ホチキス先生の「プログラマーと呼ばれたい」

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小学校の先生はオブジェクト指向を知らなくてよいか – 高度な領域を知ることで教え方も変わる

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プログラミング教育において「オブジェクト指向」を学ぶことは重要だが、もちろん小学生にオブジェクト指向を教えろと言っているのではない。もちろん将来的に小学校のプログラミング教育にオブジェクト指向が取り入れられることになれば、それは歓迎すべきことだが、今すぐそうはならないだろう。また近い将来にオブジェクト指向ではない別のアプローチがプログラミングの主流になるかもしれない。ただ、現代プログラミングにおいてはオブジェクト指向は強力な手法であり、およそ個人レベルで使われるアプリケーションのほとんどがオブジェクト指向によって作られているといえる。このことから高等学校レベルではオブジェクト指向を身につけることをプログラミング教育の目標のひとつにしたい。

発達段階に応じたプログラミング教育を考えたとき、小学校では手続き型のプログラミングに留めるべきだろう。またキーボードから文字入力をするコーディングではなく、ブロックを視覚的に組み合わせてプログラムを作る、いわゆる「ブロック型」の開発環境が望ましいだろう。そして構造化プログラミングとしてまとめられる「順次構造、繰り返し構造、条件分岐」を理解しプログラミングができること、センサやアクチュエータをマイコンボードやロボットで制御し、入出力を体験的に理解し活用できること、などが目標になるだろう。では小学校の先生はオブジェクト指向を知らなくてよいのかといえば、そうではない。小学校の先生もオブジェクト指向を理解するべきである。

オブジェクト指向は高度に抽象化されたプログラミング手法である。中学校、高等学校と発達段階がすすむにつれ、どこかの段階で身につけさせたい概念である。小学校の授業では教えなくても、これを知っているのと知らないのとでは教材の作り方や教え方が違ってくるだろう。

たとえば数学なら、中学校では連立方程式を学習する。よくある問題として「予算が290円あります。鉛筆は1本30円、消しゴムは1個50円です。予算を全部使って7人に渡すには、鉛筆と消しゴムをそれぞれ何個ずつ買えるでしょう。」がある。中学校の数学では、鉛筆を x 本、消しゴムを y 個として連立方程式を作って求めるだろう。小学生にとって連立方程式は抽象化度が高いので学ばないが、小学校6年生では「文字と式」の単元で数字を○や□にあてはめた計算方法を学習する。また「鉛筆を1本だけ買った場合、2本買った場合、3本買った場合・・・」と実際の数をあてはめながら答えを求めることもさせる。そしてこれは、中学校で連立方程式を学ぶ前段階として位置づけられている。もちろん教師は中学校では連立方程式を学習することを知っており、それを前提に授業を組み立てる。学問は系統だっており、学習も発達段階に応じて系統的に組み立てられるからだ。

したがって小学校の先生がプログラミング教育を行う時も、学習の先にオブジェクト指向があることを知っているのと知らないのとでは授業のアプローチも違うはずだ。その意味でも、小学校の先生もオブジェクト指向を理解しておくべきだ。オブジェクト指向は難しいと言われるが、すぐれた教材と学習メソッドがあれば理解できる。小学校からプログラミング教育を、と言われて奮闘する小学校の先生には頭が下がる思いであり、先駆的な実践を始めている先生方は子どもたちの未来を切り開く希望の星だと言えるが、そこを、あえて、さらに質の高いプログラミング教育を実現するために、オブジェクト指向を学んでいただきたいと望んでいる。

2018年3月8日

松本 吉生(まつもとよしお)
Microsoft MVP Data Platform

1961年京都に生まれ、神戸で幼少期を過ごす。大学で応用化学を学んだのち、理科教諭として高等学校に勤務する。教育の情報化が進む中で校内ネットワークの構築運用に従事し、兵庫県立明石高等学校で文部科学省の「光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究開発事業」に携わる。兵庫県立西宮香風高等学校では多部制単位制の複雑な教育システムを管理する学籍管理データベースシステムをSQL ServerとInfoPath、AccessなどのOfficeソフトウエアによるOBA開発で構築・運用する。現在は兵庫県立神戸工業高等学校でC#プログラミング、IoTなどのコンピュータ教育を行う。2004年からマイクロソフトMVP(Microsoft Most Valuable Professional)を受賞し、現在14回目の連続受賞。2016年にマイクロソフト認定教育者(Microsoft Innovative Educator Experts : MIEE)を受賞し、現在3回目の連続受賞。

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マインクラフトのエデュケーション版を使った問題解決の授業案を考えています。たとえば小学校四年生の「植木算」の考え方。

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マインクラフトをプログラミング教育に使うことを考えて勉強会をしています。

勉強会「マインクラフトとプログラミング教育」を開催します。
アドミンティーチャーズ
https://adminteachers.wordpress.com/2017/03/08/%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%e3%80%8c%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%95%e3%83%88%e3%81%a8%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%80%8d/

マインクラフトにはエデュケーション版があり、エデュケーション版には一般のコンシューマー向けのマインクラフトにはない特殊パーツや「Classroom」という授業をするためのモードが用意されています。これらの機能を使えば、効果的に授業でマインクラフトを運用することができます。

マインクラフトは自由度が高く、無限の可能性がありますが、たとえば小学校の算数をテーマに取ると、このような問題解決型の授業案が考えられると思います。

テーマ:レッドストーンで「植木算」を理解しよう
概要:「植木算」は、おおむね小学校四年生の算数で取り上げられる課題で、割り算を習った後に、割り算を現実世界にあてはめて使うことを学ぶ目的で使われます。たとえば「10メートルの道路にそって1メートルおきに木を植えるとしたら、何本の木が必要ですか。」といった問題です。割り算を習った子供は、10メートル割る1メートルで10本、という答えを出せるとして、しかし実際は1mごとの「間」を数えるので9本でよい、ということに気付かせる問題です。これをレッドストーンの働きにおきかえて、15ブロックしか信号が伝わらないレッドストーンを150個使い、全部使ってできるだけ長く信号をつなぐために、何個の反復装置が必要かを考えさせ、実際にマインクラフトの世界でやってみて体験します。

授業案を Docs.com でも公開しています。
https://docs.com/user775272/8741/minecraft-small-challenge-no-2-planting-tree

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