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郵便番号データを SQL Server で利用するには(2) – データ変換サービス DTS を使わず Access を利用してデータを SQL Server に取り込む

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SQL Server に Excel や Access、CSV形式などのテキストファイルを取り込むために、データ変換サービス、DTS がある。だがデータ変換サービスはデータ型に厳密であるなど、実際の運用においては使いにくい面もある。そこでデータ変換サービス DTS を使わず、Access を利用してデータを SQL Server に取り込むことを紹介する。Access を使うと、取り込みたいデータを確認しながら作業ができるので、データ型やフィールドサイズが不明の場合でも対応しやすい。

ここで SQL Server に取り込みたいデータが、日本郵便からダウンロードできる全国郵便番号であるとする。郵便番号データのダウンロードについては、前回の blog を参考にしてほしい。

 

ダウンロードした csv データファイルを Access に取り込むため、まず Access を起動して空のデータベースを作成する。ここで使用した Access のバージョンは Microsoft Office Access 2007 だが、違うバージョンでもうまくいくはずだ。Access データベースファイルを作成する場所はローカルコンピュータのドキュメントなど適当な場所でいい。

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<Fig.1 : Microsoft Office Access 2007 を起動して空のデータベースを作成する。

空のデータベースを作成したら、リボンメニューの「外部データ」から「テキストファイルのインポート」を実行する。日本郵便からダウンロードしたデータが、csv 形式のテキストファイルだからだ。

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<Fig.2 : 「外部データ」メニューの「テキストファイルのインポート」を実行する>

データのインポートはウイザードに従ってすすめる。「データのインポート元とインポート先、またはリンク元とリンク先の選択」でデータをインポートする郵便番号ファイルを選択し、データの保存方法は「現在のデータベースの新しいテーブルにソースデータをインポートする」を選ぶ。

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<Fig.3 : データのインポート元とインポート先、またはリンク元とリンク先の選択>

ファイルを指定したら読み込むデータが表示されるので、データの区切り形式を選択する。データの区切りは「区切り記号付き」を選ぶ。

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<Fig.4 : データインポートウィザードでデータの区切り形式を選択する>

次にフィールド区切り記号を選択する。フィールド区切り記号は「カンマ」を指定する。また「先頭行をフィールド名として使う」オプションは、読み込まれたデータを見てフィールド名に相当するデータがないので、チェックを外す。

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<Fig.5 : フィールド区切り記号の選択と先頭行をフィールド名として使うかの選択>

次に読み込むフィールドのフィールド名や型を設定する。Access が読み取ったデータからフィールドの型を類推して決めてくれるが、郵便番号は数値として判断される場合がある。確かに郵便番号は数値なのだが、数値として読み取った場合は先頭のゼロが無視されてしまうので、郵便番号のフィールドは「テキスト型」に変更しておく。

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<Fig.6 : フィールドのオプションを設定する>

主キーの設定では、ここでインポートするデータの主キーが不明であるので、「主キーを自動的に設定する」を選んでおく。こうすれば自動的に「ID」のフィールドが作られ、連番が与えられる。

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<Fig.7 : 主キーの設定>

インポートウィザードの最終場面では、インポート先のテーブル名を記述する。ここではファイル名から自動的に割り当てられた「KEN_ALL」の名前とした。

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<Fig.8 : インポート先のテーブルの指定>

インポートが完了したら、「インポート操作の保存」の画面になる。同じインポート操作を後で繰り返したい場合は、ここで「インポート操作の保存」にチェックをしておくと、簡単に再現できる。ここでは繰り返ししないつもりなので、チェックをしないでおく。

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<Fig.9 : インポート操作の保存>

インポートウィザードが終わったら、インポートデータは新たに生成した「KEN_ALL」テーブルに保存されている。テーブルの下部にはレコード数が 123,708 件であることがわかる。

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<Fig.10 : インポートウィザードを終了しデータをインポートした>

読み込んだ「KEN_ALL」テーブルのデータを見ると、フィールド1 は意味がよくわからない何らかの管理番号になっているようだ。フィールド2 は郵便番号の前部分、フィールド3 は郵便番号の全6桁、フィールド4 からフィールド6 が住所の読み仮名、フィールド7 からフィールド9 が住所になっている。フィールド10 から15 は何らかの管理フラグだ。

データ構造がわかったら、これに相当するテーブルを SQL Server に作る。CREATE 文は次のようなものとした。

——————————————————————————-

CREATE TABLE 郵便番号住所2(
    管理番号 int NULL,
    プレ郵便番号 varchar(7) NULL,
    郵便番号 char(7) NULL,
    都道府県カナ nvarchar(7) NULL,
    市区町村カナ nvarchar(25) NULL,
    住所それ以降カナ nvarchar(80) NULL,
    都道府県 nvarchar(10) NULL,
    市区町村 nvarchar(25) NULL,
    住所それ以降 nvarchar(80) NULL,
    管理フラグ1 char(1) NULL,
    管理フラグ2 char(1) NULL,
    管理フラグ3 char(1) NULL,
    管理フラグ4 char(1) NULL,
    管理フラグ5 char(1) NULL,
    管理フラグ6 char(1) NULL
)

——————————————————————————-

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<Fig.11 : SQL Server Management Studio で郵便番号住所をストアするテーブルを作る>

次に Access を SQL Server のテーブルに「リンクテーブル」として接続する。リボンメニューの「外部データ」から「その他」をクリックし「ODBC データベース」を実行する。

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<Fig.12 : リボンメニューの「外部データ」から「その他」をクリックし「ODBC データベース」を実行する

外部データの取り込みウィザードがはじまる。日本郵便のサイトからダウンロードした csv のテキストファイルは Access に取り込んだが、ここでは SQL Server のテーブルにリンクするために「リンクテーブルを作成してソースデータにリンクする」を選択する。

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<Fig.13 : 外部データの取り込みウィザードでリンクテーブルを作成してソースデータにリンクする>

「データソースの選択」では、適切な SQL Server へのデータソースがあれば選択するだけでいいが、なければ新規作成する。DNS 名のところの「新規作成」ボタンをクリックする。

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<Fig.14 : データソースの選択>

セットアップするデータソースのドライバーを選択する。接続したい SQL Server を選択して「次へ」をクリックする。

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<Fig.15 : セットアップするデータソースのドライバーを選択する>

データソース名を決めて入力する。データソース名は、後で見てわかるような、適当な名前でいい。

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<Fig.16 : データソース名を決めて入力する>

データソースが作成される。「完了」をクリックする。

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<Fig.17 : データソースの作成>

接続する SQL Server を選択する。「サーバー」テキストボックスの右端▼をクリックすると、利用できる SQL Server が選択できるので、テーブルを作成した SQL Server を選択して「次へ」をクリックする。

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<Fig.18 : 接続する SQL Server を選択する>

SQL Server のログイン認証を選択する。「ネットワークへのログイン ID で、Windows NT の認証メカニズムを使う」はいわゆるWindows 統合認証で、「ユーザーが入力する SQL Server 用のログイン ID とパスワードを使う」は SQL Server にユーザーを作ってログインするものだ。作業している環境によるが、ここでは前者のログインで利用するものとする。

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<Fig.19 : SQL Server のログイン認証を選択する>

既定のデータベースを設定する。郵便番号住所テーブルを作成したデータベース名は「test」だったので、それを選択する。

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<Fig.20 : 既定のデータベースを設定する>

これでデータソースの作成を完了する。

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<Fig.21 : データソースの作成を完了する>

データソースが作成されたら、データソースの詳細が表示される。ここで「データソースのテスト」をクリックすると、SQL Server に接続テストをすることができる。

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<Fig.22 : データソースの作成完了とテスト>

データソースの接続テストが成功した。

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<Fig.23 : SQL Server へのデータソースの接続テスト>

データ接続ができたら、リンクしたいテーブルを指定する。ここでは「郵便番号住所2」テーブルに接続したい。

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<Fig.24 : テーブルのリンク>

リンクテーブルが作成できた。リンクテーブルは地球のようなアイコンで、画面の左側「すべてのテーブル」に「dbo.郵便番号住所2」の名前で表示されている。このテーブルは Access 上に実体はなく、SQL Server のテーブルにリンクしている。

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<Fig.25 : リンクテーブルの作成完了>

リンクテーブル「dbo.郵便番号住所2」を開くと、SQL Server 上のデータを見ることができる。まだデータは入っていないので、一件もデータがない。

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<Fig.26 : リンクテーブル「dbo.郵便番号住所2」を開いてデータを確かめる>

リンクテーブルが作成できたら、Access にインポートしたデータを、リンクテーブル「dbo.郵便番号2」へコピーする。Access でテーブルへデータをコピーするとき、簡単なのは「追加クエリ」を作成することだ。

「新しいクエリ」を作成し、テーブル「KEN_ALL」を元データとする。画面に表示された「KEN_ALL」テーブルの各フィールドを下段にドラッグし、表示させる。

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<Fig.27 : 新しいクエリを作りフィールドを表示させる>

次にこのクエリを「追加クエリ」にする。Access では SQL 文を使ってデータを追加することもできるが、単純にテーブルからテーブルへデータを追加する場合は、追加クエリを使うと便利だ。

クエリを追加クエリにするには、クエリの編集画面で「デザイン」メニューの「+!」のアイコン、「追加」をクリックする。すると「追加」のウインドウが表示され、追加先のテーブルを選択するようになる。追加先はリンクテーブル「dbo.郵便番号2」を選択する。

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<Fig.28 : クエリを追加クエリにする>

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<Fig.29 : 追加クエリの設定で追加先のテーブルを選択する>

dbo.郵便番号2」をクエリを追加クエリにすると、画面の下部に表示されたフィールドの下の項目が変わる。単なる選択クエリの場合は、「フィールド」、「テーブル」、「並べ替え」、「表示」、「抽出条件」、「または」となっているが、追加クエリにすると「表示」の項目はなくなり、かわりに「レコードの追加」が表示される。これは、データを追加するテーブルのどのフィールドに追加するかを選択する項目だ。各フィールドの「レコードの追加」クリックすると、追加先に設定した「dbo.郵便番号2」の各フィールドが表示されるので、追加したい適切なフィールドを選択し決定していく。追加しなくてもよいフィールドは指定しなくていい。

ここで作成した SQL Server の「dbo.郵便番号2」の場合、「KEN_ALL」テーブルの各フィールドに対して、「ID」を「管理番号」に、「フィールド1」は指定せず、「フィールド2」を「プレ郵便番号」に、以降、フィールド3から「郵便番号」以降を順に設定する。

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<Fig.30 : クエリを追加クエリにした>

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<Fig.31 : 追加クエリの各フィールドに追加先のフィールドを設定する>

追加クエリができたら保存する。クエリ名は「郵便番号住所の追加」とした。

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<Fig.32 : 追加クエリを保存する>

追加クエリが保存できたら、「すべてのテーブル」にあるクエリの名前「郵便番号住所の追加」をダブルクリックする。「追加クエリを実行すると、テーブルのデータが変更されます」となるので「はい」をクリックする。次に追加されるデータの件数が表示されるので、間違いなければ「はい」をクリックする。

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<Fig.33 : 保存した追加クエリ「郵便番号住所の追加」をダブルクリックして実行する>

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<Fig.34 : 追加クエリを実行してテーブルにデータを追加する>

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<Fig.35 : 追加されるデータの件数が表示される>

この追加クエリは、SQL の INSERT 文になっている。SQL 文を確かめるには、追加クエリをデザインし「SQL ビュー」にするといい。次のような SQL 文が生成していることがわかる。

——————————————————————————-

INSERT INTO dbo_郵便番号住所2 ( 管理番号, プレ郵便番号, 郵便番号, 都道府県カナ
              , 市区町村カナ, 住所それ以降カナ, 都道府県, 市区町村, 住所それ以降
              , 管理フラグ1, 管理フラグ2, 管理フラグ3, 管理フラグ4, 管理フラグ5, 管理フラグ6 )
SELECT KEN_ALL.ID, KEN_ALL.フィールド2, KEN_ALL.フィールド3, KEN_ALL.フィールド4
              , KEN_ALL.フィールド5, KEN_ALL.フィールド6, KEN_ALL.フィールド7, KEN_ALL.フィールド8
              , KEN_ALL.フィールド9, KEN_ALL.フィールド10, KEN_ALL.フィールド11, KEN_ALL.フィールド12
              , KEN_ALL.フィールド13, KEN_ALL.フィールド14, KEN_ALL.フィールド15
FROM KEN_ALL;

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<Fig.36 : 追加クエリを SQL ビューで確認する>

追加クエリを実行すると、Access にインポートされたデータが SQL Server に追加されているはずだ。「dbo.郵便番号住所2」のリンクテーブルを開いたままなら、一度閉じて再度開くと最新のデータが表示される。

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<Fig.37 : 「dbo.郵便番号住所2」のリンクテーブルを開いてインポートされたデータを表示する>

SQL Server Management Studio で直接 SQL Server のテーブルを確かめても、データがインポートされたことが確認できる。

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<Fig.38 : SQL Server Management Studio でインポートされたデータを確認する>

このように、Access を使って SQL Server にデータをインポートすることができる。まず Access に CSV データを取り込み、次に「リンクテーブル」で Access を SQL Server に接続し、「追加クエリ」でデータを追加するのだ。

Access の追加クエリは画面上でフィールドを選択することで視覚的にテーブルからテーブルにデータを追加することができるので、SQL Server のデータ処理に使ってもいいだろう。

2012年12月29日(土)、「第9回アドミンティーチャーズ勉強会(大阪)~それで使ってるつもりですか?Microsoft Office、Microsoft MVPが正しいOfficeの使い方を伝えます~」のご案内

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年末のあわただしい折ではあるが、2012年12月29日(土)に表記の勉強会を開催することにした。この勉強会では、Excel、Word、PowerPoint、の著名なMicrosoft MVPの方々にお話をいただく。不肖私はInfoPathやSQL Serverについてのお話をさせていただく。

4人のMVPでテーマを相談したとき、いくつかの案があった。それは、たとえば「誰も教えてくれなかった、Officeソフトの使い方」、「知って得するOfficeの作法」、「あなたの知らないOffice」といったものだった。とにかくこの4人のMVPはOfficeが大好きで日々仕事や日常生活の中で使いこなしている方々だ。特にExcelの田中さんは数々の著書もある有名な方で、きっとセッションの中で役に立つことをたくさんお話しいただけると思う。休憩時間での質問も大歓迎だ。

いろいろと忙しい年末だと思うが、ぜひ多くの方に来ていただきたい。懇親会もあります。

参加は、アドミンティーチャーズWebサイトから電子メールで申し込みを。

http://adminteachers.wordpress.com/2012/12/07/%e7%ac%ac%ef%bc%99%e5%9b%9e%e3%82%a2%e3%83%89%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%82%ba%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%ef%bc%88%e5%a4%a7%e9%98%aa%ef%bc%89%ef%bd%9e/

アドミンティーチャーズWebトップページ

http://adminteachers.wordpress.com/

Access – レコードソースを設定せずテキストボックスに入力した文字列によってSQL文でデータを絞り込みVBAで動的にテーブルのレコードを取得する

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前回、前々回に、アクセスのフォームやレポートでレコードソースをプロパティに設定せず、VBAからSQL文によってレコードソースを指定してデータを取得する方法の概要をまとめてみた。

「Access – レコードソースを設定せずVBAで動的にテーブルのレコードを取得する」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2011/12/25/access-%e3%83%ac%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%89%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%92%e8%a8%ad%e5%ae%9a%e3%81%9b%e3%81%9avba%e3%81%a7%e3%83%86%e3%83%bc%e3%83%96%e3%83%ab%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%82%b3/

「Access – レコードソースを設定せずSQL文でデータを絞り込みVBAで動的にテーブルのレコードを取得する」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2011/12/25/access-%e3%83%ac%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%89%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%92%e8%a8%ad%e5%ae%9a%e3%81%9b%e3%81%9asql%e6%96%87%e3%81%a7%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%82%92%e7%b5%9e%e3%82%8a/

今回はVBAによってフォームのテキストボックスに入力した文字列によってSQL文でデータを絞り込みVBAで動的にテーブルのレコードを取得する方法をまとめてみる。

テーブルのサンプルデータは、テーブル構造は前回までの説明で使ったものと同じだが、少しデータを増やした以下のようなものを使う。

Access_SQL_023

<Fig 1 : 絞り込み検索をするテストデータ>

検索するためのフォームは、新しい空白のフォームを作成し、フォームヘッダーを作成する。フォームヘッダーにはテキストボックスをひとつ、ボタンを2つ作成する。テキストボックスは非連結で、名前を「検索氏名」としておく。ボタンの表題には、それぞれ「全文一致」と「部分一致」とする。

詳細にはデータ表示のためのテキストボックスを3つ作成する。フォームのプロパティにはレコードソースを設定しないが、それぞれのテキストボックスのプロパティでコントロールソースには各フィールド、すなわち「学籍番号」、「氏名」、「性別」を記述しておく。

Access_SQL_024

<Fig 2 : データを検索して表示するフォームをデザインする>

フォームのデザインができたら、ボタンのイベントハンドラにVBAコードを書こう。コードを書くにはボタンを選択してプロパティシートの「イベント」タブで「クリック時」のイベントを「・・・」をクリックする。「ビルダーの選択」ウィンドウが表示されたら「コードビルダー」を選択して「OK」をクリックする。

「全文一致」ボタンのイベントハンドラには次のコードを記述する。

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Me.RecordSource = "select * from 生徒1 where 氏名 = ‘" & 検索氏名 & "’"

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ここで記述するSQL文は、select * from 生徒1 where 氏名 = (「検索氏名」テキストボックスのテキスト)、であるが、「検索氏名」テキストボックスの記述方法は、ダブルクォーテーションで囲まれたSQL文の外に「&」演算子で接続する。検索氏名の実態はテキストなのでシングルクォーテーションで囲む。したがって「&」で挟まれる「検索氏名」テキストボックスの記述の前後は、シングルクォーテーションとダブルクォーテーションで挟まれることになる。

次に「部分一致」ボタンのイベントハンドラには次のコードを記述する。

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Me.RecordSource = "select * from 生徒1 where 氏名 like ‘*" & 検索氏名 & "*’"

———————————————————————————

ここで記述するSQL文は、select * from 生徒1 where 氏名 like *(「検索氏名」テキストボックスのテキスト)*、である。「検索氏名」に入力された文字列の前後を「*」で囲み、文字列を含む指定にする。上と同様に「検索氏名」テキストボックスの記述方法は、ダブルクォーテーションで囲まれたSQL文の外に「&」演算子で接続するので、「&」で挟まれる「検索氏名」テキストボックスの記述の前後は、シングルクォーテーションとアステリスク、そしてダブルクォーテーションで挟まれることになる。

VBAコードの全文は次のようになる。

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Private Sub コマンド1_Click()
    Me.RecordSource = "select * from 生徒1 where 氏名 = ‘" & 検索氏名 & "’"
End Sub

Private Sub コマンド2_Click()
    Me.RecordSource = "select * from 生徒1 where 氏名 like ‘*" & 検索氏名 & "*’"
End Sub

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<Fig 3 : ボタンのイベントハンドラにVBAでSQL文を記述する>

コードを記述したらフォームを開いてみよう。フォームが開いた時点ではレコードソースが指定されていないので、データは何も表示されず、テキストボックスは「#Name?」となってエラー表示になる。

「検索氏名」に文字列を入力し、「全文一致」か「部分一致」のボタンをクリックする。たとえば「織田 信長」のようにフルネームを入力し「全文一致」ボタンかまたは「部分一致」ボタンをクリックすると「織田 信長」のレコードだけが表示される。「徳川」のように氏名の一部だけ入力したときは、「全文一致」では何も表示されず、「部分一致」のボタンをクリックしたときに、部分一致したデータが表示される。

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<Fig 4 : フォーム「生徒フォーム」を開いてもデータは何も表示されない>

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<Fig 5 : 「検索氏名」テキストボックスに「織田 信長」と入力して「全文一致」または「部分一致」ボタンをクリックした>

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<Fig 6 : 「検索氏名」テキストボックスに「徳川」と入力して「全文一致」ボタンをクリックしてもデータは表示されない>

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<Fig 7 : 「検索氏名」テキストボックスに「徳川」と入力して「部分一致」ボタンをクリックして3件のレコードが表示された>

Written by Yoshio Matsumoto

2011年12月26日 at 11:32 PM

Access – レコードソースを設定せずSQL文でデータを絞り込みVBAで動的にテーブルのレコードを取得する

with 3 comments

Accessでフォームやレポートを作りデータを表示するとき、一般的にはレコードソースをフォームのプロパティに指定するが、レコードソースを設定せずにフォームやレポートを作成し、VBAで動的にレコードソースを指定するとSQL文が使える。SQLに熟練しているなら、この方法で自由にレコードソースを扱うことができ、応用しやすい。

レコードソースを設定せずにフォームを作りVBAでSQL文を書き動的にデータを取得する方法の概要は以下のページを見てほしい。

「Access – レコードソースを設定せずVBAで動的にテーブルのレコードを取得する」
https://matsumotoyoshio.wordpress.com/2011/12/25/access-%e3%83%ac%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%89%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%92%e8%a8%ad%e5%ae%9a%e3%81%9b%e3%81%9avba%e3%81%a7%e3%83%86%e3%83%bc%e3%83%96%e3%83%ab%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%82%b3/

さて、ここで使うSQL文にデータを絞り込むものを使ってみよう。たとえば「男」のデータだけ取得する次のようなSQL文だ。

——————————————————————————–

select 学籍番号,氏名,性別 from 生徒1 where 性別 = 男

——————————————————————————–

まずテーブル「生徒1」に次のようなデータを用意する。

Access_SQL_016

<Fig 1 : テーブル「生徒1」に用意したサンプルデータ>

フォームの作成でレコードソースを指定せずに「生徒フォーム」を作成する。新しいフォームができたらデザインビューにし、「フォームヘッダー/フッター」を作り、フォームの既定のビューを「帳票フォーム」に変更する。フォームヘッダーと詳細の高さを調節する。

次に「詳細」エリアにテキストボックスを3つ作る。各テキストボックスは、プロパティの「データ」タブ「コントロールソース」に、それぞれ表示させたいフィールド名「学籍番号」、「氏名」、「性別」を記述する。通常レコードソースを設定したフォームの編集では、ここでテーブルのレコードソースが表示されドロップダウンリストから選択できるが、ここではレコードソースが設定していないのでリスト表示はされない。キーボードから文字入力でフィールドを設定しておく。

そしてフォームヘッダーには3つボタンを作成する。ボタンの「表題」はそれぞれ「全部」、「男だけ」、「女だけ」としておこう。

Access_SQL_017

<Fig 2 : データを取得するフォームをデザインする>

そしてボタンのクリックイベントに以下のVBAコードを記述する。このときSQL文では、スタティックな文字列はシングルクォーテーション「’」で囲む。

———————————————————————————

Private Sub コマンド1_Click()
    Me.RecordSource = "select 学籍番号,氏名,性別 from 生徒1"
End Sub

Private Sub コマンド2_Click()
    Me.RecordSource = "select 学籍番号,氏名,性別 from 生徒1 where 性別 = ‘男’"
End Sub

Private Sub コマンド3_Click()
    Me.RecordSource = "select 学籍番号,氏名,性別 from 生徒1 where 性別 = ‘女’"
End Sub

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Access_SQL_018

<Fig 3 : ボタンのクリックイベントにVBAでSQL文を書く>

このフォームを実行すると、フォームを開いたときにはレコードソースが設定されていないのでテキストボックスにはエラーが表示され、「全部」のボタンをクリックすると全てのデータが、「男だけ」では男のデータだけ、「女だけ」では女のデータだけが表示される。

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<Fig 4 : フォームを開いたところ>

Access_SQL_020

<Fig 5 : 「全部」ボタンをクリックして全件データを取得した>

Access_SQL_021

<Fig 6 : 「男だけ」ボタンをクリックして男のデータだけを取得した>

Access_SQL_022

<Fig 7 : 「女だけ」ボタンをクリックして女のデータだけを取得した>

Written by Yoshio Matsumoto

2011年12月25日 at 3:25 PM

Access – レコードソースを設定せずVBAで動的にテーブルのレコードを取得する

with 4 comments

アクセスのフォームやレポートは通常レコードソースをプロパティ値に設定してデータを表示する。しかしあらかじめレコードソースを設定しなくても、VBAを使って動的にレコードソースを設定し、データを表示することができる。このときレコードソースの記述がSQL文でできるので、SQLを使ったレコード操作に慣れた人には、このVBAを使った処理はわかりやすく、応用しやすいだろう。たとえばこんなかんじだ。

まずAccessデータベース上に2つのテーブル「生徒1」と「生徒2」を作ってみる。テーブルのフィールドはどちらも同じ構造とし、「学籍番号」、「氏名」、「性別」があるとする。しかしデータの内容は違う。

Access_SQL_001

<Fig 1 : 「生徒1」テーブルを作成する>

Access_SQL_002

<Fig 2 : 「生徒2」テーブルを作成する>

テーブルを作成し適当なデータを作れば、次にフォームを作成する。Access2003の場合は「挿入」-「フォーム」で「新しいフォーム」ウィンドウを開き「基になるテーブルまたはクエリの選択」を空白にしたまま「デザインビュー」をクリックする。Access2007とAccess2010の場合は「作成」-「空白のフォーム」をクリックする。

新しいフォームができたらデザインビューにし、「フォームヘッダー/フッター」を作り、フォームの既定のビューを「帳票フォーム」に変更する。フォームヘッダーと詳細の高さを調節する。フォームの名前は「生徒フォーム」として保存しておこう。

Access_SQL_003

<Fig 3 : レコードソースを指定しないフォームを作る>

ここでいちどフォームを「フォームビュー」にして表示してみよう。レコードソースが指定されておらず、テキストボックスもなにもないので、単に真っ白な画面が表示されるだけである。

Access_SQL_004

<Fig 4 : レコードソースを指定しないフォームを表示した>

次に「詳細」エリアにテキストボックスを3つ作る。各テキストボックスは、プロパティの「データ」タブ「コントロールソース」に、それぞれ表示させたいフィールド名を記述する。通常レコードソースを設定したフォームの編集では、ここでテーブルのレコードソースが表示されドロップダウンリストから選択できるが、ここではレコードソースが設定していないのでリスト表示はされない。キーボードから文字入力でフィールドを設定する。

Access_SQL_005

<Fig 5 : 「学籍番号」、「氏名」、「性別」のテキストボックスを作成する>

テキストボックスを作成したら、もういちどフォームを開いてみよう。もちろんレコードソースが指定されていないので、データは何も表示されない。各フィールドには「#Name?」というエラーが表示されている。

Access_SQL_006

<Fig 6 : データソースが指定されていないフォームを開いたので「#Name?」エラーが表示される>

次にデータソースをVBAで記述するコードを書くが、このコードをボタンのクリックイベントで実行させることにする。そのためにフォームのフォームヘッダーに2つボタンを作成する。ボタンの「表題」はそれぞれ「生徒1データ」、「生徒2データ」としておこう。

Access_SQL_007

<Fig 7 : フォームヘッダーにボタンを2つ作り表題を設定した>

次にVBAコードを書くため、「生徒1データ」の表題を書いたボタンを選択し、プロパティの「イベント」タブから「クリック時」の横の「・・・」をクリックする。すると「ビルダーの選択」ウィンドウが表示されるので、「コードビルダー」を選択して「OK」をクリックする。

Access_SQL_008

<Fig 8 : ボタンのクリック時イベントをVBAで記述するためにコードビルダーを開く>

コードビルダーが開いたら、クリックイベントに対応するイベントプロシージャができている。ここに次のコードを書く。

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Me.RecordSource = "select 学籍番号,氏名,性別 from 生徒1"

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ダブルクオーテーションで挟まれた部分は単純なSQL文である。

Access_SQL_009

<Fig 9 : コードビルダーでイベントプロシージャを表示する>

Access_SQL_010

<Fig 10 : コードビルダーにレコードソースを指定するコードを書く>

コードが書けたらフォームを開いてみよう。フォームを開いた時点ではレコードソースが指定されていないので、各テキストボックスには「#Name?」のエラーが表示されているが、「生徒1データ」ボタンをクリックすると「生徒1」テーブルを指定したクエリが実行され、データが表示される。

Access_SQL_011

<Fig 11 : レコードソースを指定しないフォームを開く>

Access_SQL_012

<Fig 12 : 「生徒1データ」ボタンのクリックでレコードソースを指定し「生徒1」テーブルのデータを表示した>

では次に「生徒2データ」ボタンのクリックイベントで「生徒2」テーブルからデータを取得するレコードソースを記述しよう。SQL文のfrom句でテーブル名を変更するだけだ。

Access_SQL_013

<Fig 13 : 「生徒2データ」ボタンのイベントプロシージャにレコードソースを指定するコードを書く>

これで「生徒1データ」ボタンをクリックすると「生徒1」テーブルのデータを表示し、「生徒2データ」ボタンをクリックすると「生徒2」テーブルのデータを表示するフォームができた。

Access_SQL_014

<Fig 14 : 完成したフォームを開き「生徒2データ」ボタンをクリックすると「生徒2」テーブルのデータが表示される>

Access_SQL_015

<Fig 15 : 完成したフォームを開き「生徒1データ」ボタンをクリックすると「生徒1」テーブルのデータが表示される>

このようにフォームやレポートをデータソースの指定なしに作成し、ボタンクリックなどで動的にレコードソースを指定してデータを表示させることができる。ここで重要なことは、レコードソースの記述が一般的なSQL文で記述できることである。SQL文に習熟したものなら、自由にレコードセットを記述してフォームやレポートに動的に表示させることができる。とてもわかりやすい。

Written by Yoshio Matsumoto

2011年12月25日 at 2:08 PM