon Kindle DXを旅先に持って行ったのだが、スーツケースを開けて取り出したところ、このような無残な姿になってしまっていた。いったい何がおこったのか、すぐにはわからなかった。

このKindle DXは傷がつかないように常時クッション素材のケースに入れており、衝撃による破損やE-ink表面の擦り傷などはつかないようにし気を付けていた。E-ink画面の欠落が縦横に切り取られたように見えることから、最初見たときは何らかの衝撃でE-inkパネルの接触不良がおこったのかと思った。しかしどうやらそうではないらしい。

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<Fig.2 : 破損したAmazon Kindle DXのE-inkパネル表面をよくみる>

E-inkパネルの欠落部分をよく見ると、広く右側が方形に切り取られたように見えるが、左上あたりにガラスが割れたような放射状の跡がある。その中央部には圧迫痕があり、横から見るとパネルがへこんでいるように見える。指で触るとでこぼこしているのがわかる。

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<Fig.3 : 破損したAmazon Kindle DXのE-inkにみられる圧迫痕>

写真ではわかりにくいかもしれないが、おそらく何かの突起物がE-inkパネルに接触し、圧迫されたために壊れたと思われる。圧迫された部分から放射状に表示が壊れ、さらに広範囲に白化しているところが奇妙ではある。

勝手な思い込みだが、E-inkのパネルは比較的強いのではないかとたかをくくっていた。だが突起物の圧迫には気を付けなければならないことが明らかである。これは恐らくE-inkをパネルに使った他の電子ブック、たとえばSONYのReaderなどでも同様だと思われる。これらの電子ブックはE-inkパネルを突起物が圧迫しないよう、ハードなプロテクトケースが必要である。ソフトケースだけでは不十分なのだ。

だが、このような電子ブック端末はカジュアルに使いたいので、できればもう少し堅牢に作って欲しかったところだ。持ち運ぶ時もできればケースなどに入れず、カバンにそのまま入れ、使うときにはさっと出してすぐ読める、というように使いたい。もちろん本体は軽い必要もあるので作る側にとっては難題かもしれないが、ぜひ堅牢化をすすめてほしい。

このAmazon Kindle DXは第二世代にあたるもので、Amazonのカスタマーサービスによれば現在はもう手に入れることができない。現在販売されているKindle DXは黒色で、これは第三世代の機種だ。他の電子ブックには、このKindle DXのような大画面のものはなく、さらに白色の筐体がとても気に入っていたので残念でならない。

Written by Yoshio Matsumoto

2012年7月19日 at 1:15 AM

Kindle 第4世代 – 広告付き79ドルを愛用している

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Amazon Kindleは2007年11月19日に発売された。これが第1世代である。この第1世代Kindleのスペックは、ディスプレイが600×800ピクセル、4階調グレースケール、本体のサイズは19.1cm×13.5cm×1.8cm、重さは292g、内部メモリーは180MBで約200冊の本を記憶、そして第2世代Kindleからは廃止されたSDメモリーカードスロットが搭載されていた。充電式電池寿命は 2日から1週間、サポートするファイルフォーマットはKindle専用のAZW、TXT、PDF、MOBI、PRCだった。

この第1世代KindleはWebで写真で見るところでは、ずいぶん厚くていかにも扱いにくいように思える。

第2世代のKindle 2は2009年2月23日に発売、スペックはディスプレイ600×800ピクセル、16階調グレースケール、本体サイズは203.2mm×134.6mm×9.1mm、重量289gとなり、重量はさほど変わらないが厚みがずいぶん薄くなった。内部メモリーは2GBと大きくなり、かわりにSDメモリースロットが廃止された。サポートするファイルフォーマットも充実し、Kindle専用のAZW、TXT、PDF、MOBI、PRCに加え、Audible、MP3、HTML、DOC、JPEG、GIF、PNG、BMPである。この基本スペックが現行Kindleに踏襲されている。

2009年6月26日に発売されたKindle DXは大型で、Kindleの名前を付けているが別ラインナップと言っていい。基本スペックはディスプレイサイズが9.7インチ、824×1200ピクセル、本体サイズが264mm×183mm×9.7mm、重量は536gで内部メモリーが4GBであること以外はKindle 2と同じであると言っていいだろう。

これら第2世代のKindleとKindle DXはワールドワイドの販売が米Amazonで行われ、日本でも買うことができるようになり、雑誌やWeb、Blogなどで取り上げられた。これが電子ブックの火付け役になったと言って過言はないだろう。

2010年8月25日には第3世代のKindle 3が発売された。ディスプレイのサイズが6インチ、600×800ピクセル、16階調グレースケール、本体サイズが190mm×123mm×8.5mm、重量はWi-Fi版が241g、3G+Wi-Fi版が247g、内部メモリーが4GBとなり、Kindle 2をベースに小型化、軽量化、大容量化したというモデルチェンジといえるが、大きく変わったのはWi-Fi版と3G+Wi-Fi版を分けたことと、日本語対応がされたことである。

このKindle 3は2011年9月28日、第4世代のKindelが発売されるタイミングでKindle Keyboardと改名された。第4世代のKindleは現行モデルで、単にKindleと呼称されている。つまりレギュラーモデルはキーボードをつけない、という戦略になったと思われる。

2011年9月28日にはカラー液晶のKindle FireとE-Inkで画面のタッチ操作が可能なKindle Touchが発売された。

現行モデルは第4世代にあたるKindle、本体が白から黒に変更されたKindle DX、Kindle Keyboard、Kindle Fire、Kindle Touchということになる。ここで紹介したいのは最軽量、最低価格の第4世代Kindleだ。

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<Fig.1 : 第4世代のKindleパッケージ>

このKindleは、今年2012年の2月から3月にかけて渡米したときに買ったものだ。オレゴン州のBest Buyの店頭で買った。ちなみにオレゴン州は消費税がないので買い物をするのにいい。米国ではKindleはAmazonサイトから買うだけでなく、Best Buyのような店で買うこともできるのだ。

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<Fig.2 : 第4世代Kindleのパッケージを開ける>

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<Fig.3 : パッケージから出したKindleの下にUSBケーブルが入っている>

パッケージはとても簡素で、添付品はUSBケーブルのみだ。Kindle 2やKindle DXには一体型のUSB給電ACアダプターが入っていたが、この第4世代Kindleには入っていない。

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<Fig.4 : 第4世代Kindleの本体正面>

第4世代Kindleを本体正面から見た。ボタンも少なくとてもシンプルな形状だ。手前に並んだボタンは左から「戻る」、「バーチャルキーボードの表示」、中央に5-wayコントローラーと名付けられた十字キー、「メニュー表示」、「ホーム」の各ボタンだ。左サイドに大きさの違う2つのボタンがあることがわかるだろうか。上の短いボタンは「ページを戻る」、下の長いボタンは「ページを先に進む」だ。この2つのボタンは、この写真ではわかりにくいが右サイドにも同じものがある。右側でも左側でもボタンを押してページを「めくる」、「戻る」の操作ができるのは便利だ。

この写真はパッケージから出して充電する前の状態だ。USBケーブルを繋いで充電するようにという図が出ている。これはディスプレイに紙が貼ってあるのではなくて、E-Inkディスプレイ自体に表示されている。E-Inkを初めてみたときは紙が貼ってあるとしか思わなかった。

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<Fig.5 : 第4世代KindleのUSBコネクタと電源ボタン部分>

第4世代Kindleは本体手前下部の中央にUSBコネクタと電源ボタンが隣り合って配置されている。

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<Fig.6 : キッチンスケールで第4世代Kindleの重さをはかる>

公称スペックでは重量が5.98 ounces、1オンスは約28.35gなので、約169.5gということになるが、家庭用のキッチンスケールでの秤量で160gだった。軽い。

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<Fig.7 : 第4世代Kindleをジャケットの内ポケットに入れる>

第4世代Kindleは軽くて薄い。このようにジャケットの内ポケットに入れても全く違和感がない。ただ気を付けなければならないのは、E-Inkの表面は傷つきやすく、また尖ったもので力を加えるとディスプレイ自体が割れてしまうので取扱いは丁寧にするのがいい。ジャケットの内ポケットに入れて持ち運びたいところだが、なにかプロテクトになるものが欲しいところだ。専用ケースに入れたりするとKindleの軽量性、薄さの良さが減じるので残念なところだが。

もっぱら通勤ではこの第4世代Kindleを愛用している。これのおかげで通勤途中ずいぶん読書ができるようになった。

Written by Yoshio Matsumoto

2012年6月17日 at 1:40 AM

Kindle DXのE-Inkが壊れた

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<Fig.1 : E-Inkが破損したKindle DX>

このところKindle DXばかり使っていた。Kindle DXはお気に入りの電子ブックリーダーだ。レギュラーサイズのKindleが600×800ピクセル、6インチのE-Inkパネルに対して、Kindle DXは824×1200ピクセル、9.7インチのE-Inkパネルサイズである。現行のKindleは日本語フォントを搭載しているが、俺が持っているレギュラーサイズのKindleはKindle 2であり日本語フォントがない。またKindle DXも同様で日本語フォントはない。そこでこれらのKindleでは文庫本をスキャンしてPDFにして読んでいるのだが、レギュラーサイズのKindle、E-Inkが6インチでは文庫本を読むのに文字が小さすぎて少し辛いところがある。しかしKindle DXの9.7インチサイズE-Inkディスプレイでは、文字が大きくとても読みやすい。

サイズが大きいためKindle DXの重量はレギュラーサイズKindleより重い。レギュラーサイズKindle 2が、公称289g、実測290gだったのに対して、Kindle DXは公称536g、実測545gだった。545gという重量は、通勤カバンに入れて日々持ち歩くことについて実質的に満足できる重量ではあるが、やはり289gのKindle 2を持つと、その差を感じてしまう。

とはいえ、画面サイズの大きさが良いので毎日通勤カバンに入れて持ち歩いていたのだが、ある日、通勤電車に乗るときにカバンからKindle DXを取り出すと、このようになってしまっていた。

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<Fig.2 : Kindle DXの壊れたE-Ink>

E-Inkの上部半分ほど、右側よりに広範囲で表示できなくなっている。よく見るとパネル左上あたりにひびらしきものがスポットを形成している。

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<Fig.3 : 壊れたE-Inkにはひび割れのスポットが形成されている>

まったく意識していないのだが、このディスプレイの状況から考えて、カバンの中にあった何か硬いもの、それは音楽プレイヤーか携帯電話かわからないが、それらデバイスの角かどこから圧迫して壊れたように思われる。

E-Inkのパネルは硬いように見えるが、意外に脆いものらしい。Kindle DXはウレタンのケースに入れていたのだが、そのような柔らかいケースではだめだったようだ。少し前にはレギュラーサイズのKindle 2のE-Inkが壊れたが、あれはまったく物理的な影響はなかった。このKindle DXの破損とKindle 2の破損は別の原因だと思われるが、それにしても堅牢性には欠けているように感じる。AmazonのKindleページには、浜辺でKindleを持っている写真や子どもがベッドで読んでいる写真、スーツの内ポケットにそのままKindleを入れている写真などがあり、カジュアルな利用シーンを想像させているが、このようなラフな使い方はお勧めできないようだ。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年11月29日 at 1:46 AM

Kindle 2とKindle DXのキー配列についての考察 – 数字キーとページめくりの操作性

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Kindle 2とKindle DXの違いは、もちろん画面の大きさにあるのだが、キー配列の違い、特に数字キーの配列によってページめくりの操作性に違いがある。

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<Fig.1 : Kindle DXのキーボード>

これがKindle DXのキーボードである。Kindle DXはレギュラーサイズのKindleより大きいが、キーボードはコンパクトにまとめられている。キーそのものも横長の小さな形になっているが、これがなんとも押しにくい。日本人の細い指でも押しにくいのだから、欧米人の手ではもっと押しにくいのではないかと思う。

だがページめくりの操作性に関しては、キーが小さいことが問題ではない。

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<Fig.2 : Kindle DXの数字キー>

Kindle DXの数字キーは独立ではない。ところでKindleのキーボードは何のためにあるかというと、ひとつは電子書籍中のテキスト検索をするためにある。キーワードをアルファベットキーで入力して検索するのだ。もうひとつはページをめくるのに使う。このとき数字キーを押すことになる。

日本語の本を読むなら英語でテキスト検索をするケースは少ない。またPDFを読んでいるなら、テキスト情報が入っていなければそもそも検索することができない。そこで日本人がKindleで本を読むとき、キーボードを使うシーンとはほとんどがページめくりに使うことになる。

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<Fig.3 : Kindle DXでページ番号を入力する>

スレートPCやタブレットPC、あるいは他の電子ブック端末では、画面のタッチアクションによってページめくりをするものが多いだろう。右から左に、あるいは左から右に指を画面でこするのだ。Kindleも最新型のKindle TouchやKindle Fireならタッチアクションに対応しているはずだが、Kindle 2やKindle DXはタッチパネルではないので数字キーの入力でページをめくることになる。しかしタッチアクションに対応したものであっても、数ページめくるくらいならタッチアクションでいいだろうが、100ページ、200ページと多くのページをめくるには、やはり数字入力になるだろう。その意味でどんなデバイスであっても数字入力の操作性は大切だと思われる。

Kindle DXの数字キーは独立していない。したがって数字を入力するにはいちいち「ALT」キーを押さなければならない。たとえば125ページを表示させたいなら、

ALT
Q1
ALT
W2
ALT
T5

の6つのキーを押さなければならない。これが実に面倒だ。特にそもそもKindle DXで読書をする場面として、通勤電車の中で吊革につかまって片手でKindle DXを持っている、というシーンが多いので、このキーボード操作はとても不満である。やりにくい。

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<Fig.4 : Kindle 2のキーボード>

一方Kindle 2は筐体はKindle DXに比べてずいぶん小さいが、キーボードには十分な広さを与えられている。キーは小さいが円形で中央が少し盛り上がっており、なかなか押しやすい。

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<Fig.5 : Kindle 2の独立した数字キー>

そしてKindle 2のキーボードは数字キーが独立している。したがってページ125を入力するには、

1
2
5

と数字キーを押すだけでいい。

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<Fig.6 : Kindle 2でページめくりをする>

実際にKindle 2で125ページに移動したいときには、メニューを開くところからこういうキー操作になる。

MENU
Go to…で5-way controllerを押す
1
2
5
5-way controllerを下に傾ける
pageで5-way controllerを押す

つまり7プッシュで目的の125ページに切り替えることができる。これに比べKindle DXでは

MENU
5-way controllerを下に傾ける
Go to…で5-way controllerを押す
ALT
Q1
ALT
W2
ALT
T5
5-way controllerを右に傾ける
5-way controllerを押す

と11プッシュの操作が必要だ。

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<Fig.7 : Kindle 2でページ切り替えをするpageボタン>

電子ブックが普通の本と違うところは、ぱらぱらとページをめくる操作性がないところにある。これを補うのが数字入力によるページめくり機能であるから、ぜひ少しでもよい操作性にしてほしい。現行のKindleはキーボードのないものが主流になりつつあるので、Kindle 3やKindle 4のページめくり機能がどうなっているか、とても興味があるところだ。

ScanSnap ManagerのPDFテキスト認識機能で検索可能なPDFにし、テキストデータを生成する

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Kindleは初期バージョンと第二世代のいわゆるKindle 2は英語以外のフォントが入っていないので、日本語のテキストファイルを読むことはできない。またファイル名も日本語では読めず、ファイルの一覧表示では日本語の文字は全て四角形、いわゆる「豆腐で表示される」というものになる。第三世代のKindle 3からは日本語を含め他国後フォントが入っているので日本語テキスト文書が読めファイル一覧も日本語で表示されるはずだが、俺はまだ実際に確認していない。Kindleも廉価版のKindle 4、従来のようなキーボード付きのKindle Kyeboard、カラー多機能型のKindle Fireとラインナップが充実しているので、日本語フォントの実際を試したいこともあり、新しいものが欲しくなる。

ところでKindleは日本語フォントの入っていない初期型、Kindle 2、そしてKindle DXでも、PDFファイルにすれば日本語の本も読むことができる。PDFはいわば文字が画像のように扱われているので、表示する機器の言語対応がどうであれ、ちゃんと表示することができるのだ。ある意味で書籍を電子化して読むためには、本をそのまま見ているかんじになるので、現時点ではPDFが最もよいと言えるのかもしれない。そして今後はXPSの普及に期待するのはもちろんだ。

しかし文庫本をPDF化したとき、ページ全体のサイズがKindle 2では少し面積が小さすぎる。したがって文庫本をPDF化してKindle 2で見ると、本来の文庫本の文字よりもさらに若干小さくなってしまうのだ。最近の文庫本は昔に比べてフォントを少し大きめにとっており、ある程度の解像度できちんとスキャンすれば、多少フォントが縮小されても読むのに支障があるほどではない。ちなみに俺はScanSnapで文庫本をスキャンするとき、300dpiの白黒二階調でPDF化している。いまのところこれがベストプラクティスだ。

しかし少し暗いところで本を読みたいときなど、Kindle 2では文字の大きさに不満がある。そこで最近はもっぱら大判のKindle DXを使うことが多い。Kindle 2のディスプレイサイズが6インチで600×800ピクセルであるのに対して、Kindle DXのディスプレイは9.7インチで824×1200ピクセルである。文庫本のPDFを9.7インチに表示すると、実に読みやすい。

しかしKindle DXにも不満はある。重いのだ。重い、といってもKindle DXは545gしかないのだが、Kindle 2は290gであり、やはりこの差は大きい。290gのKindle 2は片手で長く持っていても疲れを感じることがないが、Kindle DXを片手でずっと持っているとやぱり腕が疲れてくる。

そこで、やはり、文庫本をスキャンした後、文字を日本語テキスト化し、日本語フォントの入ったKindleで読むことを試したくなった。テキストにして機器が持っているフォントで表示させるようにすれば、文字の大きさを変えて読むことができるはずだからだ。

イメージスキャナで画像として取り込まれたものをテキスト化するには、いわゆるOCRという機能を持ったソフトウエアが必要である。OCRのソフトウエアはもうここ10年近く使ったことがないのだが、ScanSnapのイメージ取り込みソフト、ScanSnap Managerの設定を見ると「テキスト認識」という機能がある。これはドキュメントをスキャンしてPDFに保存するときに、文字をテキスト認識してPDFに埋め込み、いわゆる「透明テキスト付き」のPDFを生成できるようになるものだ。これを試してみた。

Scan_Snap_Setup_001

<Fig.1 : ScanSnap Managerのファイル形式オプション>

ScanSnap Managerのテキスト認識機能は「ファイル形式」オプションで設定する。「ファイル形式」タブを開き「テキスト認識の選択」で「検索可能なPDFにします」をチェックするよいのだが、このとき「テキスト認識には、非常に時間がかかる場合があります。」といったメッセージが表示される。OCR文字認識には時間がかかるのだ。

Scan_Snap_Setup_001_2

<Fig.2 : ScanSnap Managerで「検索可能なPDFにします」オプションをチェックする>

テキスト認識オプションで「検索可能なPDFにします」をチェックすると、対象言語の選択と対象ページが先頭ページのみなのか全ページなのかを選択できる。

Scan_Snap_Setup_004

<Fig.3 : ScanSnap Managerで検索可能なPDFにしますオプションをチェックした>

対象言語は「日本語」、対象ページは「全ページ」でスキャンする。文庫本を裁断し、150ページ分つまり75枚をScanSnapの給紙トレイに装填しスキャンをはじめる。

まずページ全部が読み込まれてスキャンし、画像として取り込まれる。このスキャンには2分6秒かかった。ちなみに「検索可能なPDFにします」オプションをチェックしないでスキャンすると2分5秒であり、画像スキャンにかかる時間はほぼ同じだ。

スキャンが終われば引き続いてテキスト認識が行われる。

Scan_Snap_Setup_005

<Fig.4 : ScanSnap Managerでテキスト認識を実行している(その1)>

Scan_Snap_Setup_007

<Fig.5 : ScanSnap Managerでテキスト認識を実行している(その2)>

Scan_Snap_Setup_008

<Fig.6 : ScanSnap Managerでテキスト認識を実行している(その3)>

このテキスト認識プロセスは結構時間がかかる。150ページの認識にかかった時間は6分8秒だった。単純にPDF化するだけなら2分5秒でよかったので、ほぼ3倍の時間がかかったことになる。

同じ本を「検索可能なPDFにします」オプションをチェックしないでスキャンとチェックしてスキャンの両方をやってみた。「検索可能なPDFにします」オプションをチェックするとOCR認識されたテキストがPDFに埋め込まれるので、ファイルサイズは少し大きくなる。

Scan_Snap_Setup_009_mid_640_480

<Fig.7 : ScanSnap Managerで「検索可能なPDFにします」オプションをチェックする、しないでPDF化したファイル>

一冊の本を150ページずつスキャンした結果、ファイルサイズは次のようになった。

1ページから150ページ
テキスト認識なし 6,728KB
テキスト認識あり 6,903KB
151ページから300ページ
テキスト認識なし 6,587KB
テキスト認識あり 6,757KB
301ページから450ページ
テキスト認識なし 6,517KB
テキスト認識あり 6,687KB
451ページから最後のページ
テキスト認識なし 3,845KB
テキスト認識あり 3,949KB

さてこのテキスト認識はどの程度のものだろうか。テキストファイルにして保存し、もとの本と比べてみる。すると明らかにおかしい部分がすぐにみつかる。たとえばつぎのようなところだ。

アンドリュー・クラヴァン「秘密の友人」のPDF_005

<Fig.8 : ScanSnap Managerでテキスト認識をしてテキスト形式で保存した>

メモ帳でフォントを22ポイントにし、読みやすくして表示する。「ぷたじやき」とはなんだろう。意味がとおらないのでPDF化したもとの文庫本をチェックする。すると次のようなものだった。

アンドリュー・クラヴァン「秘密の友人」のPDF_001_mid_640_480

<Fig.9 : もとの文庫本のPDF画面(1)>

アンドリュー・クラヴァン「秘密の友人」のPDF_004_mid_640_480

<Fig.10 : もとの文庫本のPDF画面(2)>

テキスト認識された「ぷたじやき」というのは「蓋(ぶた)」と「邪気(じゃき)」のふりがなが認識されたものだった。つまりScanSnap Managerのテキスト認識機能では、本文にふりがながあったとき、それをそのまま文として認識してしまうのだ。

つまり書籍のスキャンにおけるテキスト認識のOCRについては、単に印刷された活字を正確にテキストに変換するというだけでなく、レイアウトも分析して本文だけをテキストにするという処理が必要なのである。

書籍を画像としてPDF化することは簡単だ。しかしテキスト認識のOCR処理は奥が深いことがわかるだろう。ここではScanSnap Managerの付加機能を使ってテキスト認識してみたが、OCR専用のソフトウエアも試してみたくなった。よい方法がみつかったら、またここにレポートする。