ホチキス先生の「プログラマーと呼ばれたい」

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なぜテレビ番組は47%が半分以上に見える円グラフを作ったのか -自分で作ったらこうなった – Microsoft Excel で作る円グラフの秘密

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あるテレビ番組で、世論調査の内閣支持率を円グラフで表したときに、「支持しない」の47%が半分以上になっている円グラフを報道して話題になっている。なぜこのようなことになったのだろうか。

この件は、たとえば次のページで詳細を見ることができる。
@niftyニュース「民放各局の初歩的な放送ミスが相次ぐ 『ひるおび!』の円グラフには呆れの声も」
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12283-668589/

話題になっているテレビ番組の画面キャプチャはネットのあちこちで見ることができるが、これを見ると確かに「支持する」の33%もやや広いように見え、「支持しない」の47%は明らかに円の半分以上を占めていて間違いは明らかだ。100%から33%と47%をひくと残りは20%だが、この面積もかなり狭い。

試しに作ってみたのが次のグラフだ。このグラフはだいたい話題のテレビ番組の円グラフに近い形だが、これは次のデータをもとに作ったものだ。

支持する 47
支持しない 33
(その他) 1

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_001

ここで想像できるのは、この円グラフを作った人は20%を1%と間違え、合計が100%にならないグラフを作ってしまったということだ。

実際に、この世論調査を実施した新聞社のサイトを見ると、「支持する」と「支持しない」以外は20%あったと書いてある。では正しいデータでグラフを作ってみよう。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_02

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_002

これが正しいグラフだ。しかし、このグラフを見てどうだろう。確かに「支持しない」を示す赤い部分は円の半分以下ではあるが、一見すると先のグラフより赤い部分が大きく見えないだろうか。

これは円グラフを作るときのテクニックによるものだ。それは「見せたいものを強調する」という手法であり、これを裏返すと情報を受け取る側には「グラフに惑わされないようにする」知恵が必要だということになる。

次のグラフはどうだ。数字は全く同じだが並び順を変えている。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_003

このグラフだと「支持する」を示す青い部分と「支持しない」を示す赤い部分の差をあまり感じないのではないだろうか。なぜかと言えば「3Dグラフ」だからである。厚みがあるのでデータが手前にくると視覚的に広い面積に受け取ってしまう。

試しにもっと極端に角度をつけてみよう。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_004

さすがにここまで極端だと「おかしい」と気づくだろうが、本質は同じだ。手前に来るエリアが厚みのために大きく見える。

もうひとつは色が人の心に与える印象の強さだ。色に関する研究で「膨張色」と「収縮色」と呼ばれるものだ。一般に白地を背景にするとき、黄色や赤色は膨張色、青色は収縮色と呼ばれ、膨張色は実際よりも広く、収縮色は実際よりも狭く感じることがわかっている。

では色を変えてみよう。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_005

人によって感じ方は違うと思われるが、一見すると赤い部分と青い部分は同じくらいの面積か、もしかしたら赤の方が広いと感じるのではないだろうか。ここでは「支持する」が赤色で33%、「支持しない」が青色で47%だ。

次に「支持する」と「支持しない」以外のデータは何かを考える。これはテレビ番組で映し出されたグラフでは何を示しているかわからないが、世論調査を行った新聞社には書かれている。それは「その他・答えない」だ。

「その他」とはどんな回答だろう。おそらく「どちらでもない」や「わからない」といったものではないか。「答えない」はどうだろう。なぜ答えないのか。それは答えたくないからだ。ではなせ答えたくないのか。その世論調査そのものに疑問を感じているからか、調査を実施する新聞社を信用していないことが考えられる。

グラフのデータの並びを変えてみよう。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_006

「支持する」と「支持しない」という両極端の回答に対して「その他・答えない」を示すとしれば、このように間に挟んで示すべきだろう。

そしてこの「その他・答えない」と答えた人の考え方を類推する。「わからない」と考えている人は、ある意味で誠実な人だ。政治は難しいことがわかっている。内閣がやることを自分のような専門家でない人間が評価するのは難しいと。「どちらでもない」と考えている人は、知性のある人だ。どんなものにも多面性があることがわかっている。内閣のとる政策は山ほどあり、うまくいっているものもあればそうでないものもあるだろう。いずれにせよ、明確に「支持しない」とは考えていないことに間違いない。

「答えない」はどうだろう。これは多くの人にこの世論調査や調査を実施する新聞社がどう認知されているかによるだろう。新聞社は事実を公平に伝えるものだという前提があるが、そもそも情報というものは、それが「情報」として作られるときに例外なく発信者の意図が反映される。客観的な数字でさえそうだ。その数字を情報として示すことに発信者の意図があるからだ。よく株価についてのニュースで「今年最大の株価」と言ったり「今年最大の上げ幅」と言ったりする。また「今月の最高値は今年最大だった」と言うこともあれば「今年は過去20年来の最高値を更新した」と言うこともある。「終値は今年最高の株価」と言うこともあれば「初値は今年最高の株価だった」と言うこともある。客観的な数値などいくらでもあるのだ。もしある日が「今年最大の株価」を更新したとしても、その日のうちの変動が激しく「今年最大の下げ幅」があった日かもしれない。このとき、どちらの数字を情報として示すかは、どのような意図で報道するかによる。

新聞社にも「社風」や会社としての「報道理念」があり、それに基づいて情報を発信する。ではそれが多くの人にどう認知されているかだが、もしこの新聞社が、内閣に対して批判的であると思われていれば「答えない」人は内閣を支持している人だろう。逆に内閣に対して受容的と思われているなら「答えない」人は内閣を支持していない人だろう。

グラフはそのように考えて理解しなければならない。

最後に、この世論調査の実施全体を考えてみよう。調査を行った新聞社によれば、次のような調査だったことがわかる。

調査対象数 2,010 (固定電話978、携帯電話1032)
有効回答数 1,185

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_03

調査対象が2,010で有効回答数が1,185だとすれば、パーセントをかけると実数を類推できる。

支持する 391 (1,185×0.33=391.05)
支持しない 557 (1,185×0.47=556.95)
その他・答えない 237 (1,185×0.20=237)
回答しない 825

つまり調査全体をグラフにすると次のようになるはずだ。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_007

ここでも回答しなかった人の考えを類推しなければならない。なぜ回答しなかったのか。かけた固定電話の家族に「有権者がいる」または携帯電話の本人が「有権者である」ことはわかっている。なぜ回答しなかったのか。「忙しかった」ことはあるかもしれない。「面倒だ」と思ったかもしれない。それと同時に、前述の「その他・答えない」と同じように、その世論調査そのものに疑問を感じているからか、実施する新聞社を信用していないことも考えられる。

色を変えると、また違った印象に見える。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_008

次のグラフはやりすぎだ。

朝日新聞_円グラフの間違い_20200522_009

さて最後に、これは検証することは不可能だが、電話をかけたとき、固定電話の973世帯は「有権者がいると判明した」とあるので、実際に電話をかけてから「有権者はいますか」と聞いたと想像される。携帯電話も同じで「有権者につながった」とあるので電話をかけて「有権者ですか」と聞いたはずだ。つまり、電話をかけて相手が出ても「有権者がいない」と答えたり、「世論調査です」と話して新聞社の名前を告げた時点で電話を切られたことがあると思われる。

「有権者はいない」と答えた人の考えを類推しよう。まず本当に有権者がいなかった場合がある。携帯電話なら本人が未成年である場合もあるだろう。単に面倒なので「いない」と答えたかもしれない。そして世論調査に懐疑的であったり新聞社の報道姿勢に疑問があったりして「いない」と答えたかもしれない。何も言わずに電話を切った場合も同じだ。

ここで問題なのは、それら「有権者はいない」と答えたり何も言わずに電話を切った人数が公開されていないことだ。つまり、統計で最も重要な「調査対象総数」とそこなら導き出される「回収率」が不明なことだ。

このように、もともとの調査対象数が公開されなければ、本当の意味で信頼できる世論調査かどうかを判断することはできないと考える。

2020年5月22日
松本 吉生(まつもとよしお)
京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、1998年度から2000年度にかけて兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2013年度に「兵庫県優秀教職員表彰」を受賞。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在16回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。2020年1月14日に「令和元年度文部科学大臣優秀教職員表彰」を受賞。

 

Written by Yoshio Matsumoto

2020年5月22日 at 5:10 午後

高等学校教科「情報」教員はパソコンデスクの天板を修理するか。

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コンピュータ教室に設置されたパソコンデスクの足カバーが壊れているので自分で修理したのだが、天板も剥がれかけているところがあることに気づいた。ついでにこれも直してしまおう。

ここで修理に使う接着剤も、ダイソーで買ったエポキシ2液混合タイプのものだ。エポキシ接着剤は一般に効果速度が遅いが、これは速乾性で10分も経てば水あめ程度に固まってくる。

P1330764_mid_640_480

足カバーを修理するときと違い、ここでは一定の面積に接着剤を塗るので、へらを使う。

P1330826_mid_640_480

完全に接着剤が硬化するまで養生テープで押さえておく。

このように高等学校教科「情報」の教員はパソコンデスクを修理もするのだ。

高等学校教科「情報」教員はパソコンデスクの足カバーを修理するか。

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コンピュータ教室にコンピュータデスクが並んでおり、足にプラスチックのカバーがついている。このカバーは、スチールの足を保護するためのものだが、おそらくキャスター付きのイスの足があたってのことだろうが、あちこち割れていることに気が付いた。

P1330781_mid_640_480

近寄るとこんなかんじで、かなり凶暴に割れている。

P1330777_trimming_640_480

これでは生徒が足をぶつけて怪我をするかもしれない。とはいえ、このカバーを外すとスチールがむき出しになるので外すわけにもいかない。外しても危険である。このエッジが切り立ったスチールから保護するためにカバーが付いているのだから。

P1330795_trimming_640_480

いくつかは応急処置的に養生テープを巻いてみた。しばらくは止まってくれるが、そのうち剝がれてくる。

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このカバーは簡単に取り外しできるように作られているため、同じものを注文して取り替えられそうだ。学校設備に関することは事務室の管轄なので、事務室に相談した。このような場合、学校によるのだが、必ずしも理解が得られるとは限らない。今回のケースでは、まず「型番を教えてください」と言われた。しかしパソコンデスクにメーカー名も型番も書いていないので私にはわからない。むしろ事務室が知っているはずなのだが、と思いながら「生徒が怪我をするかもしれないので探して買ってほしい」と言ったが「型番がわからないと注文できません」で終わった。

P1330785_mid_640_480

そこで自分で修理することにした。修理に使ったのはエポキシ2液混合タイプの接着剤だ。これはエポキシ接着剤のなかでも硬化速度が比較的早いものだ。「約10分で硬化」と書かれているが、実際、2液を混ぜて10分も経つと水あめ程度に固まってしまう。この接着剤はダイソーで買ったものだ。

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紙の上に2液を等量押し出し、つまようじで混ぜる。割れているところに塗り、養生テープで押さえる。完全に硬化するには時間がかかるので押さえておくのだ。養生テープにはエポキシ接着剤は張り付かないので、硬化した後でパリッと剥がすことができる。

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強度をかせぐために割れたところを内側からかぶせるように厚めに接着剤を盛っておく。

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硬化するまで時間がかかるが、そのあいだカバーを外したままにもできないので、待つ間にも机の足に取り付けておく。

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高等学校の教科「情報」教員は、このようにパソコンデスクの修理もしなければならないのだ。

プログラミング教育の体系化(1) – 「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」を読み解く – プログラミング教育に対する誤解を払拭するために

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平成28年4月19日、文部科学省の初等中等教育局教育課程課教育課程企画室は、「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」を開催することとした。その趣旨は「世界に誇る日本の小学校教育の強みを生かしつつ、次世代に必要な資質・能力を、学校と地域・社会の連携・協働の中で育むことができるよう、小学校段階で育成すべき資質・能力と効果的なプログラミング教育の在り方や、効果的なプログラミング教育を実現するために必要な条件整備等について検討を行うため」としている。

小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議について(文部科学省)>
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/houkoku/1370400.htm

この有識者会議は平成28年6月16日に「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」を発表した。これを受ける形で、文部科学省は平成29年3月に新しい小学校学習指導要領(平成29年告示)を発表した。この学習指導要領では新しくプログラミング教育が位置づけられることなり、平成30年度と31年度は移行期間であり、平成32年度すなわち令和2年度、2020年度から完全実施となる。

小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)(文部科学省)>
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/1372525.htm

小学校学習指導要領(平成29年告示)(文部科学省)>

クリックして1413522_001.pdfにアクセス

1.誤解をまねく表現

この「議論の取りまとめ」の冒頭には「有識者会議における議論の視野」と書かれた部分があり、どのような考え方で議論がすすめられ結論を出したかが簡潔にまとめられている。しかしここに誤解をまねく表現がある。それは2段目の文で、正確を期すために引用すると次のように書かれている。

「小学校段階におけるプログラミング教育については、学校と民間が連携した意欲的な取組が広がりつつある一方で、コーディング(プログラミング言語を用いた記述方法)を覚えることがプログラミング教育の目的であるとの誤解が広がりつつあるのではないかとの指摘もある。“小さいうちにコーディングを覚えさせないと子供が将来苦労するのではないか”といった保護者の心理からの過熱ぶりや、反対に“コーディングは時代によって変わるから、プログラミング教育に時間をかけることは全くの無駄ではないか”といった反応も、こうした誤解に基づくものではないかと考えられる。」(小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ) – 有識者会議における議論の視野)より

ここでは「コーディングを覚えることがプログラミング教育の目的ではない」のであり、保護者は子どもにコーディングを教えなければならないと心配する必要はないし、コーディングが時代によって変わっても今やろうとしているプログラミング教育は役に立つものである、と言っている。しかしコーディングを覚えなくもいい、と言っているのではなく、そもそもコーディングをしなくていいとも言っていない。コーディングは小学校でもしなければならないし教えなければならないはずだ。なぜならプログラミングをしなければ「プログラミング的思考」など身につくはずがないのだから。

しかしインターネットで「プログラミング教育」というキーワードで検索すると、いわゆる識者の意見として「プログラミング言語やコーディングを学ぶわけではない」といった誤解をしているものがみられる。プログラミング言語やコーディングそのものを否定的にとらえる考え方になってしまっているのだ。これは間違いである。

この原因の一端は、誤解をまねく上記の文にある。上記の文は、「コーディング」について「覚えること」がプログラミング教育の「目的ではない」と言っている。だから小学生にコーディングを覚えさせてテストで文法的に正しいコードが答えられることを求めることは間違いだし、コードを書けるようになることを目標にしてはいけない、と言っている。しかし授業ではコーディングを覚えさせなければならない。なぜならコーディングを覚えなければプログラムを書けないからだ。

2.授業ではコードを書かなければならない

前述の「有識者会議における議論の視野」には次の段にこう書いてある。「プログラミング教育とは、子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育むことであり、コーディングを覚えることが目的ではない。こうしたプログラミング教育についての考え方や、小学校段階における具体的な在り方等を、下記3.や4.において示している。」(小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ) – 有識者会議における議論の視野)より

ここも婉曲でわかりにくい書き方がされているのだが、「子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら」というところは、要するに「プログラミングをさせる」ということだ。「コンピュータに意図した処理を行うよう指示する」ことは現時点ではまさに「コーディング」のことであり「ができるということを体験」は実際にコードを書いてコンピュータで実行し動いたことを確かめることだ。つまり小学生にはコーディングをさせ、自分で考えたコードが正しく動くということを体験させなければならない。そのためにはコードの書き方がわからなければならないし、開発ツールの使い方を覚えなければならないし、作ったコードを動かす方法も知らなければならない。

もちろん特定のプログラミング言語の書法を暗記してすらすらコーディングできるようになる必要はないし、そもそもテキスト型のコーディングでなくブロック型のコーディングでもよいだろう。重要なことは、コンピュータにやらせたい処理を自分で考えてプログラミングをし、失敗体験もしながら正しく動くプログラムを作り上げる体験をさせることであり、それにはコーディングを覚えなければならないはずだ。

この「コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験」という文は随所にみられる。婉曲ではあるが、これは「プログラミングを体験させる」ということである。つまり、小学校の授業では子どもたちにコードを書かせなければならない。プログラミング体験をさせなければならない。

そもそも「プログラミング的思考」はコードを書かずに身につくはずがない。このことはプログラマーなら知っている。当たり前だ。

3.職業プログラマーの養成も期待されている

前述の「有識者会議における議論の視野」の「4.小学校教育におけるプログラミング教育の在り方 – (3)教育課程外や学校外の学習機会とのつながり」には次の記述がある。

「小学校におけるプログラミング教育で、プログラミングに触れたことをきっかけとして、個人的に更に深く学んでみたいと思ったり、プログラミングに携わる職業を目指して学びたいという夢を持ったりする子供たちが増えてくることも期待される。」「プログラミングに興味を抱いた子供が、多様な才能を伸ばしていくことができるよう、民間で実施されている多様なプログラミング教育の機会や、土曜学習等における学習機会を個別に活用できるよう、都市部だけではなく全国を視野に入れ、官民連携して体制を整えていくことが求められる。」(小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ) – 有識者会議における議論の視野)より

これについてもインターネットの識者の意見として「プログラマーの養成を目指したものではない」といった極論がみられるが、「プログラミングに携わる職業」に就くにはプログラミングを知っておかなければならないし、職業プログラマーが育つことを期待しているのだ。これは国家的目標でもある。

他国のリーダーがこぞってプログラミング教育に言及するのも、プログラマーが育たないということは国家的な危機だからだ。これは大げさではない。近年の米中貿易摩擦も広範な通信技術に対する主導権争いである。日常生活において家電製品の多くはプログラムで制御されている。プログラムが必要ないのは単純な電熱器や扇風機のようなものくらいだろう。プログラマーがいなければ家電製品すら製造することが不可能になる。ましてや通信インフラを自国で開発、制御できないとなれば、もはや国家が破綻する。

もちろん直接的に職業プログラマーにならなくとも、およそ社会の各層での意思決定者たる人材はプログラミングのことを知っていなければならない。コンピュータやプログラミングを知らなければ意思決定を誤ることになるだろう。

令和2年、2020年の4月まであと9ヶ月であり、小学校の先生は教材研究などの取り組みをすすめていることだろう。各地でプログラミング研修会が開かれており筆者も呼ばれることがある。小学校では Scratch、Micro:bit、Minecraft などを使った実践が定着してきているが、今後は教材の作りこみに工夫が必要だろう。筆者の考えとしては、人感センサのような体感的なもの、サーボモーターなど動くものの制御を体験させることを推奨したい。そして今後は、小学校で基本的なプログラミング体験をした子どもたちが中学校や高等学校で発展的な学習をどうするのかが課題となるだろう。それは、もう、目の前にやってきている。

<次の記事>
プログラミング教育の体系化(2) – 「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」には中学校や高等学校でのプログラミング教育についても言及されている – 目標は「全ての高校生がプログラミングを問題解決に活用することを学べるようにする」こと
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2019/08/05/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e4%bd%93%e7%b3%bb%e5%8c%96%ef%bc%88%ef%bc%92%ef%bc%89-%e3%80%8c%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e6%ae%b5/

2019年8月1日

松本 吉生(まつもとよしお)

Microsoft MVP Data Platform
京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在16回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

令和元年度兵庫県私学教育情報化研究会第一回研修会の内容と資料 – 神戸学院大学附属中学校・高等学校 – 20190723

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令和元年(2019年)7月23日に「令和元年度兵庫県私学教育情報化研究会第一回研修会」で、「情報教育におけるプログラミング教育の現状と課題~学校現場の視点から~」の題で講演をさせていただき、Micro:bitとArduinoを使ったプログラミング実習について実習研修を行った。

講演の内容をかいつまんで説明すると、学習指導要領の改訂により「プログラミング教育」が注目されているが、本来は2000年の教科「情報」の導入からプログラミング教育が必要であったはずだということ、産業のあらゆる分野でプログラマーが必要となり、社会のあらゆる場面で情報機器が使われる現代において、すべての人間がプログラミング力を身に着けておくべきであること、そして今回の学習指導要領の改訂では、小学校では実際にプログラミングをする「体験」を通じてプログラミング的思考を育成すること、中学校では「ネットワークを利用した動的コンテンツの作成」すなわち動的Webページの実習など高度な内容が想定されていること、などをお話しした。

「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成と プログラミング教育に関する有識者会議」の「議論のとりまとめ」には「コーディング(プログラミング言語を用いた記述方法)を覚えることがプログラミング教育の目的であるとの誤解が広がりつつある」や「時代を超えて普遍的に求められる力としての『プログラミング的思考』などを育むことであり、コーディングを覚えることが目的ではない。」といった記述があり、一部に「プログラミングはしなくてよい」といった誤解が生じているが、「子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら」のように婉曲的表現ながらプログラミングを実際にさせることが必要だと書かれている。ここを見落としてはならない。

小学校でブロック型のプログラミングを体験した子供たちに対して、中学校、高等学校でどのように体系的なプログラミング学習を行うかが焦眉の課題である。

<研修会の資料>

2019年7月29日

松本 吉生(まつもとよしお)

Microsoft MVP Data Platform
京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在16回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

 

数研出版の情報誌 i-Net に「プログラミング教育に関するアンケート調査の結果とプログラミング教育の課題」の寄稿をしました。高等学校の情報教育あるいは情報教員の現状と今後の課題をアンケート結果から考察しています。

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数研出版は「チャート式」で名のある数学教育で定評のある教科書会社だ。教科「情報」が始まって「情報」科の教科書も出版しており、会社の特徴を反映した科学的、論理的な視点を重視した教科書になっている。この数研出版は情報教育に関して「i-Net」という機関誌を出しており、機に応じて投稿させていただいている。

今回は「i-Net 第53号」に「プログラミング教育に関するアンケート調査の結果とプログラミング教育の課題(松本吉生)」を掲載していただいた。これは平成29年度、2017年度に兵庫県教育研究会情報部会の研究グループとしてプログラミング教育についての研究、主として情報科教員へのプログラミング教育に関するアンケートを実施し、まとめたものについての報告と筆者の私見を書いたものだ。

i-Net53号_Web_mid_640

数研出版「i-Net」
http://www.chart.co.jp/subject/joho/joho_inet.html

i-Net 第53号「プログラミング教育に関するアンケート調査の結果とプログラミング教育の課題(松本吉生)」
http://www.chart.co.jp/subject/joho/inet/inet53/inet53-1.pdf

この数研出版「i-Net」はPDFファイルで公開されているので、興味のある方はぜひご一読願いたい。文部科学省は学習指導要領の改訂で「プログラミング教育」に関する重点を打ちだし、小学校を中心にプログラミング教育の実践が行われている。数年後には新しい「プログラミング教育」を受けた子供たちが高等学校へ入学してくる。そのとき、高等学校教員はどのような情報教育、プログラミング教育をすべきかが問われている。

情報教育、プログラミング教育は国家的な課題でもある。もはやほとんどの産業においてプログラミング力、優秀なプログラマーが必要な時代になっている。とりわけ通信機器の分野では、私たちの生活に書くことができない社会インフラであるネットワーク機器について、プログラマーの育成、産業の充実が欠かせない。ネットワーク機器を自国で作ることができなければ国家の衰退につながるともいえる。

この歳になって歴史を学びなおして、つくづく思うことは、日本という国は奇跡的な発展を遂げた国であるということだ。それは地理的、歴史的、文化的、民族的な様々な側面からそうあるのだが、これからも我が国が発展し続けるためにも、情報教育、プログラミング教育の充実は欠かせない。日本はそのポテンシャルを持っているし、次の世代のためにも教育の充実が急務である。

2019年6月1日

松本 吉生(まつもとよしお)

Microsoft MVP Data Platform
京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在15回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

2019年5月18日(土) – 第2回神戸SQL Serverラボ – 神戸SQL Server User Group

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2019年4月から毎月定期開催で「神戸SQL Serverラボ」と題したSQL Serverの勉強会を始めました。場所は神戸三ノ宮駅から徒歩約5分の便利な場所にある、神戸青少年会館をお借りし、毎回テーマを決めて、初心者がSQL Serverデータベースの運用ができることを目指します。また経験者の方にも、それぞれお持ちのノウハウを交流できる場になれば幸いです。

<追記>
第2回からネットワーク環境で SQL Server を利用できるようにします。LAN ポートで有線接続できるか、WiFi 機能を持った PC をお持ちいただければ SQL Server をインストールしなくとも管理ツール SSMS だけ設定すれば実習ができます。用意する SQL Server のバージョンは SQL Server 2014 と SQL Server 2017 です。

場所:神戸青少年会館(神戸市勤労会館の5階6階です)
神戸市中央区雲井通5丁目1番2号 34.694927, 135.197403
kobeshiseishounenkaikan_map bingmapで表示
神戸市青少年会館のアクセスページ
日時:毎月第3土曜日 18:00~19:30

第2回 2019年5月18日(土)18:00~19:30
「テーブル作成、データ型、主キー、テーブル作成とSQL文」
データベースの作成とテーブル作成について実習します。実習の中でデータを一意に管理するテーブルの主キーについてや、Accessの「オートナンバー型」のようにデータに自動的に連番を与える方法、テーブル作成を SQL 文で行う方法などを体験的に身に着けます。
場所:神戸青少年会館 サークル4号室(神戸市勤労会館の6階です)

申し込み方法:電子メールまたはconnpassで
電子メール:kobesqlserverlabo@matsumotoyoshio.net
電子メールのタイトル:第2回20190518神戸SQL Serverラボに参加します
電子メールの本文:お名前、所属をお書きください。
connpassでの申し込み:https://connpass.com/event/130009/
運営費:500円

(定期開催の予定)

第1回 2019年4月27日(土)18:00~19:30(終了しました)
「SQL Serverのインストールと管理ツールManagement Studioの基本操作」

第2回 2019年5月18日(土)18:00~19:30
「テーブル作成、データ型、主キー、テーブル作成とSQL文」

第3回 2019年6月15日(土)18:00~19:30
「ビューによるデータ操作、射影、選択、結合」

第4回 2019年7月20日(土)18:00~19:30
「関数によるデータ処理、ユーザー定義関数の作成と利用」

第5回 2019年8月17日(土)18:00~19:30
「トリガによるデータ処理の自動化」

第6回 2019年9月21日(土)18:00~19:30
「ストアドプロシージャの作成と利用」

※第7回以降の予定は決定次第ここにご案内します。

2019年5月1日

松本 吉生(まつもとよしお)

Microsoft MVP Data Platform
京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在15回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

2019年度毎月定期開催 – 神戸SQL Serverラボ – 神戸SQL Server User Group

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2019年4月から毎月定期開催で「神戸SQL Serverラボ」と題したSQL Serverの勉強会を始めます。場所は神戸三ノ宮駅から徒歩約5分の便利な場所にある、神戸青少年会館をお借りし、毎回テーマを決めて、初心者がSQL Serverデータベースの運用ができることを目指します。また経験者の方にも、それぞれお持ちのノウハウを交流できる場になれば幸いです。

場所:神戸青少年会館(神戸市勤労会館の5階6階です)
神戸市中央区雲井通5丁目1番2号 34.694927, 135.197403
kobeshiseishounenkaikan_map bing mapで表示
神戸市青少年会館のアクセスページ
日時:毎月第3土曜日(4月のみ第4土曜日) 18:00~19:30

第一回 2019年4月27日(土)18:00~19:30
「SQL Serverのインストールと管理ツールManagement Studioの基本操作」
場所:神戸青少年会館 サークル4号室(神戸市勤労会館の6階です)

申し込み方法:電子メールまたはconnpassで
電子メール:kobesqlserverlabo@matsumotoyoshio.net
電子メールのタイトル:第一回20190427神戸SQL Serverラボに参加します
電子メールの本文:お名前、所属をお書きください。
connpassでの申し込み:https://connpass.com/event/128749/
運営費:500円

第二回 2019年5月18日(土)18:00~19:30
「テーブル作成、データ型、主キー、テーブル作成とSQL文」

第三回 2019年6月15日(土)18:00~19:30
「ビューによるデータ操作、射影、選択、結合」

第四回 2019年7月20日(土)18:00~19:30
関数によるデータ処理、ユーザー定義関数の作成と利用」

第五回 2019年8月17日(土)18:00~19:30
「トリガによるデータ処理の自動化」

第六回 2019年9月21日(土)18:00~19:30
「ストアドプロシージャの作成と利用」

※第七回以降の予定は決定次第ここにご案内します。

2019年4月20日

松本 吉生(まつもとよしお)

Microsoft MVP Data Platform
京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在15回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

ほっともっとで弁当を注文しながら「ソフトウエア職人気質」の一節を思い出す

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ピート・マクブリーン Pete McBreen 著、村上雅章訳でピアソン・エデュケーションから Professional Computing Series の別巻7として出版された「ソフトウエア職人気質 Software Craftsmanship – The New Imperative」は2002年3月の出版であり、もはや16年前の書籍になるが、いま読んでも示唆に富む本だ。このことは逆に日本のソフトウエア産業が足踏みしたままであることも示している。情報教育、プログラミング教育に携わりながら教務システムの内製を経験した私は、常にプログラミングと価値の創造について考えているが、今日たまたま近所のほっともっとで昼食の弁当を買いに行ったとき、レジでの注文のあとぼんやりと弁当が出来上がるのを待ちながらこの本の一節を思いだした。

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いま年の瀬も押し迫った12月末だが、たとえば客に「年末年始の営業日はいつもと同じか」と聞かれたとしよう。「少々お待ちください」と言いスケジュール表を見るようでは優れたレジ係とは言えない。この時期だから、もしかしたら客からこのような質問があるかもしれないと思い、あらかじめ店舗スケジュールを頭に入れておくはずだ。そうすれば即座に返答ができるだろう。レジ係は客の注文を受け、代金をもらい、厨房に注文を出し、できた弁当を客に渡すという仕事だが、このルーチンだけできればいいというものではない。

「ソフトウエア職人気質」には「顧客の利益はソフトウエア職人の利益と一致する」の節があり、こう書かれている。「顧客は、優れたソフトウエアを望んでいます。そしてソフトウエア職人は、誇りに思え、自分の評判を支える優れたソフトウエアを作り出したいと考えています。こういった相互利益の一致によって、顧客とソフトウエア職人のより良い関係を築き上げることができるわけです。」

優れたレジ係の利益は客の利益と一致する。ソフトウエア開発者があらかじめ調整された仕様書だけを頼りにして開発する時代が終わったように、レジ係もマニュアル通りの注文、集金業務だけしていればよい時代も終わったのだろう、などとぼんやり思う年の瀬である。

Micro:bit の電源に使えるんじゃないか – スイッチ付きの CR2032 ボタン電池バッテリーホルダー

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Micro:bit 関連の拡張デバイスがいろいろと発売されており、単体での実習だけでなく様々な応用が簡単にできるようになり、Micro:bit をさらに楽しめるようになった。ただそれらの拡張デバイスは、一つ一つはそれほど高いものではないが、実習に使うとなれば 20個、40個と数をそろえなければならず、結果として合計金額は決して安くはない。

Micro:bit は USB で給電することができるので、スマートフォン用のモバイルバッテリーを使うことができる。また筆者は高校の授業で Micro:bit や Arduino を使うとき、百均で買った乾電池の USB モバイル給電アダプターを使っている。

もし Micro:bit をウエアラブルに使うことを考えると、たとえばバッチのように胸に着けて LED を光らせるようなことを考えたとき、ボタン電池を使うとうまくいくだろう。そこで目を付けたのがこれだ。

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これは CR2032 ボタン電池を 2個装填し、6V出力するバッテリーホルダーだ。このホルダーのいいところは、スイッチもついているところだ。もし工作で Micro:bit 給電ユニットを作ろうと思うと、乾電池ホルダーとスイッチは必須であるので、このホルダーを使うと手軽に作ることができそうだ。

あとは基板と Micro:bit の接続をどう工夫するか、基板の大きさ、部品の配置、ネジ穴の位置、ボルトとナットの選択、などを考える。

2018年9月4日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。2015年から2017年まで兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行い、現在は兵庫県立神戸甲北高等学校に勤務する。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在15回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在4回目の連続受賞。

Written by Yoshio Matsumoto

2018年9月4日 at 3:37 午後