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携帯電話の MNP 乗り換え高額キャッシュバックキャンペーンはなぜなくならないのかを考えてみた

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携帯電話を乗り換えると高額なキャッシュバックがもらえるキャンペーンを主な携帯電話事業者が繰り返し行っている。これは健全ではないという指摘があり、やめるべきであるという議論がこれもまた繰り返しおこっている。思えば何年も前からこのようなキャンペーンは続いているようなので、これはもはや単なる一過性の現象ではなく、こうなるべき構造的な理由があるからではないか。念のため私は一利用者であり、これらの業界内部事情に全く通じているわけではないので真実を追求することを求めているものではなく、以下の考察は「頭の体操」といった意味での考察と思ってほしい。

1.なぜ台数が多ければキャッシュバックが大きいのか

携帯電話会社の前を通ると、キャンペーンの看板にはたいてい「4台まとめて」といった言葉が並んでいる。なぜ店舗は契約台数の多い客を相手にしたがるのか。これは実際に携帯電話の契約をした人にはわかりやすい。携帯電話の契約には手間と時間がかなりかかる。様々なプランを説明し、お客さんに最も最適なプランを選んでもらう。オプションにどのようなものがあるか、追加料金が必要なサービスはどれか、料金は月単位かどうか、無料期間はあるのか、端末代金の支払いはどうなるのか、解約するときはどうか。いくら上手に説明しても最低30分はかかる。契約内容が決まり、書類を整え契約が完了するまでにまた30分はかかるだろう。1人のお客さんに1時間かかるならば、カウンター社員が1日8時間働く間に絶え間なく接客できたとして最大8人までしか対応できない。もし8人のお客さんがそれぞれ1回線しかもたないときは1日働いて8契約。だがそれぞれのお客さんが4回線ずつもっていれば32契約もとれる。つまり、携帯電話の契約が繁盛する時期には、1回線しか持っていないお客さんは店にとっては逆に迷惑な客だ、ということが考えられる。だから新入生や新社会人が携帯電話を持とうとする春先には、当該本人が1契約だけするのではなく、家族を道連れにして契約してもらえるような販売手法をとるのは当然のことだろうと考えられる。

2.なぜ新規顧客は優遇されず MNP では採算がとれそうにないほどのキャッシュバックをするのか

たとえば携帯電話の本体代金を0円、プラスキャッシュバック4万円といったキャンペーンがあったとする。この場合、携帯電話の代金を6万とすれば、10万円ものキャンペーン費を携帯電話会社なのか販売店舗なのかが負担しなければならない。一方で携帯電話の月額料金は下がる傾向にある。たとえば月額4000円のプランで契約するとしたら、1年間で4万8千円、いわゆる2年しばりで2年間契約して9万6千円。諸経費等を考慮すると2年続けて契約してもらってはじめて採算ラインに達するという計算になる。もちろん携帯電話の本体代金は売値と仕入れ値の差があるので単純ではないだろうが、この変化の激しい時代に2年先をあてにして採算をとるようなビジネスモデルはどうなのだろうという疑問がわく。しかもそれは MNP 限定だ。新規顧客には全くといっていいほど高額キャンペーンはない。新規顧客こそ大歓迎で優遇するべきではないか、と思うのだが、これと類似のビジネスモデルは新聞だということに気が付く。ある新聞を契約してとっていると、たまに別の新聞販売店がやってきて、商品券などをプレゼントに契約をもちかけてくることがある。このとき、何年か分の新聞代に匹敵する商品券を持ってこられた経験はないだろうか。新聞は、ある地域で一定のシェアを持てば、1件増やして配るための追加コストはほとんど無料に近いという性質がある。それは印刷代と配達人が一件余分に投げ込む手間だけだ。だから収益がほとんど見込めなくても1件の契約を増やす意味がある。自社の収入が増える額はわずかだが、他社の収入を減らすことになるからだ。だから総額でマイナスにさえならなければ1つの契約を増やす戦略は正しいだろう。

3.なぜ携帯電話会社は長期契約者を優遇しないのか

携帯電話会社に課せられた使命は、新規顧客を増やすことに加えて、自社の顧客に逃げられないようにすることのはずだ。しかし携帯電話会社は新規顧客の開拓にはなりふり構わであるにもかかわらず、自社の顧客をつなぎとめる戦略がほとんどないように思える。これについてのヒントを得られるエピソードがある。我が家はずいぶん前からケーブルテレビでインターネットとIP電話をテレビとの 3 点セットで契約している。最近ではよくあるケースだと思うが、我が家はケーブルテレビ網がインターネット接続サービスを提供し始めた頃から契約しており、また格安の遅いスピードの契約を見直すことなく続けてきた。すると昨年末にケーブルテレビ会社の方から、料金は据え置きでいいのでスピードの早いサービスに更新させてほしい、と申し出があった。理由を聞くと、ケーブルテレビの設備を更新するために、もはや遅いスピードに対応した設備を導入することがコスト増になるという事情があるという。これを携帯電話にあてはめると、確かに知人の中には携帯電話の契約を見直すことなく何年も同じサービスを続けている人が少なからずいる。ところで日本は携帯電話網については世界のトップを走っている。3G の普及から 3.5G ともいわれる LTE の普及とすすんできたが、LTE を導入する理由は低コストで回線容量を拡充できることにある。つまり 3G 回線の契約を続けるユーザーは携帯電話事業者にとってコスト増の重荷になると考えられる。だから長期契約者を優遇せず、新しいサービスへ切り替えさせる戦略をとることが考えられる。

4.なぜ毎年キャンペーンの終息時期に規制を求める声が聞こえてくるのか。

このように考えると、携帯電話の MNP 乗り換え高額キャッシュバックキャンペーンがなくならないのは、それが構造的に正しい戦略であるからだと思えてならない。では、それなのになぜ毎年これらのキャンペーンの規制を求める声があがるのだろうか。しかもキャンペーンの終息時期を狙うかのように。そして規制を求める声が聞こえてくるにもかかわらず、店頭では一向に高額キャンペーンの旗が下りないように思えるのはなぜだろう。一般のユーザーとしては、その倫理的な是非はともかく、高額キャンペーンがあるならその恩恵を受けたいだろう。携帯電話の契約見直しを考えながらも面倒と思い躊躇しているユーザーにとっては、もしかしたらこれは「お客さん、最後の一個ですよ」という商売なのではないか。つまり、携帯電話の MNP 乗り換え高額キャッシュバックキャンペーンは異常であるという定期的な規制を求める声もあわせて、キャンペーン全体を構成しているのではないだろうかと見えてしまう。

5.MNP 乗り換え高額キャッシュバックキャンペーンがなくなるとすれば

ではもしそれが前述のような構造的なものであるとして、MNP 乗り換え高額キャッシュバックキャンペーンがなくなるとしたらどのような状況が考えられるだろう。(1)ネットでの契約など携帯電話の契約が簡素になり従業員の人件費を考慮する必要がなくなる。(2)基本料金が 0 円で完全従量制になるなどユーザーの奪い合いをしなくてよい状況になる。(3)2 年しか契約できないといった期間制限付きの「逆しばり」契約が普及する。こうした状況になれば、サービス品質と価格に基づいた選択が行われるようになるのではないか。

どうだろうか。改めて申し上げるが、筆者は携帯電話の業界事情について全く素人であるし、キャッシュバックキャンペーンをどう利用するかとか、倫理的にどうかと言っているのではない。単に一利用者として「頭の体操」として思いついたことである。単にモノを作って売るのではなく様々なサービスが世の中にある現代社会において、こういうビジネスの仕組みを考えることが面白いのである。

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クレジットカードのキャンペーンとリボ払いの落とし穴

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クレジットカードを取得するとき「新規ご入会キャンペーン」といった特典がもらえる場合がある。しかし何らかの特典がもらえるには、それなりの見返りが必要である。まれに、まったく何もせず入会するだけでギフトカードなどの特典をもらえる場合もあるが、たいていは何カ月以内に一定の金額の利用が必要とされているだろう。このとき気をつけなければならないのは「リボ払い」だ。

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※写真は本文と関係ありません。

「リボ払い」というのは、毎月の支払いを一定額に抑え、額を超えた分は翌月支払いにまわし、金利がつく、という支払い方法だ。これは支払額を毎月一定に抑えることで支払いに苦労することはなくなるが、翌月回しになる支払いについては手数料として金利を上乗せした払わなければならない。ここでの金利だが、たとえば銀行にお金を預けるとき、銀行から支払われる金利は現在どのくらいの相場であるかといえば、郵貯銀行の郵便預金で1年間の定額預金金利が 0.035 %、三井住友銀行のスーパー定期預金で1年間の金利が 0.025 %だ。一方、住宅ローンで銀行からお金を借りるとき、郵貯銀行の「フラット35」の返済期間20年以内、融資率9割以内で年利 1.580 %、三井住友銀行の超長期固定金利型で20年以内が 2.24 %だ。

銀行などの金融機関は、集めるお金に対する金利は小さく、貸し出すお金の金利は大きく設定することで利益を得る。これが 0.025 %や 0.035 %と、1.58 %や2.24 %の違いになる。ではリボ払いの金利はいくらなのか。

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※写真は本文と関係ありません。

クレジット会社によって違いはあるが、おおよそリボ払いの金利は年 10 ~ 15 %である。これは住宅ローン金利の 5倍から 10倍くらいの金利だ。この金利が適用されるのは、基本的に毎月の返済額の上限を超えた、翌月以降に繰り越される支払いに対してなので、いくら使ったのかと同時に、毎月の返済額上限はいくらなのかが重要になる。

加入するクレジットカード会社の様々なシステムの違いがあり正確な総返済額の計算は難しいが、利用額、毎月返済額、金利、からシミュレーションできるサイトを JCCA 日本クレジットカード協会が作っている。仮にリボで10万円利用し、月々の支払金額が5,000円、実質年利が 15 %だとしよう。シミュレーションでは総支払額が 111,841円となった。

http://www.jcca-office.gr.jp/consumer/revolving/
JCCA 日本クレジットカード協会

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JCCA 日本クレジットカード協会のページによるシミュレーション

「新規ご入会キャンペーン」といった特典があるときに気をつけなければならないことは、それが「リボ払い専用カード」になっていることがあり、そのことがわかりにくくなっていることである。高額の特典が目についてクレジットカードを申し込むと、リボ払いという意識なく会員契約されてしまうことがある。

たとえばクレジットカードに新規に加入し、3か月以内に10万円利用すれば7,000円のギフトカードがもらえる、といったキャンペーンがある。10万円の利用で7,000円も特典を受けられるなら結構なことだ、と思うかもしれないが、いざカードを申し込むとリボ払い専用カードで、自動的にすべてリボ払いになり、しかも当初の設定が月5,000円の支払い額となっている。そのまま10万円の買い物をすると、仮に7,000円のギフトカードはもらえても、支払総額は111,841円、つまり手数料に1万円以上とられることになるかもしれない。

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※写真は本文と関係ありません。

リボ払いであっても、月あたりの支払額上限を変更することができる。しかし10万円以上利用すれば、といったキャンペーンのクレジットカードのリボ払い月額上限が、最大5万円であったりする。増額しようとおもってもできない仕組みになっている。

クレジットカードの会員になったら、まず自分が契約した内容を正確に理解し、必要ならばリボ払いをやめる、月あたりの支払額を増額する、ショッピング利用枠を下げる、などの手続きをしよう。また不正利用を防ぐため、キャッシング利用枠を下げたり無効にすることも考えたい。またショッピングの利用枠とは別に割賦枠の制限を下げることもできる。よくわからずに「得になりそう」という直感だけで手を出さないようにしたい。

つまりは「この世においしい話はない」ことを常識と思っておくことだろう。コンピュータやインターネットが普及し、このような様々な金融サービスが身近になった現在、教科「情報」でもこのようなことを正確に知識として教え、正しい判断ができる態度を身に付けさせたい。

Written by Yoshio Matsumoto

2014年10月5日 at 2:10 PM