ホチキス先生の「プログラマーと呼ばれたい」

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Archive for the ‘ICT’ Category

ほっともっとで弁当を注文しながら「ソフトウエア職人気質」の一節を思い出す

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ピート・マクブリーン Pete McBreen 著、村上雅章訳でピアソン・エデュケーションから Professional Computing Series の別巻7として出版された「ソフトウエア職人気質 Software Craftsmanship – The New Imperative」は2002年3月の出版であり、もはや16年前の書籍になるが、いま読んでも示唆に富む本だ。このことは逆に日本のソフトウエア産業が足踏みしたままであることも示している。情報教育、プログラミング教育に携わりながら教務システムの内製を経験した私は、常にプログラミングと価値の創造について考えているが、今日たまたま近所のほっともっとで昼食の弁当を買いに行ったとき、レジでの注文のあとぼんやりと弁当が出来上がるのを待ちながらこの本の一節を思いだした。

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いま年の瀬も押し迫った12月末だが、たとえば客に「年末年始の営業日はいつもと同じか」と聞かれたとしよう。「少々お待ちください」と言いスケジュール表を見るようでは優れたレジ係とは言えない。この時期だから、もしかしたら客からこのような質問があるかもしれないと思い、あらかじめ店舗スケジュールを頭に入れておくはずだ。そうすれば即座に返答ができるだろう。レジ係は客の注文を受け、代金をもらい、厨房に注文を出し、できた弁当を客に渡すという仕事だが、このルーチンだけできればいいというものではない。

「ソフトウエア職人気質」には「顧客の利益はソフトウエア職人の利益と一致する」の節があり、こう書かれている。「顧客は、優れたソフトウエアを望んでいます。そしてソフトウエア職人は、誇りに思え、自分の評判を支える優れたソフトウエアを作り出したいと考えています。こういった相互利益の一致によって、顧客とソフトウエア職人のより良い関係を築き上げることができるわけです。」

優れたレジ係の利益は客の利益と一致する。ソフトウエア開発者があらかじめ調整された仕様書だけを頼りにして開発する時代が終わったように、レジ係もマニュアル通りの注文、集金業務だけしていればよい時代も終わったのだろう、などとぼんやり思う年の瀬である。

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Micro:bit の電源に使えるんじゃないか – スイッチ付きの CR2032 ボタン電池バッテリーホルダー

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Micro:bit 関連の拡張デバイスがいろいろと発売されており、単体での実習だけでなく様々な応用が簡単にできるようになり、Micro:bit をさらに楽しめるようになった。ただそれらの拡張デバイスは、一つ一つはそれほど高いものではないが、実習に使うとなれば 20個、40個と数をそろえなければならず、結果として合計金額は決して安くはない。

Micro:bit は USB で給電することができるので、スマートフォン用のモバイルバッテリーを使うことができる。また筆者は高校の授業で Micro:bit や Arduino を使うとき、百均で買った乾電池の USB モバイル給電アダプターを使っている。

もし Micro:bit をウエアラブルに使うことを考えると、たとえばバッチのように胸に着けて LED を光らせるようなことを考えたとき、ボタン電池を使うとうまくいくだろう。そこで目を付けたのがこれだ。

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これは CR2032 ボタン電池を 2個装填し、6V出力するバッテリーホルダーだ。このホルダーのいいところは、スイッチもついているところだ。もし工作で Micro:bit 給電ユニットを作ろうと思うと、乾電池ホルダーとスイッチは必須であるので、このホルダーを使うと手軽に作ることができそうだ。

あとは基板と Micro:bit の接続をどう工夫するか、基板の大きさ、部品の配置、ネジ穴の位置、ボルトとナットの選択、などを考える。

2018年9月4日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在15回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

Written by Yoshio Matsumoto

2018年9月4日 at 3:37 PM

Micro:bit の学習用拡張実験モジュールを作る – CR2024 ボタン電池による給電と外部 LED のコントロールボード

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Micro:bit は本体に LED 表示機能を有し、加速度センサや磁気センサ、CPU の温度測定機能を利用した温度センサ機能、LED を照度センサとして利用できるなど、他のマイコンボードとは違い単体で様々な実験ができるところが特徴だ。さらに Micro:bit によるプログラミング実習を、外部 LED のコントロールやウエアラブルに使うことを考え、拡張ボードを作っている。

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市販のフレキシブル基板を使い、Micro:bit にあわせて穴を開ける。CR2032 ボタン電池ホルダーと接続ケーブル、赤、緑、青の LED を取り付ける。まだプロトタイプなので抵抗など必要な部品の全ては配置できていない。

Micro:bit 本体とは距離をあけて取り付けなければならないので、プラスチックのスペーサーを使う。

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ここで問題点がひとつある。それは Micro:bit をボルトとナットで止めるときに、隣の I/O ピント接触してしいそうなところだ。

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なぜいま少し、1mm でも内側に穴を配置してくれていればこのような問題はおこらなかったのに、と設計者に恨みを言いたくもなるが、Micro:bit はこのような設計であり、ボルトには頭の下側が斜めになった「皿ネジ」を使うことが推奨されている。しかし皿ネジは見た目が悪く、安定感に欠けるのでできれば使いたくない。このあたりはどう解決するか試行錯誤している。

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給電コネクタ部分はこのようになる。あえてスイッチを設けず、コネクタを付け外すことでスイッチとするシンプルな構造とした。

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2018年4月18日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在15回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

情報システムは内製することにより果実を得ることができる – 価値を生み出すのは「人」である

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情報システムは外注せず内製してこそ意味がある。その根本的な理由は、価値は人が生み出すものだからだ、ということだ。多くの組織はこのことを忘れ、人が生み出す価値を得ることなく金で解決しようとする。

先日こんな話を聞いた。知人が務める企業の顧客向けシステム、それは Web ベースのシステムで外注によって作られたものだが、元号が変わることで対応が必要となり、おおむね1億円の費用が必要だと言われているらしい。もしあなたが経営者だとして、この経費についてどのように考えるだろうか。払うのはあなただ。この経費が妥当なものか判断しなければならない。相手は誠実に正しい見積もりを提示しているのか、それとも足元をみてふっかけているのか。あるいはこの際、システムを別の業者に変えて作り直すことが良いのか。判断の材料は何だろう。自分に判断の材料がないならコンサルタントにアドバイスを求めるだろうか。俺ならこう思う。いまどき元号の変更に対応できないシステムは糞だ。よほどぼんくらなエンジニアでなければ、一瞬で新元号に対応できるように最初からシステムを作っているはずだ。ではなぜ1億円などという値をふっかけてきたのか。その業者は金を出せる顧客から取り、それを資金としてシステムの抜本的再構築を狙っているのだろう。そして他の顧客にはそこそこの値段で利用させる。システムを開発するには資金が必要だが、一度開発したシステムは売れば売るほどもうかる仕掛けになっている。ソフトウエアとはそういうものだ。

もうひとつの話がある。プログラマーを養成する学校の経営者とディスカッションしたときのことだ。日本では情報システムは外注することが多いが、欧米では外注がなくなりつつあり、およそ80%は内製によって運用されているらしい。そこで学校のプログラマーの養成カリキュラムも今後はシステムを売るSI屋向けではなく内製技術者として養成するものに変えていこうと考えている。なぜ情報システムが外注から内製に変わっているかというと、今の時代は情報システム自体が企業の根幹をなし価値を生むものであるから、外注することは価値を流出させてしまうという発想があるという。欧米では情報システムの80%が内製である、ということが事実かどうか俺に判断はできないが、情報システムは価値を生むものであるという視点は疑いようのない事実だ。

これらの話から得られる教訓は、プログラミングによって得られる果実を我が物にすることができるのは誰かということになる。改めていうまでもなく、優れた情報システムは大きな価値を生む。業務の流れを整理し、自動化し、間違いをなくし、定型業務を軽減して人のクリエイティブな時間を増やすことができる。さらに新しい発想で事業を行い、今までにないビジネスモデルを生み出すこともできる。そして情報システムを作るのはコンピュータではなくプログラマーだということだ。価値を生み出すのは人である。

システムを外注するということは、価値を生み出すプログラマーが外注先のシステム会社にいる。したがってプログラマーが生み出す果実を得るのはシステム会社だ。しかしシステムを内製すれば、プログラマーは社内にいることになり、果実を得るのは自社である。要するに、価値を生み出す人間を擁することが会社の発展につながるという極めて単純な構造である。ただ難しいのは、いまは多くの経営者にとってプログラミングとは何かがわからないために、プログラミングは特殊な能力を持つ天才にしかできないことだと思われたり、優れたプログラマーを雇うことの意味がわからないことだ。だからこそ、明日を担うすべての子供たちに質の高いプログラミング教育をしなければならない。日本の社会を担うあらゆる階層のリーダーがプログラミングについての知識を持たなければ、ハイエナのような反日外資に価値をさらわれ続ける暗黒の未来が待っている。

2017年12月27日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞。

Minecraft Education 版の新機能(3) – ミュートボタン

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教育版マインクラフトの機能拡張がすすんでいる。新しいバージョンではミュートボタンが搭載された。このミュート機能は、コマンドを使ったときのレスポンス表示をミュートする機能だ。サウンドのミュートではない。マインクラフトではコマンド入力によって世界を操作すると、画面に実行した操作のレスポンスが表示される。たとえば /weather thunder コマンドで天候を雷雨に変更すると、画面にレスポンスが表示される。

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コマンド入力モードでは実行したコマンドの結果が履歴で表示されている。

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コマンド入力モードで右上にある「ミュート」スライダを右にして「オン」にすると、コマンド実行の結果を画面に表示しなくなる。雷雨になったマインクラフトの世界を /weather clear コマンドで晴れにしてみよう。

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コマンドを実行して天気が晴れになろうとしている。しかし実行結果は画面に表示されていない。

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コマンド入力を多用したとき、画面が実行レスポンスの履歴で邪魔になることがある。「ミュート」機能をオンにすると、レスポンスが表示されないので操作の邪魔にならずにすむだろう。

Minecraft Education 版の新機能(2) – コマンド入力ボタン

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マインクラフトにはコマンド入力モードがあり、教育版でなくてもコマンドを使ってマインクラフトの世界をコントロールすることができる。プログラミングの基本はコマンド入力だといってもいいが、小学生にとってはキーボードからのコマンド入力は敷居が高い。そこで基本的ないくつかのコマンドをマウスでクリックして実行できるボタンが搭載された。

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画面の下にあるコマンド入力テキストボックスの左にスラッシュ「/」のボタンがある。このボタンをクリックすると「世界のスポー地点を設定する」、「テレポート」、「時間」、「天候」のメニューが表示され、これら基本的なコマンドをマウスクリックだけで実行できる。

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たとえば「天候」のボタンをクリックすると、コマンドラインに「/weather」のコマンドが自動的に書かれ、次のメニュー「晴れ」、「雨」、「雷雨」を選ぶことができる。

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限られたコマンドだが、このボタンを使うことによってコマンドの使い方や記述方法を学ぶことができる。子供たちにはボタンがあることさえ伝えておけば、あとは自分でやってみて身に着けることができるだろう。まさに、体験的学習を明確に意識した実装だ。

Minecraft Education 版の新機能(1) – 座標を画面に表示する

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マインクラフトは小学生を中心に大人気のゲームアプリだが、共同学習とプログラミング学習の機能を加えた学校教育向けのエデュケーション版「Minecraft Education」がある。このエデュケーション版は実際に授業で活用した教員のフィードバックにより改良がすすんでおり、ますます使いやすくなっている。その一つが画面に座標を表示する機能だ。

ゲームとして遊ぶには座標を特別意識する必要はない。しかしプログラミングをしてエージェントを動かし、ブロックを配置するなどの場合には座標の概念が欠かせない。マインクラフトの世界で自分がどこにいて、どこに何をしたいのかを座標で与えなければならないからだ。

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Minecraft Education を起動したら「遊ぶ」のボタンをクリックして「世界」のタブで新しい世界を作ろう。新しい世界を作りときに「ゲーム設定」をするが、ここにある「チート」と「常に昼間」などのスライドボタンに加えて、新しいボタン「座標を表示」と「教室の設定を表示」のボタンがある。

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このスライドスイッチは「チートの実行」と「常に昼間」を右にスライドしてオンにしておくことがプログラミングなどの実習時には望ましい。さらにここで新しくできた「座標を表示」のスライドを右にしてオンにしてみよう。

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「座標を表示」にしたプレイ画面がこれだ。画面の左上に自分の座標が表示されていることがわかるだろう。これで自分の位置を確かめながらマインクラフトの世界を歩くことができる。プログラミング時に座標を使う場合もこれでわかりやすい。座標がわからなければ、コードによってブロックを配置しても、いったいどこに出現したか探し回らなければならないこともあったが、これでわかりやすくなった。