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「マンネリ打破のためのアウト・フレーズ練習帳」でわかったソロプレイの真髄

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世には様々なギター教則本があるが、大別するとギターの構造やピッキングと運指法、楽典の基本、メジャー、マイナー、ペンタトニックなど基本スケールの解説などの初心者向けの内容のもの、ドリアン、リディアン、コンビネーション・オブ・ディミニッシュなどスケール理論を網羅的に解説したもの、ジャズやブルースなど特定ジャンルの演奏法を解析し、また典型的な著名なギタリストのフレーズを解析し、奏法を解説するなどしてその人らしい演奏ができるようにガイドするもの、そして最近の流行に思えるのは、トレーニング用に作られた短いフレーズを列挙し、いわば小学生の算数ドリルのように積み重ねる練習法を示すものがある。しかしこの本はそれら数多の教則本にないことが解説されている。

この本を読みいくつかのエクササイズを試すと、音楽というものが時間の流れとともにある芸術であることに気付かされる。そもそもこれは当たり前のことなのだが、この当たり前のことに気づくと、世にある数多の教則本には時間の流れについての解説が欠如していることがわかる。極論をいえば音楽とは時間と空間をコントロールする芸術なのだ、と。

この本では、まずペンタトニックスケールを元にしたアウトスケールの考え方が示される。軽く読んだときは、ペンタトニックから派生するとはずいぶん単純な解説だと思ったが、CDの模範演奏を聴きながら楽譜を読み、自分で弾いてみるとその奥の深さがわかった。本の中盤でモード的解釈やクロマティック、ディミニッシュ、ホールトーンなどスケールの解説がされるが、おそらく筆者は冒頭の章と最後のまとめの章ですべてを言い尽くしたのではないか。つまり、アウトスケールというものは時間の流れとともに組み立てられるもので、そこには既存の網羅的に解説されたスケールなどというものは後付けの解釈にすらならず、アウトスケールに対しては全く無意味なものであると。

この本からアウトスケールの真実を知ると、たとえばコード進行がなになにのときはこれこれスケールと使うといったような理論は、ギターソロの分野においては、あたかもピアノのバイエルをなぞっているだけであって、そこからは全くオリジナルな演奏は出てこないことがわかる。アウトスケールは時間と空間をコントロールする場において、いかに自分らしい流れの音空間を作るかであって、そこに全く理論は関係ない。だからこそ音楽は永遠に未開の地であり、無限の可能性があり、すべてのプレイヤーが自分だけのアウトスケールを作り出す可能性があるのだ。この本は俺の目から鱗を落としてくれた。

時間と空間をコントロールする芸術。音楽の世界もいつかはアインシュタインのような偉人が出現し、E=MC2のような理論式を見つけ出してしまうかもしれない。そうなれば、もはや秘密は失われ、音楽は真に芸術の地位から脱落してしまうのだろう。

それまでには、まだまだ、やれることがある。

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